デザイナーの佐野研二郎さん(43)が手掛けた2020年東京五輪の公式エンブレムが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴなどに似ている指摘され、その後大きな騒動に発展していましたが、大会組織委員会がエンブレムの使用を中止する方針を固めたことが明らかとなりました。
これは組織委関係者が明らかにしたもので、1日午後16時から政府や東京都など大会準備に関わる組織の代表者による臨時の調整会議が行われ、今後の対応について協議され、正式に使用の中止が発表されるとのことです。
一度決定した五輪の公式エンブレムが使用中止となるのは極めて異例の事態で、すでに組織委や東京都、スポンサーなどはエンブレムの使用を開始してしまっているため、今後大きな影響が出るとみられます。
これに対して佐野さんの事務所は「対応について本人と広報担当者が会議をしており、詳細についてコメントできない」としているとのことです。
佐野さんがデザインしたエンブレムは7月24日に発表され、その後ベルギーのリエージュ劇場のロゴをデザインしたデザイナーのオリビエ・ドビさんが8月14日に、国際オリンピック委員会(IOC)を相手取りエンブレムの差し止め、使用された場合に1回につき5万ユーロ(日本円=約690万円)を支払うよう求めてベルギー・リエージュの民事裁判所に提訴。
(↓の画像左が公式エンブレム、右がリエージュ劇場のロゴ)
しかし、組織委は8月28日に佐野さんの原案を示しながら選考過程を説明し、原案から最終案に関しては2度の修正を経ており、組織委の武藤敏郎事務総長は「原案は劇場のロゴとは別もの。オリジナルだと確信している」と語り、組織委はIOCと共に国際商標を調査して問題がないと判断していました。
(↓の画像左が原案、中央が修正案、右が最終案)
ですが、佐野さんがコンペの際の資料として提出した、羽田空港のロビーなどに掲げられた際のイメージに使用された画像に対し、外国人のブログに公開されている画像から転用したのではないかなどと指摘されるなど、その後も様々な疑惑が浮上し批判の声が寄せられていました。
(↓の画像上がコンペの際の資料として佐野さんが提出した写真、下が個人のブログで公開されていた写真)
そして、これに対してネット上では、
- 正しい判断だと思いますが対応が遅すぎますね。色々な大人の事情で真っ黒なようで、利害関係でなあなあな状態が良く分かりました。オリンピック自体が真っ黒なような感じで何だかもう素直に東京オリンピックを喜べません。
- 判断が遅いな…『問題は無い』って突っ張ってたから、カッコ悪さが倍増(笑)問題ないとか、今後も利用するとか言ってた人達の意見が聞きたいわ
- 使用中止は妥当です。ここまでケチがついたデザインのままでは、気持ちよく東京オリンピックを迎えられない。てか、もはや東京オリンピックそのものが信頼ならない。
- オリンピック自体返上を検討した方がいいと思うんだけど。競技場の問題も含め、ここまでくると本当に恥ずかしいんだけど
- これだけ色々な疑惑が出てくると当然かなと思う。これ以上オリンピック関連の騒動はないようにして欲しいな
- もうオリンピックやらなきゃいいのに。利益より損失が多そう。
などのコメントが寄せられていました。
原案から最終案までの過程まで説明するなど必死に擁護していたものの、やっと使用中止となる方針を固めたそうで安心しましたが、裁判を起こされるなど大きな騒動に発展し、東京五輪のイメージがかなり悪いものになってしまっており、もう少し早い段階で使用を中止を決定してほしかったものです。
東京五輪のメイン会場となる新国立競技場の計画見直しに続き、エンブレムも使用中止となり、史上最悪なグダグダな大会になってしまうのでは心配になりますね…。