20歳になる前の今年7月に飲酒・喫煙が発覚し、パリ五輪出場を急遽辞退した体操の宮田笙子選手(みたた・しょうこ 20歳)に対して、『日本体操協会』は藤田直志会長による厳重注意処分のみを下したことを発表しました。
宮田笙子選手は7月に、パリ五輪の事前合宿地・モナコに出発後、強化本部に寄せられた内部通報によって以前に喫煙していた疑惑が浮上し、宮田選手が所属する順天堂大学の監督が本人に確認したところ、行動規範に抵触する疑いがあることで緊急帰国することになりました。
帰国後に、両親とコーチの同席のもとで日本体操協会が事情聴取をした結果、「日本オリンピック委員会(JOC)の五輪派遣規定、日本協会の行動規範などに反した」と判断され、宮田笙子選手はパリ五輪への出場を辞退しました。
宮田笙子選手はこの騒動から2ヶ月後に開催の『第78回国民スポーツ大会』で実戦復帰し、福井県代表チームの優勝に貢献しており、宮田選手は試合後に自身のインスタグラムで、「私が取った行動で多くの皆さまにご迷惑をかけてしまい、深く反省しております。申し訳ありませんでした。この件に対し真摯に向き合い、今後の競技生活を全うして参ります(中略)所属の順天堂大学をはじめ、これまで育てていただいた関係者の皆様、応援していただいた皆様に、体操競技を通じて少しでも恩返しできるように努力していきたいと思います。
などと綴っていました。
<↓の画像は、福井代表の優勝に貢献した宮田笙子選手(中央)の写真>
そして、今日公表された第三者機関による調査によれば、宮田笙子選手は7月4日に『味の素ナショナルトレーニングセンター(NCT)』の自室で飲酒・喫煙をしていたものの、「常習的または公然と喫煙・飲酒を行っていた事実は確認できず、コーチなどの近しい関係者にも知られないように注意していたとのことであった」
としています。
調査報告を受けて日本体操協会は、20歳未満での飲酒・喫煙は法律違反(刑事罰はなし)に加えて、協会の倫理規定、日本代表選手・役員の行動規範に抵触する行為としながら、「すでに本人自らオリンピック出場を辞退し、既に大きな代償を払い、十分反省している」と判断し、倫理規定に基づいた処分(永久追放・登録抹消・資格停止・戒告など)はせずに、会長による厳重注意処分としたと説明しています。
また、女子強化本部の元本部長・田中光さん、田野辺満コーチ、原田睦巳コーチ、現場責任者・山本宜史ハイパフォーマンスディレクター、日本体操協会の西村賢二専務理事に対しても厳重注意をしたと発表し、日本体操協会は再発防止に向けて行動規範の見直し、コンプライアンス教育の改善などに取り組んでいくとのことです。
宮田笙子選手に対する処分発表などを受けてネット上では、
- そういえばそんなことあったな
- もうええでしょう
- 甘すぎるな
- 未成年飲酒と喫煙を大目に見たら全国の子供たちがマネするじゃん
- 反省したならもういいと思う
- ただの有名人じゃなくて強化費とかももらってる日本代表の選手だったから埃の出ない品行方正さは必須
- 選手生命が長くない競技で、一世一代の大舞台の前に喫煙・飲酒をかます脳筋ぶりが凄い。普通考えたら一番やったらあかんタイミングやん。
- 反省なんかするわけないじゃん。学校のスポーツ特待生の傲慢無礼ぶりを見れば、未成年の喫煙飲酒なんか当たり前のこと。
実力も知名度もないザコが何を言う!くらいにしか考えていないさ。十分どころか少しだって反省するわけがない。 - 誰にも過ちはある。しっかり反省すれば問題ない。心が折れず次のオリンピックに出られることを願います
などの声が上がっています。
宮田笙子選手は帰国後の聴取で、喫煙・飲酒行為はそれぞれ1度だけだったと説明し、その後の調査でも常習性は確認できなかったとしているのですが、週刊誌『フラッシュ』は宮田選手の飲酒・喫煙は常習的で、協会も黙認していたと7月に報じています。
ある体操指導者はフラッシュの取材に対して「タバコ? 吸っていることは有名でしたし、みんな知っているでしょう」と証言したほか、「宮田選手の態度の大きさや横柄な口の利き方などから、教え子たちは試合会場でかなり萎縮していました。(中略)“女王様気質”で、ウチのコたちには『ああいうところは学ばないように』と伝えていました。」
と語っていました。
また、協会関係者も以前から喫煙が噂されていたほか、今年5月にパリ五輪の最終選考が行われた際に、「宿泊先のホテルで彼女が飲酒や喫煙をしていたという通報があった」「協会は選考会の段階では、管理責任は所属チームにあるということで、特に聞き取り調査などは行いませんでした」
と証言していました。
こうした報道も出ていたことから、今回の日本体操協会による処分発表に対しては、正直冷ややかな目で見てしまいますが、今後またこうした問題が発生しないように協会側も改善をしていってほしいです。
宮田笙子選手は、自業自得ながらパリ五輪を辞退することになって日本代表チームに大迷惑をかけ、そして期待されていたメダルも獲得できない結果に終わり、世間からは猛バッシングを浴びて社会的制裁も受け、さすがに過去の言動を反省していると思いますし、本人は一連の騒動を経て「できる限り長く体操をしたい」との思いを明かしており、これからまた体操に全力を注いで活躍する姿を見せてもらいたいです。