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NSC合宿の誓約書問題で吉本興業が謝罪、寄付金受領の団体は受取拒否し返金…ネットでは吉本批判が再過熱

吉本興業が違法的な誓約書作成で謝罪。NSC合宿の免責事項に問題、『消費者機構日本』は闇営業芸人の寄付金返納発表

吉本興業のタレント養成所『吉本総合芸能学院(NSC)』の合宿参加希望者と交わす誓約書に、「死亡しても責任は一切負いません、賠償請求もできません」などと違法的な免責事項を盛り込んでいた問題で、16日に謝罪コメントを発表するとともに、闇営業問題で『NPO法人 消費者機構日本』に寄付した150万円が全額返納されたことを明らかにしました。

吉本興業は今年9月に静岡で開催の「NSCお笑い夏合宿」において、参加希望者に対しては「規約及び注意事項」を熟読し理解した上で、誓約書にサインして提出するよう求めていたのですが、この誓約書の免責事項(責任を問われるのを免れる事柄 )には、「合宿中の負傷、これに基づいた後遺症、あるいは死亡した場合、その原因を問わず吉本興業に対する責任の一切は免除されるものとする」という記載がありました。

<↓の画像は、問題の誓約書の写真>

もし傷害を負った場合でも「賠償請求、訴訟の提起などの支払い請求は行えないものとする」とし、これらが守れない場合には「強制送還や退学処分となる場合もある」と記述していました。

これについて吉本興業は今回発表したコメントで、「弊社の過失により、損害賠償の全部免責事項を記載したものを使用していたことが判明いたしました。弊社として確認が及ばず、不備を露呈しましたこと、生徒及び一般の参加者の皆様に深くお詫び申し上げます。」と謝罪しています。

また、誓約書に記していた免責事項については、「このような規約類の不備部分は消費者契約法における不当条項に該当しうるもの」とし、その後の対応については、「適切に修正した上で改めて合宿参加者に対して説明を実施しております。弊社では各事業における規約類についての確認作業を進めており、不備がある場合には速やかに改善して参る所存です。」と報告しています。

さらに、複数の吉本芸人たちが2014年に、大規模振り込め詐欺グループのパーティーに闇営業で参加していた問題を受けて、『NPO法人 消費者スマイル基金』と『NPO法人 消費者機構日本』にそれぞれ150万円ずつ、合計300万円を7月12日付で寄付したことを明らかにしていましたが、『NPO法人 消費者機構日本』は問題の誓約書が消費者契約法違反に該当しうるものであると判断し、「寄付金を受領することで対外的に疑義をもたれてはならない」という理由から8月5日付で返金されたことも報告しています。

<↓の画像が、吉本興業が発表したコメント全文の写真>

なお、吉本興業の発表に先立って『NPO法人 消費者機構日本』は公式サイト上で、問題となっているNSCの誓約書については「損害賠償の全部免責条項として、消費者契約法8条に該当しうるものでした。」とし、「7月18日の時点では、当機構は誓約書の存在自体を知りえませんでしたので寄付金受領を決めましたが、上記のように7月31日に誓約書の問題を把握しましたので、当機構の活動の趣旨に照らし 対外的に疑義を持たれないよう、8月5日に寄付金を返納いたしました。」と返納した理由、経緯を説明しています。

<↓の画像が、『NPO法人 消費者機構日本』のコメント全文の写真>

そして、吉本興業の違法誓約書問題、寄付金返納トラブルに対してネット上では、

などのコメントが寄せられています。

吉本興業が作成した違法的な誓約書は『朝日新聞』などの取材で明らかになったもので、同紙の取材に対して吉本興業側は、2009年当時社長に就任した大崎洋会長が、コンプライアンスやリスク管理強化の方針を打ち出したことから免責の範囲を広める内容に変更し、5年前に顧問弁護士からの指摘を受けて「責任の一切は免除される」といった記載を一度は削除したそうです。

しかし、2017年以降に再び問題の免責事項が記された誓約書を作成していたといい、その原因について吉本興業は、「担当者が代わり、引き継ぎが上手くいかずに修正前の規約を渡してしまった」と説明しています。

この誓約書について『弁護士法人・響』の西川研一代表弁護士は、「誓約書の内容を順守しなければ合宿に参加できないという前提であれば、免責事項への誓約は無効となります」「死亡の場合も損害賠償請求ができないなどの内容は、消費者契約法が禁じている『消費者が一方的に不利になる契約』にあたる」としています。

また、「賠償請求、訴訟の提起などの支払い請求は行えないものとする」などの条項についても、民事訴訟法や公序良俗に反し、民法上は無効なものであるため「多くの内容において無効な契約でしょう」という見解を明かしています。

『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)などに出演しているタレント弁護士の菊地幸夫弁護士も、「死んでも責任を負わないという規定は『効力なし』の可能性が大きいと思います。内容的にも、死亡という非常に重大な出来事に関して免責というのは、公序良俗に反するとも言えますし、無効となると思われます」と同様の説明をしていました。

このように法律上では無効だと判断されるような免責事項を誓約書に記し、それにサインさせていたというのは非常に深刻な問題です。

もし、吉本興業の顧問弁護士らもしっかりと確認した上で、免責事項を放置していたのであれば弁護士にも大きな問題があるため、すぐにでも交代するべきことだと思いますね。

そして、この件が問題視されたことによって、『NPO法人 消費者機構日本』から寄付金150万円を返納されたというのもお粗末な話で、芸人たちだけでなく吉本興業にも問題があることが広く知れ渡り、完全なブラック企業だと揶揄する声が噴出しています。

結局のところ様々な問題が公になりながらも、吉本興業のトップは変わらずに経営を続ける形で落ち着いたようですが、次々に問題が出てきていることから、やはり経営陣を刷新して再出発を図った方がいいように感じますね。

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