『株式会社ZOZO』の創業者で実業家・前澤友作社長(まえざわ・ゆうさく 46歳)とマネージャー・平野陽三さん(36)が8日夜に、ロシアの宇宙船「ソユーズMS-20」に乗って国際宇宙ステーション(ISS)に無事到着し、日本の民間人としては初めて、これから12日間に渡ってISSに滞在予定となっています。
民間宇宙飛行士2人が同じソユーズに乗り、同時に飛び立つのは史上初で、この歴史的な宇宙旅行のニュースが大きな話題となる中で、ロケット打ち上げ前の訓練で向かったロシア入国時に、“外交問題”に発展する大きなトラブルが起きていたことを9日発売の週刊誌『週刊新潮』が報じ、ネット上で物議を醸しています。
前澤友作社長は2018年に、アメリカの『スペースX』が開発の宇宙船「スターシップ」で月周回旅行をする計画を発表し、この計画の前にISSを訪問することを決めた前澤友作社長は今年6月から、ロシア・モスクワ郊外にある訓練センターでトレーニングを積んだのですが、『週刊新潮』によれば、ロシア入国時に現地の空港で思わぬトラブルが発生したとのことです。
記事では日本政府関係者が「持参した高級時計を没収されてしまったのです」と明かし、「入国時、前澤さんは高級腕時計を自身の腕に巻かず、預けたスタッフが箱に入れて持ち込もうとしたんですが、それがロシアの空港税関で密輸と見なされてしまった。当局は腕時計の定価を1億円と算定し、その30%に相当する関税と6,000万円の罰金、あわせて9,000万円を支払わないと返却しない、と前澤さん側に通告しているとか」
と、高級腕時計が没収された経緯、理由を説明しています。
ロシアの空港税関で没収された高級腕時計はその金額から、『テスラ』や『スペースX』のイーロン・マスクCEOと月周回旅行発表時の会見でも身に付けていた、世界50本限定で2017年に販売された「リシャール・ミル トゥールビヨン ラファエル・ナダルモデルRM27-03」(定価:9,612万円)とみられるとのことです。
<↓の画像が、税関で没収されたとみられる腕時計『リシャール・ミル トゥールビヨン RM27-03』の写真>
<↓の画像が、2018年の会見時の前澤友作社長の写真>
そして、前澤友作社長はモスクワの日本大使館に「なんとかしてほしい。あの時計は宇宙に持っていくはずだった」と相談したそうなのですが、現在も事態は発展していないといいます。
『週刊新潮』は真相を確かめるため、宇宙旅行に出発前の前澤友作社長に電話取材を試みたところ、「……その件、何にも話せないです、僕からは。日本とロシアの国の問題としてお話ししていただいているような状況で、僕の手を離れてしまっているのです」
と語り、高級腕時計は「自分が持ち込もうとしたものではない」とも話したそうです。
『週刊新潮』はさらに、外務省にもこの件について問い合わせたところ、「在外公館には邦人の方から様々な相談がありますが、個々の事案についてはコメントを差し控えます」
との回答だったとしています。
このトラブルに対してネット上では、
- 「密輸!」って言いがかりをつけて、1億円腕時計かお金をゲットするんだからこんないい商売はないよね。
- だいたいの国である程度の現金や高価なものは事前に税関に申告するのは常識なんだけどなぁ…それを知っていて無申告はやっぱり密輸だろうに
- 宇宙に行くために何十億ももらっているロシア。前澤氏とわかっていた筈で密輸でもないとわかっている筈なのに、さらに金をせしめようと因縁をつけるのかな?
- 私も同様のケースで腕時計を没収されました。約一か月の滞在期間中に交渉をし、多額の税金と罰金を払って取り戻しました。
- 前澤が金持ってるの知っててこういうことやってんじゃないの?密輸の可能性は極めて低そうだし、日本側から抗議を入れてもいいんじゃないの?
- まあ確かに持って来ちゃった前澤さんも悪いよね。海外旅行に行く時に税関申告でいくら自分の所持品でも高価な物は申告しなきゃならないもんね。しかし、罰金の金額はないわ…酷いね。
- 演奏家が持ち込むストラディバリウスのバイオリンが税関で引っかかりますね。高額の物は、事前に申請し、書類が必要です。
無い場合は、当然、価格に対応した税金を払う必要があります。何も前澤さんのケースが特殊なわけでないような気がします。
などの声が上がっています。
税関で没収されたとみられるリシャール・ミルの腕時計は、重さが約30グラムと軽量ながら、最大で1万Gまで耐えられるという非常に高い耐衝撃性能を持つとうたっています。
ちなみに、前澤友作社長は宇宙に飛び立つ前にロシアで8Gを体験していたのですが、国内トップクラスのジェットコースターでは最大で約4G、宇宙飛行時では5G前後の負荷がかかるとされています。
前澤友作社長は宇宙旅行に腕時計を持っていき、本当に様々な状況にも耐えることができるのかを試そうとしたのか何なのかは不明ですが、日本から約1億円の超高級時計をロシアに持ち込むにあたって、必要な手続きをして申告をしていなかったのであれば前澤社長側に問題があり、通告された金額を素直に支払うしか取り戻す方法はないのかもしれないですね。
前澤友作社長は2019年に、自身が保有していた『ZOZO』の株式を約半分売却して1,500億円を手にし、そこから借金返済や数十億円の“お金贈り”、そして今回2人の宇宙旅行でかかった費用は100億円以上とも言われていますが、まだ百億単位の現金を持っていることから、時計を返してもらうために約1億円払うのは屁でもないでしょう。
ただ、前澤友作社長は日本大使館に相談し“外交問題”に発展しているそうで、果たして今後どういった展開を迎えるのか少し気になりますね。