昨年7月に、不同意性交事件で逮捕されたドイツ・ブンデスリーガ『1.FSVマインツ05』の佐野海舟選手（さの・かいしゅう 24歳）が、1年ぶりにサッカー日本代表に復帰することが発表され、マネージメント事務所『UDN SPORTS』を通じてコメントを発表しました。
佐野海舟選手は、Jリーグ『鹿島アントラーズ』からマインツへの移籍が発表された後に、東京都内のホテルで友人2人と共謀し、女性に性的暴行をした疑いで逮捕されました。
＜↓の画像は、佐野海舟選手が逮捕された不同意性交事件の流れ＞
佐野海舟選手は警察の取り調べに対して「間違いありません」などと容疑を認めていると報じられ、不同意性交等罪（法定刑：5年以上の懲役）で起訴される可能性もありましたが、逮捕から2週間後に釈放され、すぐにチームのキャンプに合流し、後に不起訴処分となりました。
佐野海舟選手はこの事件以降、日本代表メンバーからは外れていましたが、『JFA（日本サッカー協会）』が6月に行われる「FIFAワールドカップ26 アジア最終予選（3次予選）」の代表メンバーを今日発表し、昨年3月以来1年3ヶ月ぶりに佐野選手を招集することを明らかにしました。
＜↓の画像は、今日発表されたサッカー日本代表メンバーリスト＞
JFAの山本昌邦・ナショナルチームダイレクターは佐野海舟選手を招集した理由について、「1つ目は、相手の方に対して謝罪と話し合いを確認したこと。2つ目に、本人が深く反省していること。そして3つ目に、不起訴処分という判断が検察によって下されたこと。刑事事件としては罪に問われずに終了していること。それらを踏まえて選出をいたしました」
と説明しています。
森保一監督は佐野海舟選手について、本人とも接触して深く反省していることを強く感じたため、関係各所と話し合いを重ねたうえで、日本代表チームに迎え入れることを決断したといい、「ミスを犯したと言えるかもしれないが、チームのことを“家族”と考えた時に、指導者と1人の選手として向き合う中で、ミスを犯した選手を社会から葬り去るのか、サッカー界から葬り去るのかというところで、再チャレンジする道を、家族として与えた方がいいのではないかということで選びました」
と語っています。
日本代表メンバー入りを受けて佐野海舟選手はコメントを発表し、「日本代表に選出していただき本当に嬉しく思います。サポーターやファンの皆様の前で、サッカー選手としてしっかりプレイできるように今後も努力を継続していきますし、全力で頑張ります。そして、色々な人にご迷惑をかけてしまった事、大変申し訳ございませんでした。サッカー以外の部分についても、今後も自分のできる社会貢献活動などを継続させていただき、日々努力していきたいと思います。本当に申し訳ございませんでした」
としています。
そして、佐野海舟選手の日本代表復帰発表にネット上では、
- 予選に興味なかったけど佐野が出るなら観るわ
- 過去の過ちなんてどうでも良くなるほどの活躍してるんだから当たり前だろ
- 代表での世界レベルの佐野選手のプレー見られるとは感激。事件のことはよく解らないですが、プレー重視のサッカーファンとしては楽しみ。こんな形で復帰する佐野選手に期待大
- 実力的には代表スタメンクラスだから、復帰してくれたのは嬉しい。反省してるようだし、バドミントンの桃田選手のように不祥事から復帰して活躍してくれることを期待して、素直に応援したい
- 変な週刊誌が被害者関係者にコンタクトをとって、変な記事を載せて足を引っ張る未来が想像できるのが本当に嫌。
実力をはっきり見せてるんだから頑張ってほしいね - 性犯罪犯す家族なんかいらん
- あらゆるハラスメントを許容しないのに、被害者に謝って金払えば性的暴行は許容されるということ？ クラブは構わんけど代表は違うだろ
- JFA・日本サッカー協会は中居フジテレビになるつもりか 終わったな
- 強姦を「ミスを犯した」ってどうなのよ…そもそも再チャレンジもなにもこいつ一回も休んでねえし
- 正直、日の丸を背負ってほしくない。クラブチームならそれはスポンサーやチームが判断して、嫌なら応援しなければ良いのでどうでも良いが、日本代表には法に触れることをやった人は入らないでほしい。
示談すれば良いということではなく、どんなに反省しようが、性暴力をした人はこんな簡単に許されるべきではないと思う。自分の恋人や娘さんが被害にあっても許せるのかな？
などの声が上がっており、賛否両論となっています。
佐野海舟選手は警視庁の取り調べに対して不同意性交を認め、そして釈放後に出したコメントでも、「私の行動によって被害者の方に多大なご迷惑をかけてしまった事を心よりお詫び申し上げます」などと謝罪していました。
このように罪を認めながらも起訴されなかった理由は公表されていないのですが、不起訴となる前の報道によれば、佐野海舟選手は逮捕後に被害者サイドと和解に向けて協議をしていたとされ、被害女性の精神状態が不安定だったとの情報もあり、検察は女性にも大きな負担がかかる裁判は難しいと判断し、起訴猶予処分とするのではないかと推測されていました。
実際のところはどうなのかは不明ながら、同じく不同意性交で女性に訴えられるも完全否定していた伊東純也選手とは違い、佐野海舟選手は容疑を否定していなかっただけに、事件発生から約1年での代表復帰を巡っては物議を醸しており、否定的な反応は少なくありません。
佐野海舟選手は今シーズン全試合にスタメン出場して結果を残しているだけに、その能力とコンディションから代表入りは納得できる一方で、いくら不起訴になっていると言えども1年での代表復帰はどうなのかと正直思いますが、代表に選ばれたからには試合で良いプレーを見せられるように全力を尽くしてほしいと思います。