テニスの4大大会『全仏オープン』の女子ダブルス3回戦で、ボールガールに「危険球を当てた」として試合失格となった加藤未唯選手(かとう・みゆ 28歳)が9日、ボールガールとの2ショット写真をツイッターで公開しました。
加藤未唯選手は4日に行われた全仏オープン・女子ダブルス3回戦の試合途中に、相手コート側にボールを軽く打ち込んだところ、それがボールガールの頭に直撃し泣かせてしまうというアクシデントが発生し、加藤選手はボールガールにすぐ謝罪しました。
<↓の画像は、ボールガールに謝罪する加藤未唯選手の写真>
この行為に対して審判は当初、故意ではなくケガもしていないとの判断から警告を言い渡すのみでしたが、これに相手チームのマリエ・ブズコワ選手とサラ・ソリベストルモ選手が猛抗議を開始し、「わざとじゃない?彼女は泣いているじゃない!」「血が出ているわよ。よく見てあげて」などと繰り返し訴えた結果、判定が覆って加藤選手らのペアは試合失格となりました。
これによって賞金没収やポイント剥奪といったペナルティが下され、加えて今後罰金も科される可能性があるといい、加藤未唯選手は試合失格の判定を不服として大会側に提訴をしており、『プロテニス選手協会(PTPA)』も判定を問題視し、「失格処分は不当で不公平」との声明を発表しています。
加藤未唯選手はこうしたトラブルを経て、8日に行われた混合ダブルス決勝に勝利して4大大会初優勝を飾り、そして9日にボールガールとの“和解”2ショットを公開しました。
ツイッターでは英語で、「I’m glad to hear that you are doing well and continue to Volunteer as a Ball Girl. It makes me very happy to hear this. I hope you enjoy the gift that I got you, and I look forward to seeing you again! Wishing you the Very Best!(訳:あなたが元気に、ボランティアでボールガールを続けていると聞いて嬉しかったです。あなたに贈った贈り物を喜んでくれたら嬉しいです。また会うのを楽しみにしています。幸運を祈っています)」
と綴っています。
<↓の画像が、加藤未唯選手とボールガールの和解2ショット写真>
そして、加藤未唯選手とボールガールの和解写真投稿を受けてネット上では、
- これで相手選手二人が悪者確定になったな これぞ神の一手
- もう対戦相手四面楚歌じゃん
- 血が出てるとか抗議したペアテニス界から追放しろよ
- ポイントも賞金も失ったけど優勝もしたり結果オーライだな
- 元はと言えば、この子が重傷でもないのに泣き出したこと。そのために生じた一連の騒動に対する責任も感じてほしい。
- 見てもいない相手ペア選手には呆れてしまう。判断中も笑っていた。選手としてどうなんだろう。
審判のジャッジに対してクレームをつけることもテニス界では起きてはいけないことだと思う。ボールのイン・アウトに対してチャレンジするのとは違う。 - ボールパーソンは、左手に幾つかボールを抱え、右手を掲げてサーバーにボールを渡そうとしていた。そこに加藤のボールがノーバウンドで直撃。
子供だし集中してなかったという意見が多いが、あれは避けられないと思う。
加藤は、ゲームに集中する余りだと思うが、もう少し裏方さんに配慮が必要。相手の抗議や、審判の判定は論外。
などの声が上がっています。
加藤未唯選手の行為が試合失格処分となったことに対して、世界中から疑問の声が上がっているほか、猛抗議をした相手チームの選手や大会側に対して批判が殺到する事態となっています。
そうした中で加藤未唯選手は処分を不服として大会側に提訴をしつつも、混合ダブルスで優勝後の会見では、「ボールガールが無事であることを願っています。そして、女子ダブルスで対戦したペア、サラとマリエにも、またいい試合をしたいと私は願っています」と語っていました。
そして、ボールガールとの和解2ショット写真を新たに投稿し、加藤未唯選手の株が上がる一方で、相手チームの選手はその後も、「私たちは何も悪いことはしていない」「今の状況はとても不快」「批判をしている人の大半はコートにいなかった人たちで、失格になった理由を理解していない。ルールはルール」「私たちは当たったボールが映像で見るよりもずっと速かったことも、小さな女の子が20分も泣いていたことも見た。それなのに批判されるのは傷つく」
などと正当性を主張し、今もなお多くの批判が寄せられています。
<↓の画像は、失格処分に笑顔を見せたサラ・ソリベストルモ選手とマリエ・ブズコワ選手の写真>
今回の騒動を巡っては人種差別も背景にあるのではないかと言われており、元テニスプレーヤーの沢松奈生子さんは「元々テニスというスポーツは白人社会で始まったスポーツで、アジア系の選手が台頭してくるとルールが変わったり、キツい日程を組まれたりとかあった」とし、今回の一連の流れも違和感を抱く点が複数あり、公平なジャッジが行われなかった可能性があるとしています。
それによってプロテニス選手協会も「不当で不公平」との声明を発表し、加藤未唯選手も没収された賞金とポイントを戻して欲しいと訴えていますが、今後いい形で無事に問題解決となってほしいですね。