レコード会社『ニューセンチュリーレコード(旧・センチュリーレコード)』が、21日に発売予定のアルバム『八代亜紀 お宝シリーズ 第一弾「忘れないでね」』に、2023年末に急死した演歌歌手・八代亜紀さんがプライベートで撮影の裸写真を掲載していることを発表し、ネット上は発売中止を求める声が噴出するなど物議を醸しています。
ニューセンチュリーレコードは公式サイトで、アルバム『忘れないでね』には八代亜紀さんが24~25歳のころに、同棲していたT社のNディレクターがポラロイドカメラで撮影した裸の写真が2枚掲載されていると宣伝し、CDは10曲入りで価格は税込み3,700円としています。
<↓の画像は、21日発売予定のアルバム『忘れないでね』ジャケット写真>
このアルバムに関する問題は、3月に週刊誌『女性セブン』や『週刊女性』などが取り上げ、八代亜紀さんのファン等の間で物議を醸していたのですが、今月9日からオンライン署名サイト『Change.org』にて、【八代亜紀さんの尊厳を保護し、リベンジポルノを阻止する】と題した署名活動が始まっています。
八代亜紀さんは1971年に『テイチクレコード』からデビューし、その後1982年に八代さんのためにテイチクの担当ディレクター・N氏が設立したセンチュリーレコードへ移籍し、1986年まで所属していました。
八代亜紀さんと既婚者だったN氏の関係は当時、週刊誌やワイドショーなどで取り上げられており、八代さん本人は男女関係を否定していたものの、業界では2人の関係は公然の秘密とされていたそうです。
問題の写真は2人が交際中に撮影されたものだそうで、女性セブンの取材に対してニューセンチュリーレコードのX社長は、八代さんの裸写真を所有している理由について、「1986年に『センチュリーレコード』から『日本コロムビア』に移籍し、彼女を失った会社は、経営が行き詰まって、借金が3億円近くに膨れ上がったんです。このままだとダメになるというので、2000年頃にウチが八代さんや他の歌手の原盤権や、会社にあった財物一式を買い取りました。そういう経緯がありますから、当時の音源を使ってアルバムを出すことにも写真を公開することにも何の問題もありません」
と語っています。
なぜ八代亜紀さんの裸写真をアルバムに掲載するのか、その理由については、「目黒区にあった八代さんの豪邸が人手に渡ったことに腹が立ったんです。僕としては、八代さんの思い出をもっと長く残して欲しかった。豪邸売却と同時期に彼女の個人事務所が解散し、別会社が立ち上がったことを知って、一体何が起こっているのか?と。自分なりに調べて、八代さんの財産を食い潰そうとしている人がいるんじゃないかと思った次第です。僕は筋が通らないことが嫌いなんです。“暴露”と思われてもかまいませんし、誰にも文句を言われる筋合いはありません」
と語っています。
X氏は週刊女性の取材にも応じ、八代亜紀さんの裸写真をアルバムに掲載することについて、「人としてやっちゃいけないことをしようとしているのも事実です。ただ、僕がこの戦争で使える武器は、この写真しかない。だから出すことを決めた」「ともかく私のこの行動を止めさせるには、ウチの権利、いろんなもの全部、買い取ってくれってだけのことですよ」
とも語りつつ、「カネの問題じゃない」としています。
八代亜紀さんの知人は女性セブンの取材に、豪邸の売却や事務所の解散などは故人の遺志に従って行われたものだとしており、八代さんは生前に顧問弁護士に権利関係のことを相談したうえで、生前綴った遺書には事務所の解散や、会社に自宅などを贈与することも書かれていたそうです。
また、ミリオン企画の元社長で、八代亜紀さんから要望を受けて楽曲やアートなどの権利を管理している『八代ミュージック&ギャラリー株式会社』(2023年3月設立)の代表・大野誠さんは、「弊社には、商品化することや封入特典に写真を使うことに関しての許諾申請は来ていません。通常であれば(著作権や複製権などを管理する)音楽出版社に確認があるはずですが、そもそも今回のような特典が入ることに音楽出版社が許諾を出すのかという疑問が残ります。原盤の権利元がニューセンチュリーレコードさんにあるのかどうかも含め、事実関係を確認中です」
と語っています。
そして、一連の騒動を受けて『タワーレコード』や『Amazon』ではCDの予約注文が停止し、サイト上からページ自体が削除されました。
ショップ側もこうした対応を取る中で、X氏はニューセンチュリーレコードのインスタグラムで、「八代亜紀に関する者達によって、同一人物と思われる悪質な内容記事が多く見受けられます」とし、週刊誌には事実無根の話が掲載されていて非常に迷惑を受けているといい、「当方としては業務妨害・その他において司法当局に相談している最中です。」と法的措置を講じる構えを見せています。
そのうえで、「こんな悪質な者達によって商品の発売中止などは行いません。告知通りに商品を発売して行きます。」「当社は問題と成っている写真など、すべての所有権を有しており売買契約書もございます」「全ての権利が当社にある以上 どこのどなたのイヤガラセを受けようとも受けて立つ所存ですし 問題の写真類一式を買い取って頂ければお譲りする方針です。ここに通知します。こそこそしないで堂々と交渉されればと存じます。」
と綴っています。
これに対してネット上では、
- これは死者に対する冒涜、それ以外の何者でも無い
- おぞましい 常人には理解できないことを平気でやってのける芸能界の倫理観
- なんか日本から倫理観とかってどんどん消え失せてるよな
- ファンがやめろつってんだからやめろ まともな商売をしろ。幻の名版は復刻しろ
- リベンジポルノも酷いが、更に金儲けの道具にされるというね。歌を大事に扱う気持ちがあるなら、絶対やっちゃいけない行為と思うんだが 八代亜紀の歌はそんな安売りしないといけないモノ扱いなんだなぁ
- 権利の所有権云々とかそういう法律の話じゃない 人の尊厳やモラルの話だ 欲しがってるファンとかいるならそいつらもどうかしてる
- 胸糞悪すぎる 八代さんの写真しか武器ないって何? 人の写真を勝手に武器にするなよ。
男たちの揉め事で八代亜紀さんの名誉を傷つけるのか。恥を知らないの??本当にとことん終わってる。販売停止しろよ
などの声が上がっています。
X氏がやろうとしている行為は権利侵害にあたる可能性があり、故人の肖像権(顔などの姿を勝手に撮影、世間に公表・利用されない権利)は一般的に死後は消滅するものの、写真の使用によって遺族の故人を慕い敬愛する情を侵害したとして、損害賠償が認められた事例があるほか、著名人の肖像を営利目的で使用する際に、遺族側の承諾なしに利用した場合には不法行為になる可能性があります。
週刊女性によれば、八代亜紀さんの遺族は弁護士を通じて、CD発売中止を要請する通知書をニューセンチュリーレコード側に送っているといい、X氏の対応次第で発売差し止めの法的措置をしていくようです。
X氏は自ら「人としてやっちゃいけないことをしようとしているのも事実」と語っていて、故人の尊厳を犯す行為であることを認識しており、そして「私のこの行動を止めさせるには、ウチの権利、いろんなもの全部買い取ってくれってだけ」とも語るなど、写真を出されたくなかったらお金を出せと言わんばかりですし、「僕は筋が通らないことが嫌い」と語っていますが、X氏は遺族側に全く筋を通しておらず非常に悪質だと感じます。
このX氏は20年以上前にも、事務所に所属していた4人組アイドルグループのメンバーとの間でもトラブルになり、裁判にまで発展していて、CD制作費用の一部を「売れれば取り返せる」と言って負担させたうえで、「カネがないならスポンサーをつけてやる」と言って会社社長らに紹介、1回3万円で売春行為をさせようとしました。
X氏らはそうした行為について「芸能界では当たり前」と主張しましたが、裁判所は「一般社会では通用しない感覚で売春を強要しており、不法行為に当たる」として、事務所側に約320万円の損害賠償を命じました。
過去にもこうしたトラブルを起こしている人物なのですが、八代亜紀さんのファンたちも裸写真の掲載は望んでおらず、故人を冒涜する行為だと批判の声が噴出していることから、遺族側の求めに素直に応じてCDの発売を取り止め、そして写真や楽曲などの権利関係については八代ミュージック&ギャラリー側と協議を行い、今後またこうしたトラブルが発生しないようにしてほしいものです。