元ハンバー投げ日本代表選手で、アテネ五輪の金メダリスト・室伏広治さん(むろふし・こうじ 本名=室伏アレクサンダー広治 46歳)が、難病「悪性脳リンパ腫」を患い、現在闘病していることを8日発売の週刊誌『週刊新潮』が報じています。
室伏広治さんは2016年に現役引退し、昨年9月に文部科学省の外局・スポーツ庁の長官に就任しました。
また、『東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会』のスポーツディレクターや、『日本オリンピック委員会(JOC)』の理事も務める室伏広治さんは、1日にスポーツ庁の職員に向けた訓示で、「東京(オリンピック・パラリンピック)大会の開催に向けて、一丸となって取り組んでいきたい」と語っていました。
<↓の画像は、昨年9月にスポーツ庁長官に就任した室伏広治さんの写真>
そんな室伏広治さんが人知れず、深刻な病と闘っていることを『週刊新潮』が報じており、記事では東京都内の病院関係者が、「室伏さんは昨年秋、歩き方がおかしくなって、転んだりもしたために検査を受けると、脳に腫瘍が見つかったのです。すぐに開頭手術を受けたところ、脳腫瘍ではなく、脳原発性の悪性リンパ腫でした」
と明かしています。
室伏広治さんが発症した「脳リンパ腫」について、病理専門医・細胞診専門医の榎木英介さんは、「発症者は10万人に1人といわれるほど稀な病気で、実際、発生頻度は脳腫瘍の2~4%程度、脳以外で発症する悪性リンパ腫の1%未満とされます。脳にはリンパ組織が存在しませんが、それなのに悪性リンパ腫が発生する原因は明らかになっていません」
と説明しています。
室伏広治さんが昨年末までに、抗がん剤「メソトレキセート」を複数回投与し、しばらく入院生活を送っていたそうですが、スポーツ庁関係者は、「入院中は病室で公務を行い、幸いにもコロナでリモートワークができる環境なので、部屋でも十分に仕事をこなせたようです」
と明かしたといいます。
<↓の画像は、今年3月撮影の室伏広治さんの写真>
今後の治療について病院関係者は、「3月中旬、自身の骨髄の細胞を取り出す手術を受けました。4月半ばに再び入院する予定です。その際は、まず抗ガン剤を大量に投与した後、取り出した骨髄の細胞を点滴で移植します。池江(璃花子)選手のように他人の骨髄の細胞を移植する“同種移植”に比べ、自分の骨髄の細胞を移植する“自家移植”は、副作用のリスクが低いと聞きます」
と語っています。
スポーツ庁関係者によれば、治療が順調に進めばゴールデンウィーク明けには完治し、退院できるといいます。
ある脳外科医も、「この治療の場合、点滴で骨髄を移植した後、抵抗力がゼロになる。だから2週間ほど無菌室に入院するはずです。ただ、そこを乗り越えられれば完治すると思います」
としています。
「悪性脳リンパ腫」も、50歳以下での発症ならば“ほぼ完治”する病気といいます。
そして、『週刊新潮』が室伏広治さんに病気について聞いたところ、スポーツ庁を通じて、「これまでも公務に支障をきたさないよう努めており、今後もオリンピック・パラリンピック東京大会の開催に向けて、関係者と一丸になって全力で務めてまいります」とコメントしたとのことです。
『週刊新潮』の報道を受けてネット上では、
- 必ず良くなるよ!鉄人で超人だもん!ゆっくり治してください!
- 世界一と言われた身体能力を持った室伏広治さん。必ず病気にも打ち勝ち、戻ってきてくれますよ!信じています!
- 50歳以下なら完治すると言う事ですが、しっかり治療してから復帰して欲しい
- 無理しないほうがいい!見た目では、わからないが免疫力も落ちてるし、コロナに感染したら大変!ゆっくり休養して欲しい!室伏さん!
- 仕事より命の方が大切。今は治療に専念してください。無事に回復する様に祈念しております。また元気な姿を見せてください。
- スポーツ庁長官は激務だろうから、一旦休業し、治療に専念した方が、本人、関係者、国民みんなのためだと思うが…
- 池江さんといい、古賀さんといい、最近スポーツ選手の大病が多い気がする。焦らずゆっくり静養なさって下さい。
- 隠蔽されて表に出ない闇の部分をすっぱ抜くのはいくらでも歓迎するけど、本人が望んでいない病気の公表は、犯罪とまでは言えなくとも道徳的には明らかに問題だよ。
隠されていることを何でもかんでも暴けばいいというものではない。 - 情報をリークした人を特定すべき事案だね。医師など有資格者の場合は、罰則もある。報道したほうも本人の意思に反してであればコンプライアンス違反と思う。
- 室伏さんには是非完治して元気になってほしい。だが、病院関係者の発言が気になる。
私も医療従事者ですが、患者の治療内容などの個人情報は口外してはならないはず。病院としての信頼問題に繋がること - 古賀稔彦さんの死はショックでした。スポーツ庁長官を務めるよりもまず難病を治すことだと思う。
東京オリンピックの成功よりも自分自身の命を大切にする選択をしていただきたいと思う。
などの声が上がっています。
『週刊新潮』の報道を受けて室伏広治さんは7日、スポーツ紙などの取材に応じており、事実関係者病状などの詳細を聞かれると、「個人情報ということで、話さないようにしています」と明言は避けながらも、「(トレーニングで)石も持っていますし、俵も持ち上げていますし。(職務に)影響がない風にさせて頂いていますから、応援よろしくお願いします」などと語り、体調に問題ないことをアピールし、今後も公務を続けていくと発表しています。
また、スポーツ庁を通じて出したコメントでも、「本日の一部報道について、詳細は個人に関する情報であるため、回答を差し控えさせていただきます。なお、これまでも公務に支障を来さないよう努めており、今後も東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、関係者と一丸となって全力で努めてまいります」
としています。
ハンマー投げで素晴らしい成績を残し、“鉄人”などと呼ばれているあの室伏広治さんが、難病の悪性脳リンパ腫で闘病していたというのは非常に驚きましたし、今後が心配でならないですね。
室伏広治さんは心配をかけまいと体調に問題がない事をアピールし、今後も公務を続けていくと語っていますが、無理せずにしばらく治療に専念してほしいです。
室伏広治さんが発症した悪性脳リンパ腫は、脳内にあるリンパ腫を切除する手術はほとんど行われず、抗ガン剤や放射線で治療していくのが一般的とされています。
また、この病気は非常に進行スピードが早く、数日から週単位で進行することが多いとされ、そのため早急に適切な治療を行う必要があるそうです。
そして、この病気は再発率も高く、治療後に寛解となるのは半数程度といい、適切な治療を受けた場合の5年生存率は40~50%ほど(50歳以下の場合)とも言われています。
昨年10月には、アイドルグループ『私立恵比寿中学』のメンバー・安本彩花さん(22)が、悪性リンパ腫を発症したことを告白し、治療に専念するために芸能活動を休止していましたが、約5ヶ月にわたる闘病生活を経て、4月5日に悪性リンパ腫が寛解したことを発表しました。
室伏広治さんも決して無理はせずに、少しでも早く寛解となるよう治療に専念し、病気に打ち勝ってほしいです。