奈良県が約3億円をかけて来年10月に、韓国の人気アーティストが出演するK-POPライブイベントを無料開催することが判明し、ネット上で大きな波紋を広げる中で、山下真知事(やました・まこと 56歳)がイベント開催の理由について説明し、それに対しても批判が殺到し炎上しています。
K-POPイベントの無料開催は11日に行われた県議会で明らかにされ、奈良県は2011年に韓国・忠清南道(チュンチョンナムド)と友好提携し、再来年に提携15周年を迎えることや、来年に日韓国交正常化60周年を迎えることを記念して、奈良公園に人気のK-POPアーティストなどを招き、春日野園地で9,000人規模の無料コンサートを開催するとしています。
なお、イベントに出演するK-POPアーティストはまだ正式には決定していないそうで、韓国・忠清南道サイドが現在調整中といい、イベントへの無料招待を県民に限定するかどうかは未定としています。
イベントの事業費は約2億7,000万円としているのですが、県議会からは「一過性で終わるのではと危惧している。県民は便益をどこまで享受できるのか」、「2億7,000万円を使い、なぜ一夜にして終わる祭典をするのか不自然でならない」、「行政が税金を使ってまで費用負担すべきなのか」などと疑問の声が上がっています。
ネット上でもこのイベントに対して、税金の無駄遣いといった指摘が相次ぐ中で、山下真知事は自身のX(旧ツイッター)で税金を使ってまでK-POPイベントを無料開催する理由を説明しています。
まず、韓国・忠清南道にかつて存在した国家・百済(くだら)と奈良県の密接な関係について説明したうえで、イベントを無料にした理由については、「有料での開催を計画しましたが、国際的な友好親善という趣旨から無料の方が適切であり、その方がかえって多くの支援も得られるだろうということになりました。」
としています。
続けて、「忠清南道側がアーティストの派遣費用を負担し、奈良県側が会場設営や警備の費用を負担することになりました。億単位の費用はかかるものの、お金のない日本の若者も大好きなK-POPアーティストに生で接することができ、これから両国の親善を担っていく世代同士の交流を深められる。そうしたお金に代え難い価値が生み出されると判断しました。」
と説明しています。
このイベントに対する批判に対しては、「奈良県と忠清南道の絆をさらに深めることはこの一環であり、高い安いという次元だけで考えるべきではありません。」
とし、県の費用負担を減らせるように、企業などの協賛確保、ボランティア募集を行っていくとしています。
<↓の画像は、山下真知事のコメント全文>
山下真知事のこうした説明に対してネット上では、
- 奈良と百済の交流の歴史と、K-POPあんま関係ない気もするし。若者に媚びてスベってる感じ。
- 若い人=K-POP好きと決めつけているけど、カラオケランキングの上位にはほぼ出てこないですよ
- お金のない若者に直接還付してあげてください
- 一夜限りの無料ライブに税金が2億円超費やされる。自分が奈良県民なら怒り心頭ですね
- お金のない日本の若者とは、若者を馬鹿にしてる問題発言。若者が韓国歌謡が好きって言うのもマスゴミの捏造だし、ただ単に日本の伝統的な祭りを破壊するのが目的ですよね
- お金のない若者に? そのお金のない若者が納めた税金で施してやろうってことなの? 一過性の物では意味ないし、行政がやる事でもないんじゃない?
- 全ての日本の若者=K-POP好きではなく興味は多様化しているし、何より日韓の複雑な歴史的背景をすっ飛ばす態度は単なる思想の押し付けで、日韓関係をより歪なものに。奈良にしかない文化を大事にしてください。
- 若者はお金がないと認識し問題視してるなら、若者の可処分所得を上げるために地方税を減免するなりするのが行政のやるべき事ではないか。
若者全員を一括りにするなら、若者全員に公平に利益を分配するのが政治だと思う。 - 若者全員がKPOP好きなわけではないのを理解した方がいい。KPOPを採用することで何か甘い蜜が吸えるのかしらね? その辺追及すべきだと思う。
などの批判が噴出しており、さらに大きな波紋が広がっています。
奈良県は2011年度から毎年、奈良市と予算を出し合って『平城京天平祭』というイベントを年3回開催し、昨年度の来場者は約12万人、奈良県の事業費は1億3,500万円となっていたのですが、山下真知事はこのイベントについて「認知度が非常に低く、費用もかさむ」として、費用対効果の観点から今年度をもって廃止することが決定しました。
山下真知事は平城京天平祭に代わるイベントは1年かけて検討すると語り、「税金を大量に投入しなくても、自立的に人が集まるイベント開催を目指す」としていました。
<↓の画像は、今年度での廃止が決まった平城京天平祭の写真>
しかし、韓国との交流をさらに深めるなどとして、その倍の税金を投じて「お金のない日本の若者も大好きなK-POPアーティスト」のイベントを無料開催するといい、そもそも若者全員がK-POP好きという認識が間違いですし、ごく一部のK-POP好きな若者のために約3億円もの税金を投じ、具体的にどういった費用対効果があるのか不明なことから開催には疑問しかなく、お金のない若者たちに向けたものというのであれば、現金を給付した方がよっぽど有意義かと思います。
ちなみに、山下真知事は弁護士で奈良県では初の民間出身知事で、現在大学1年生の双子の長男と長女がおり、自分の子供やその周りにK-POP好きが多かったのかもしれません。
こうした理解し難いイベントを突然計画した背景を巡っては、山下真知事が韓国・忠清南道サイドと密約を交わし、個人的に利益が得られるような形になっているのではないかとの憶測も飛び交っているのですが、県によると今年2月に忠清南道・日本事務所が東京都内に開設し、その際に山下知事が忠清南道の知事と話し合い、イベント開催を企画したとのことです。
とりあえず現時点ではこのイベント開催に納得の声は少なく、反発の声が相次いでいることから、約3億円もの税金を投じて無料でイベントを開催するのか、イベント中止も選択肢に入れて慎重に議論を重ねていってほしいものです。