『日本維新の会』に所属する兵庫県尼崎市の市議会議員で、『尼崎市議会 維新の会』で幹事長を務めている光本圭佑・市議会議員(みつもと・けいすけ 41歳)が、人気漫画『鬼滅の刃』を彷彿とさせるデザインの政治活動ポスターを作成した問題で、『週刊少年ジャンプ』の編集部が関与を否定するコメントを発表しました。
『週刊少年ジャンプ』の編集部は公式サイトなどで、「一部政治家のポスター等に『鬼滅の刃』の作品イメージを利用したものが見受けられますが、株式会社集英社および週刊少年ジャンプ編集部は、これらについて一切の関与をしておりません。」
と発表しています。
<↓の画像が、週刊少年ジャンプ編集部のツイート写真>
光本圭佑市議が作成した政治活動ポスターは、『鬼滅の刃』のロゴを彷彿とさせるデザインに加えて、黒と黄緑の市松模様をバックに、作品に登場するキャラクター・煉獄杏寿郎のセリフとしても知られる「心を燃やせ!」というフレーズも記されており、『鬼滅の刃』を政治活動に利用するなと批判の声が噴出し、関係各所に問い合わせが相次ぐ事態となっていました。
<↓の画像が、光本圭佑市議の『鬼滅の刃』風ポスター写真>
<↓の画像は、『鬼滅の刃』の写真>
そして、光本圭佑市議は4日に自身のブログを更新し、「今回の私の2連ポスターについて、集英社様とアニプレックス様にご連絡されている方がおられるようですが、集英社様とアニプレックス様は無関係でありご迷惑となりますので、くれぐれもこの件でお問い合わせをされる事はやめて頂けますようにお願い致します。」
とした上で、問題のポスターに関する説明を行っています。
鬼滅の刃風ポスターを製作した経緯については、「学生や若い世代からの提案と彼ら彼女らが同世代にいかにして興味を持って頂けるかという熱意を取り上げ汲み取り、集英社様の知的財産課の方とも『市松模様』・『心を燃やせのせりふ』・『政党ロゴのデザイン』について、権利を侵害しないかの確認を取った上で作製しました。最終的に今回のポスターを作ろうと決めたのは私自身であり、個人のポスターであることから、このポスターの責任は私にあります。」
と説明しています。
今後の対応などについては、「政治に関心の薄い世代にいかにして興味を持って頂くかを模索し続けてきた結果、今回のポスターを作成することとしましたが、様々なご指摘を受けましたことと紙質が印刷会社の手違いで指定と異なるものが入荷されたことにより、別デザインによる再発注をかけることと致しました。なお、現在掲示しているポスターにつきましては、新しいポスターが出来上がり次第、順次張り替え作業をしていきたいと思います。」
としています。
光本圭佑市議は3日に、ニュースサイト『ビジネスジャーナル』の取材にも応じており、「大前提として、弁護士のリーガルチェックを受け、加えて集英社さんの知的財産課さんからお話をお聞かせいただいて作成しています。(中略)市松模様に関しては、集英社さんは『日本古来の模様なので、許諾する、許諾しないという立場にありません』とのことでした。ポスターの市松模様はうちの政党カラーの黄緑色で作っているので、集英社さんは『そこを黄緑色にされているのであれば、なおさら話はありません』ということでした。ポスター記載のスローガンに関しても若い世代に考えてもらいました。『日ごろから言うてるようなセリフが良い』ということで、『心を燃やせ』になりました。これに関しても集英社さんにお話を聞いたところ、『心を燃やせ』『全集中』などの短いセリフは、作品に関係なく使う人がいるので『集英社として許諾する、しないといえる立場にありません』とのことでした。」
などと説明しています。
一方の『集英社』側は取材に対して、「使用許諾申請については、いろいろな企業、個人様からいただいているので、すべてを遡ることは難しいのですが、基本的にそういった(政治的な)利用には許諾は出さないので、許諾は出していないと思われます。ただ、作品にはさまざまな形で権利があります。それが原作に基づいているものなのか、アニメに基いているものなのかは、(ポスターを)見ていないので、なんとも申し上げられません。アニメの場合はアニメ制作会社が判断する場合もありますので、なんとも言えない部分もあります。」
などと回答しています。
また、『日本維新の会』は光本圭佑市議の政治活動ポスター製作に関与したのか否かについて、「党としては関知していません。兵庫か、光本本人が製作したものになります。党としては、『違法性はないようにしてくれ』とは申し伝えています。(党員の名前や写真などの)面積とか法律で決まっている項目を守るよう、周知していますが個々のポスターのデザインまでは把握していません」
と回答したとのことでした。
そして、『週刊少年ジャンプ』の編集部と『集英社』はポスター製作に一切関与していないことを発表し、一方の光本圭佑市議は製作の経緯説明と謝罪、ポスターの回収を発表したのですが、今回の騒動に対してネット上では、
- これで若者の人気をとろうとするところがイタい。実現可能な政策を見せてほしい。
- 政治家が鬼滅ブームに便乗して「心を燃やせ」と言ったところで、虚しさが増すだけです。政治家が劣化してきたなあと思います。
- スーパーがチラシに市松模様入れるのとは訳が違う。というかロゴもキャッチコピーもそのまますぎるし、スーパーのチラシの方が遥かに権利に気を使ってるよ
- 市松模様は昔からあるし、維新のカラーは緑だかけど、今はそれやっちゃ駄目よ。パクリとか言われるのは目に見える。しかもロゴまで似せてるから。
- 鬼滅の刃の人気にただ乗りして票を稼ごうとしてスミマセン、と、素直に謝れないのかね?
法的に訴えられるかどうかにかかわらず、明らかに混同されるでしょう。香港警察とやってること同じだよ。やるならお金はらって堂々と便乗しなさい。 - このような他人のフンドシで相撲を取ろうとするのはいかんでしょ。そのようなことをすれば、知的財産権を侵害することや、政治色を持たせることで作品のイメージダウンになることくらい想像できたでしょうに。それとも炎上商法の手法を取り入れたのでしょうか。
などの声が上がっています。
政治家までもが『鬼滅の刃』ブームに便乗し、もろパクリと言われても仕方が無いようなデザインのポスターを製作してしまったというのは何とも残念な話ですね。
光本圭佑市議がこうしたポスターを製作することによって、若者たちの注目を集める可能性は高まるかもしれませんが、『鬼滅の刃』の作者ら関係者が特定の政党を応援しているという誤解を生み、作品に悪影響を及ぼすことも十分考えられます。
そのため、権利関係の問題はクリアしていたとしても、こうしたポスターは製作するべきではなかったと思いますし、光本圭佑市議はブログで、「若い世代また政治に関心の薄い世代に興味を持って頂けるような工夫は別の形で今後も続けていきたいと思っております。」と綴っていますが、今後また安易な行為でトラブルとならないよう注意してほしいですね。