ドラマ・映画やバラエティ番組にも出演し、幅広く活躍していた歌舞伎俳優・市川猿之助さん(本名=喜熨斗孝彦 きのし・たかひこ 47歳)と両親の3人が18日、自宅で倒れているところをマネージャーに発見され、猿之助さんの命に別状は無かった一方で両親は死亡しました。
両親の遺体に目立った外傷はなく死因は現時点で不明で、警視庁は20日にも司法解剖を行い、死因を特定するとしています。
警視庁目黒警察署の発表などによると、18日午前10時過ぎに、市川猿之助さんのマネージャー2人が舞台出演のために自宅へ行き、普段から家の鍵は開いていたことで中に入ったものの、応答がなかったことで3人を探したところ、猿之助さんの生活スペースだった玄関近くの階段を下りた場所にある半地下のクローゼット内で、首を吊って意識が朦朧(もうろう)とした状態の猿之助さんを発見したといいます。
その後、両親が普段暮らしていた2階のリビングの奥の方で、仰向け状態で並んで横たわっている2人を発見したといい、敷布団がない床の上で首から下に掛け布団がかけられていたとのことです。
3人に目立った外傷は無く、家も荒らされた形跡が無いため、第三者が介在している可能性は低いとみられており、市川猿之助さんのそばには本名名義で知人・M氏(付き人との報道もあり)に宛てた遺書らしきものがあったため、これらの状況から猿之助さんが心中を図った可能性もあるとみて捜査を行っているとしています。
なお、現時点で自宅からは煉炭や薬の空き瓶などは発見されていないそうです。
警視庁は今後、市川猿之助さんの回復を待って事情聴取を行う方針で、警視庁は病院に搬送後に聴取を試みたそうですが、まだ受け答えができる状況では無かったそうです。
ニュースサイト『現代ビジネス』が捜査関係者に取材したところ、市川猿之助さんは警察が駆け付けた時点で会話ができる状態で、両親の居場所を聞かれると「上にいる」と答えていたとし、部屋から見つかった遺書とみられるものには「先立つことをお許しください、申し訳ありません」といった内容が記されていたとしています。
そのため、市川猿之助さんは自殺を図った可能性が高いものの、両親の死因はまだ特定されていないため、無理心中を図ったのか、猿之助さんは関与しているのかどうかは不明といいます。
そして、このまさかのトラブルによって関係各所対応に追われており、市川猿之助さんは今月開幕した『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』で主演していたほか、6・7月の大歌舞伎、6月16日公開予定の映画『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』、来年2~3月に上演予定の『スーパー歌舞伎II 「鬼滅の刃」』等への出演を予定しているのですが、それぞれの関係者はまだ状況を把握できていないため、今後の対応は未定としています。
市川猿之助さんは18日発売の週刊誌『女性セブン』によって、歌舞伎役者等に対するセクハラ・パワハラ疑惑等を報じられており、この報道が背景にあるのではないかと推測されています。
女性セブンは、市川猿之助さんが自身の立場を利用し、若手の歌舞伎役者ら舞台共演者に過剰な“性的スキンシップ”をしていた疑いや、スキンシップを拒んだ劇場スタッフを担当から外したり、一門の弟子に向かって「弟子なんか家畜だからな!お前らは家畜だよ!」と怒鳴り散らしていた等の証言を伝えています。
ただ、女性セブンの記事には市川猿之助さんのパワハラ、セクハラを裏付ける決定的な証拠などは掲載されておらず、あくまでも関係者等の証言をメインに構成した内容となっているほか、猿之助さんはこの先も複数の仕事でスケジュールが埋まっている人気歌舞伎役者であるため、この報道だけで自殺、心中を図るだろうかと疑問を抱きます。
結局のところ、何があったのかは市川猿之助さんしか分からない状況なので、心身の状態がある程度回復した後に、一体どうしてこのような事になったのか、真実を明らかにしてほしいと思います。