3年間で計340回以上の日帰り出張を繰り返した等とするウソの収支報告書を兵庫県議会に提出し、政務活動費約913万円をだまし取ったとして、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた元兵庫県議・野々村竜太郎被告(49)の“やり直し初公判”が26日10時半から神戸地裁で行われました。
野々村被告が公の場に姿を見せるのは、2014年7月に行った“号泣釈明会見”以来のことで、この日の野々村被告は黒縁の眼鏡をかけ頭はスキンヘッドとなっており、体型もかなり太っていて以前とはかなり印象が異なっていたとのこと。
<↓の画像は、初公判に出廷した野々村被告の似顔絵>
<↓の画像は、野々村被告の過去と現在>
昨年11月に野々村被告の初公判は行われる予定だったものの、「マスコミが自宅に押しかけ精神的に追い込まれた」などとした理由で出廷せず、今回もまた欠席する恐れが高いと判断され、神戸地裁が勾引状を発行し25日に野々村被告の身柄を拘束、26日の朝に地検の車に乗せられて神戸地裁に入りました。
検察官が読み上げた起訴内容について野々村被告は「虚偽の収支報告書を提出し、(政務活動費などの)返還を免れようとしたことは決してございません」とキッパリと否認し、「結果として記載を誤ったものがあるかもしれないが、どのように作成したか記憶がない」と詐欺罪の故意性を否定しており、弁護側も「虚偽性について争う」と述べました。
昨年11月に初公判を欠席したことについて「欠席したことをどう思うか」と問われた野々村被告は、「ハイ…反省し、申し訳なく思っております」といい、やり直し裁判に来る気はあったのか問われると「ハイ、もちろんございました」と即答。
前回の欠席について「マスコミが家に押しかけて、と聞いていますが、今回もそうなったらどうしていたのか」と問われ、「たとえ暴行事件になろうとも、出頭しようと思っておりました」と強い口調で説明し、次回以降については「次回、マスコミの妨害が…。必ず出頭いたします」と答えていました。
検察側は冒頭陳述で、野々村被告が空出張の他に商品購入したショップの領収証を修正テープで商品単価や数量を書き換えて改ざん、国民年金保険を支払った際の明細も政務活動費から支出していたと指摘。
これに対して弁護側は「取り調べ段階で本人の精神状態が十分でなく、判断能力が低下していた」として供述調書など一部を否認。
そして、弁護側による被告人質問で出張の有無や警察の取り調べを受けた際の事を聞かれた野々村被告は、「記憶を確認するのでお待ち下さい」などと繰り返し、「記憶がないことについて、なぜ記憶がないのか思い当たることはありますか。」という質問に対して野々村被告は、入院通院をしており昨年12月9日に記憶障害の可能性があるという診断をされたことを明かし、「不安や緊張などから記憶障害になっている可能性があると診断されています」と説明。
元々あった記憶も無くなるのか聞かれ「そこまでの診断や説明は受けていません」と答え、診断書を裁判所に提出出来るかという問いには「提出することはできます」と答えていました。
その後、議員を務めた時期や領収書の書き方などについて聞かれると「記憶を確認させていただきますので、お待ち下さいますようお願い申し上げます」と言って20秒近く沈黙し、「記憶にございません」と述べるということを繰り返していたのですが、これに対して裁判長は「そんなに難しいことは聞かれていない。さっさと答えなさい」「考えたいのは分かるが時間は無尽蔵にあるわけではない。記憶にあるかないかくらいすぐに分かるでしょう」と叱責する場面もありました。
野々村被告はその後もデータの改ざんなどについての質問には、記憶が無いと言ったり、思い出せないなどといった返答を60回ほど繰り返していたのですが、その一方で警察の取り調べ段階に於ける日付、取調官の名前もフルネームで答えるなど、記憶に偏りが目立ったとのことです。
これに対してネット上では、
- 呆れる。こいつを議員にしてしまった選挙区の有権者の方々は、俺ら以上にぶん殴りたいだろうな。
- 自ら、記憶障害かも、と言う人は、記憶障害ではない。そういうのは大抵周りの人が判定する。
- 茶番はもういいんだよ…男らしくさっさと正直に話せよ
- これを当選させた有権者って…何を信じて投票したんだろうか?
- 反省していないって事で、実刑で良いんでないの
- よくこんなのが議員や公務員やれてたなあ…普通落ちるだろ
- こんなのを弁護しなくてはいけない弁護士も大変だな。同情するわ
などのコメントが寄せられていました。
10時から行われた初公判は15時50分頃に終わり、野々村被告は弁護人等に囲まれる形で退廷し、次回期日は2月22日13時10分からで追加の被告人質問などが行われる予定となっているそうですが、野々村被告は刑事施設に収容する勾留となったとみられ、野々村被告の弁護士は「被告は勾留された。詳しいことは裁判所に聞いてほしい」と話しているとのこと。
自身にとって不都合なことに関しては覚えていない、思い出せないなどといった答えを繰り返し、さらには記憶障害の可能性があると診断されているといったことを言っていますが、これは苦し紛れの言い訳でこれもウソだとしか思えないですね。
全く反省せず、あまりにも悪質であることから実刑判決を下してほしいものですが、果たしてどうなるのか引き続き注目したいところです。