『週刊少年ジャンプ』で2018年から連載され、昨年アニメ化された人気漫画『呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)』の作者・芥見下々さん(あくたみ・げげ 29歳)が、体調不良を理由に『呪術廻戦』の連載をしばらく休載することが発表され、読者たちから心配の声が上がっています。
『週刊少年ジャンプ』編集部の発表によると、芥見下々さんは連載継続を希望していたそうですが、編集部と協議を行った結果、「一定期間休んで、体調の回復を図っていただいた方が良いと判断しました」としています。
これによって、14日発売号をもってしばらく休載するとし、連載の再開時期に関しては『週刊少年ジャンプ』で発表するとのことです。
休養にあたって芥見下々さんもコメントを発表し、「以前から編集部側からまとまった休載の打診はあったのですが、私自身が週刊連載のスピード感のない呪術廻戦に魅力を感じないこと、早く完結まで描いてしまいたいことなどを理由にこれまで回答を保留にしていました。」
と、自らの判断でこれまで休まず連載を続けていたことを明かしています。
しかし、「単発での休載では他の作家さん達と比べて、周回遅れのようなスケジュールを巻き返すことが出来ず、このままでは同じことの繰り返しになってしまうので、今回編集部側の提案に甘えさせていただくことになりました。」
と、このタイミングで長期休載する決断をしたと説明しています。
休載期間は「1ヶ月ほど」とし、現在の体調については、「体調を崩したと言っても大病したわけではなく、メンタルは通常運転なのでご心配には及びません。ただただお待たせして申し訳ないです。復帰からは新連載のつもりで頑張ります。」
と綴っています。
芥見下々さんはイラスト付きの直筆コメントも寄せ、「ぺーぺーの作家が長期の章と章の間でもないタイミングで休むのはどうなのか、大変なのは私だけではないという気持ちもあったのですが、呪術のスケジュールの遅延から本当に多方面の方々に迷惑をおかけしているということもあり、ありがたくお休みを取らせて頂きます。体調に関しても本当に大病したわけではありません。ただ、先月のインタビューで『ネームはまぁ半日あれば余裕っスね』とか言っておいて、その半日を始めるまでに2日半は“横”みたいな状態が続いてしまい…。更にツーカー(?)だった整体師さんの異動。起きたらやってない飲食店。などが重なり、ご覧の有様というわけでございます。しつこいようですが、再開後は新連載のつもりで頑張ります。」
としています。
<↓の画像は、『呪術廻戦』作者・芥見下々さんの直筆コメント全文の写真>
そして、芥見下々さんの体調不良による『呪術廻戦』の長期休載発表を受けてネット上では、
- 芥見先生ゆっくり休んでください!!コミックス発売は数巻先まで決まってるし、映画もあるし、全然待ちます。編集部が英断
- 今週の呪術は、数ページがHUNTERHUNTER化というかBASTARD化というか、下絵でそのまま掲載というページがあったから限界だったんでしょう。お休み下さい。
- アニメ化して以降休載が増えた。巻頭カラーも増え、アニメが終わったけど映画化もあるし、仕事量が一気に増えて身体にガタがきたのかな
- 今ジャンプを読む一番の目当てなのでしばらく読めないのはつらいが、賢明な判断だと思います。
ジャンプも他誌のようにもっと連載作を増やして、定期的に休みを与えた方がよいと思いますけどね。 - 今週か先週、1ページだけだけど間に合わなかったんだなみたいな、富樫みたいな線画のページがあったのであれー?って思ってた。
体調悪くしてたんですね。映画控えてるし、まあ思う所色々あると思うがゆっくり休んだ方がいい。漫画って動かないけどやっぱ体力勝負なんで。 - 残念と思う気持ちもあるが、早く休む決断してくれてホッとしたという気持ちも。
ずるずる休まず、限界が来て長期休載ってことになるより全然いい。
人気作になって、あれこれ仕事が増えてたのかなあ。少し量を抑えるようにしてあげてほしい。 - 漫画家さんが若くして亡くなってしまって未完になるニュース多いし、ジャンプのスケジュールは相当だろうから休んで正解だと思う。健康じゃなきゃ何もできないよ。
「早く完結させたい」って書いてあったけど、焦らなくても…。
などの声が上がっています。
『呪術廻戦』は今年5月に、コミックスの累計発行部数が5,000万部(デジタル版を含む)を突破し、6月4日発売の最新巻・16巻は初版発行部数が200万部となっており、そうした大人気作品ということもあり、体調不良による休載発表に対しては心配の声が上がっています。
芥見下々さんは高校卒業後からプロの漫画家を目指し、2014年(当時22歳)に『少年ジャンプNEXT!!』掲載の『神代捜査』という作品でプロデビューを果たしました。
その後はいくつかの作品が『週刊少年ジャンプ』などに掲載され、2018年3月から自身初連載となる『呪術廻戦』が『週刊少年ジャンプ』でスタートしました。
<↓の画像は、漫画『呪術廻戦』の写真>
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連載開始当初から注目を集め、連載開始から2年後の昨年10月にアニメ化され、今年3月放送の最終回では映画化が発表されており、今年冬に『劇場版 呪術廻戦 0』が公開予定となっています。
芥見下々さんが休載にあたって発表したコメントでは、「体調を崩したと言っても大病したわけではなく、メンタルは通常運転なのでご心配には及びません。」としていますが、今年2月にも一時的な休載を発表しており、その時の休載理由は「急病による体調不良」としていました。
その後連載を再開させたものの、5月には2ページにわたって下書き状態の画が掲載されるなどの異変があり、芥見下々さんも直筆コメントの中で、半日あれば書けるというネーム(コマ割り、セリフ、キャラクター配置などを大まかに表したもの)を書き始めるまでに、2日以上もかかるほど体調が悪かったとしているので非常に心配ですね。
漫画家は体力勝負の職業と言われ、連載を持っていると睡眠時間などを削って書き続ける必要があるため、体調不良によって長期休載となるケースは珍しくなく、週刊の漫画誌から月刊誌に移行することもあります。
また、無理をし過ぎて病気が悪化し…ということもあるだけに、今回の休載期間は1ヶ月ほどとのことですが、復帰を焦らずに体調の回復状況を見て、復帰のタイミングを調整してほしいですね。