リオデジャネイロ五輪・女子レスリング63kg級の金メダリストで、東京五輪への出場が決まっている川井梨紗子選手(かわい・りさこ 25歳)が27日、地元・石川県のレスリング協会会長・下池新悟会長(しもいけ・しんご)から様々な嫌がらせを受けていることを告発し物議を醸しています。
<↓の画像は、石川県レスリング協会・下池新悟会長の顔写真>
川井梨紗子選手は今年9月に世界選手権の57kg級で金メダルを獲得し、東京五輪への出場を決め、27日に石川県庁でスポーツ特別賞を受賞しました。
川井梨紗子選手が県スポーツ特別賞を受賞するのは3年連続3回目、過去最多となります。
そんな川井梨紗子選手は、「とても苦しく厳しい代表争いだったが、県民の応援のおかげで頑張ることができた」と振り返り、妹で女子レスリング62kg級の川井友香子選手と共に東京五輪への出場を決めたことを受けて、「来年は妹と揃って金メダルを持って来られるよう頑張りたい」と金メダル獲得への意気込みを語っていました。
<↓の画像は、川井梨紗子選手と妹・川井友香子選手の写真>
そして、贈呈式が終了後に集まった記者たちの取材に応じたのですが、川井梨紗子選手は石川県レスリング協会の下池新悟会長からの嫌がらせを告発し、「『川井家には関わりたくない』と言っていると聞いたことがあるので、こういう授賞式にも顔を出さないと思う。連絡もいただいたこともないですし、おめでとうとかもない」
と明かしています。
<↓の画像が、下池新悟会長からの嫌がらせを告発した川井梨紗子選手の写真>
また、「今回だけの話じゃなくて、リオの時から親に対して嫌がらせみたいなことがされていた。耐えきれなかった」
として、リオ五輪の際に壮行会を開いてもらえなかったことを明かし、「母が教えているジュニアクラブの教え子を国体に出さないこともあった。(会長が)『気に入らない人はクビにする』などいろんな話も聞いている」
と、自身や家族が以前から様々な嫌がらせを受けていると暴露しています。
<↓の画像は、川井梨紗子選手の家族写真>
(左から妹の川井友香子選手、父・孝人さん、妹・優梨子さん、川井梨紗子選手、母・初江さん)
11月に行われた全国高校選抜北信越大会のあいさつでは、「石川県には五輪内定者が2人いますが、残念ながら女です」という女性蔑視発言があったと聞いたそうで、大会の会場には石川県の高体連専門委員長を務めている父・川井孝人さんもおり、「『女性だから』と言われるのも悲しいが、父がいる目の前で地元協会のトップの方がそういう発言をされた。身内が傷つけられるのが悲しくて。オリンピックに出ることが、祝福されていないのかなと思った」
と語っています。
激励会の際には下池新悟会長が両親の前で「鳶(とび)が鷹(たか)を生む」(平凡な親が優れた子供を生む例え)とあいさつし、母親が募金箱を持たされて激励会費用の集金をしたこともあったそうです。
その上で、「協会を私物化しないでほしい。レスリング強化のための協会であってほしい」
と訴えています。
川井梨紗子選手はこのように下池新悟会長による嫌がらせ行為を暴露したのですが、この発言を受けて下池会長はメディアの取材に応じ、「3年前に祝賀会までしてあげているんや。激励旗まで渡してやっているわけや。ほんでも帰ってきても、ありがとうっても言わねぇよ。こっちが嫌がらせを受けているやん」
と反論しています。
<↓の画像は、川井梨紗子選手の告発に反論する下池新悟会長の写真>
川井梨紗子選手の嫌がらせ行為暴露に対してネット上では、
- 選手側からしたらオリンピックまで1年もない状況で、わざわざ嘘を言い出す必要性が無いから、多分本当なんだろうな
- 祝賀会を開催したとは言ってる、ということは、壮行会はしなかったのは本当なのか
オリンピック選手に壮行会しないとか、ありえるの? - ムチャクチャ問題発言!壮行会もしないとか。しかも「頑張れとも言わないが差別発言はしていない」との釈明。なぜに「頑張れ」とも言えないのか?
私情だとしても立場がレスリング協会会長ならば許されない問題 - そういうあなたを指導していた栄和人さんも同じようなことして、至学館大の監督復帰したんですよ。それはいいんでしょうか?と問いたいです。
- きっと本当のことだろうけど、オリンピックにも選出され、それ以上に何を期待して、今言う必要があるのか理解しがたい。
- 3年前に祝賀会やってあげてる?上から目線だね、その一言で解るよ。両親にも上から目線なんだろうね。
- 伊調と禿の件といいレスリング界どうなってんだ。メダルラッシュで華やかな面しか報道しないけどドロドロだな
- 「こっちが嫌がらせを受けている」この回答が全てを語っている気がする。誤解があったとしても、現役のオリンピック代表選手に対して全くリスペクトがないのが丸わかり。人の上に立つ者としてこんな言い方をする大人はいない。
そのうち指摘されて冷静さを欠いていた失言だったと訂正するよ、この人。これまでのパワハラしてた人のパターンです。 - 協会は、選手の為にあるのではないでしょうか?選手かいなければ協会は無いし、協会かなければ選手もいない!
会長は辞職した方が早いですよ!事が大きくならないうちに - 女性蔑視の発言。パワハラの訴えというより女性アスリートとしての発言だと思う。
マスコミは事実確認をしっかりとすべき。見た印象。この下池とかいう会長が真っ当に選手を応援しているようには見えない。
ましてやオリンピックが近づく今、川井選手があえてこういう発言をしたのは、それなりの真実と意味があると思う。
などのコメントが寄せられています。
川井梨紗子選手ら家族への嫌がらせ行為、女性蔑視発言をしたとされる下池新悟会長は2011年から石川県レスリング協会の会長を務めている方で、これまでジャパンキッズレスリング大会、全国高校総合体育大会、日米親善大会など様々な全国大会、国際大会の誘致や運営に携わり、石川県内のレスリング普及、振興に尽力し、これまでの功績が評価されて昨年春には旭日双光章を受章しています。
そうした方が、「石川県には五輪内定者が2人いますが、残念ながら女です」という発言をしたり、五輪出場を決めた川井梨紗子選手の壮行会を開催しないというのはあり得ない、信じ難い話で、川井選手が暴露した内容が全て事実とすれば、石川県のレスリング協会会長からの辞任を求められてもおかしくはないことかと思います。
しかし、『スポーツ報知』の取材に対して下池新悟会長は、「そんなことは一言も言っていない。誰から聞いたか知らないが、事実無根の話。五輪に出られるなんて、男女関係なく名誉なこと。ましてや姉妹で出られるんだから」
と完全否定しています。
さらに、「いちいち反論しても泥仕合になるが、リオの時も100万円近くのお金を渡しているのに、帰ってきて『ありがとう』のひと言もない。金メダルを取った後の祝賀会も、母親から『いりません』と言ってきた」
と訴えています。
このように泥仕合になっているのですが、川井梨紗子選手は姉妹揃って東京五輪への出場が決まっており、このタイミングでわざわざウソの暴露をするとは思えないですし、自身だけでなく家族も嫌がらせ行為を受け、公の場でも失礼な発言があったとのことから、どっちの主張が正しいかはすぐに分かることだろうと思います。
東京五輪を前に再びレスリング界でこのようなトラブルが発生したのは残念で、これ以上大きな騒動に発展する前に両者の間で問題を解決してもらいたいです。