爆笑問題・太田光さん(おおた・ひかり 55歳)が、週刊誌『週刊新潮』が報じた日本大学芸術学部(略称:日芸、日藝)への裏口入学記事は事実無根とし、発行元の『新潮社』に対して、約3,300万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決公判が21日に行われ、太田さん側が一部勝訴となったことが分かりました。
東京地方裁判所は週刊新潮の記事について、太田光さんにとって「名誉毀損行為に該当する」と認め、日芸への裏口入学記事には日大関係者A氏の証言が掲載されているものの、「取材源である匿名の人物の陳述について、十分な検討や裏付け取材を行ったとは言い難く、真実と信じる相当な理由があったとは認められない」「情報源の供述を裏付けるには到底足りない」「太田さんが受けた精神的損害は重大だ」
としています。
これによって東京地裁は新潮社に対して440万円の支払いとウェブサイトからの記事削除を命じた一方、中吊り広告に太田光さんの写真を使用したことは権利侵害と認めず、謝罪広告の掲載も必要ないとの判断で請求を棄却しました。
この判決に対して新潮社は、「記事の真実性を認めなかったのは大変遺憾。ただちに控訴し、さらに主張を深めて立証したい」とコメントしています。
なお、今回の判決公判に太田光さんは出廷せず、妻で所属事務所『タイタン』の太田光代社長等が傍聴席から判決を見守り、太田さん本人は今日の午後から記者会見を行いました。
太田光さんは会見でボケを連発した上で、裁判の結果については、「電車の中づりに関しては、人の目につきやすい。それだけ読んで本誌を読まない人もいる。『太田、裏口』だけ印象に残った人もいるだろう。なので、そこには載せて頂きたかった」
と、謝罪広告の掲載が認められなかったことは残念との思いを明かしました。
続けて、「(週刊新潮は)世界一好きな雑誌」「誹謗中傷するつもりはないですが、法廷では認められなかったということ。事ある度に、ラジオ・テレビで一生言い続けようかな。それで、トントンかなと受け止めています」
と語っていました。
そして、爆笑問題・太田光さんの日芸裏口入学記事の判決を受けてネット上では、
- 謝罪広告もなしなのか?お互い納得いかなそう
- 真っ当な判決だと思う。控訴するかは情報提供者が裁判の場に出てこれるがポイントだと思う
- 新潮は文春にくらべて飛ばし記事が多すぎだよ。今の時代ある程度証拠を用意しないと結局こうなる。
- 新潮社にしてみれば発行部数が伸びて440万なんて痛くも痒くもなかったりして…
文春にしてもそうだろうけど、この手の裁判には慣れてる感じ。賠償金より一定期間出版停止とかの方がいいんじゃないかな - 新潮社の賠償命令は全て誤報なのか、一部不明なのか、判断理由がわからない。裏付の有無を判決理由にしていただきたい。
関係者から聞いた内容で記事を作成し、一定程度の売り上げがあったなら、賠償金は売り上げ以上を賠償しないかぎり記事を書いたもん勝ちになってしまう。 - 太田さんにとっては金額はどうでも良い事。勝った事で「名誉が棄損された」と言う事が認められた事が重要。
自分の名誉より父親である故人の名誉が守られたと言う事が何よりの成果だと思う。
などの声が上がっています。
週刊新潮は2018年8月に【爆笑問題「太田光」を日大に裏口入学させた父の溺愛】と題して、2012年に亡くなった太田光さんの父親が1983年に、息子が希望する日芸に進学させたいとの思いから、ある人物を介して知った“知る人ぞ知る裏口入学ネットワーク”を頼り、現金800万円を支払って裏口入学したとの話を伝えていました。
<↓の画像は、週刊新潮が報じた太田光さんの裏口入学疑惑記事の写真>
この記事は“日大関係者”の証言を中心に構成されていましたが、裏口入学を裏付けるような証拠などは特になく、太田光さんは自身だけでなく亡くなった父親も侮辱されたとしてブチギレ激怒し、損害賠償などを求めて新潮社を提訴しました。
裁判に発展する前には双方の弁護士同士で話し合い、新潮社の方から和解交渉が持ちかけられるも、太田光さん側が納得できる内容では無かったため決裂、裁判となり、今年10月に行われた口頭弁論に太田さんが初出廷しました。
約4時間にわたって行われた口頭弁論で太田光さんは、「(裏口入学の自覚は)ない」「日芸は(相方の)田中と出会った場所。それをインチキと言われ、暴力団と父親が関わっていると書かれて、多少の怒りはある」
などと語っていました。
口頭弁論には、太田光さんの高校時代の担任と所属していた演劇部の顧問も出廷し、元担任は太田さんについて、「文系科目が強く、定期テストではクラスで上位、模擬テストではかなり順位が高かった。本人に力はあったので、十分に合格する可能性はあったと思う」
と証言していました。
一方の新潮社側は、1984年3月に太田光さんが当時在籍していた大東文化大学第一高校の進路調査の書類を証拠として提出し、太田さんは進路先について「横浜放送映画専門学院」と記しており、その進路調査前には日芸の合格発表も行われているはずだったほか、進路先が決まっていない学生の横には「他大学受験中」との記載があり、太田さんの欄にはそうした記載も無いなどの不自然な点があるとしていました。
しかし、結局は太田光さん側の主張が認められ、新潮社側の証言には裏口入学が真実とする理由があったとは認められずに太田さん側の勝訴となったわけですが、週刊新潮は裏口入学記事を出して以降、決定的な証拠を出すわけでもなく、第2報ではトーンダウンしていた様子から、このような結果になったのは当然かと思います。
ただ、新潮社側は第一審の判決を不服として控訴する意向を示しており、今後裏口入学の証言を裏付けるような新たな情報を出してくるのかどうか、引き続き両者の争い、今後の展開を見守っていきたいですね。