カリスマ美容家・佐伯チズさん(76)が23日、難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を患っていることを公表しました。
佐伯チズさんはYouTubeに投稿された動画で、難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と診断されたことを公表し、涙ながらに今後も諦めずに頑張って活動も行っていくと語っています。
また、所属事務所『チズコーポレーション』の公式サイトなどでは、「過日、弊社所属の佐伯チズは、医療機関での精密検査の結果、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたとした上で、「今後に関しましては、本人の意思を尊重し、病と向き合いながらとなりますが、国際美容家/美肌師としての活動を可能な限り継続させていただく所存です。」
と報告しています。
佐伯チズさんは半年ほど前から右足に違和感があり、昨年末には思うように動かせないほど症状が悪化したため、いくつかの病院で検査を受けたところ難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と診断されたといいます。
足が不自由になったことで現在は車イスで移動し、以前のようにハキハキと喋ることも難しくなっているといい、“ゴッドハンド”とも称される手も力を込めることが出来なくなっているそうです。
予定していた講演会などについても、「想像していたよりも進行が早く、ご期待にお応えできなくなってしまったお客様や、講演会などを楽しみにして下さっていたファンの皆様には、心よりお詫び申し上げます」
と謝罪しています。
しかし、「幸い、目と五感、知識はこれまでと変わらず健やかな状態を維持できそうです」「夢は薬。諦めは毒。この宿命を受け止め、病と向き合いながら、私にできる活動を続けて参ります」
とコメントしています。
佐伯チズさんは高校を卒業後にOLを経て、美容学校に通い美容室に勤務し、1967年にはフランスの化粧品メーカー『Guerlain(ゲラン)』に入社、1982年にはフランスの高級ファッションブランド『Dior(ディオール)』のインターナショナルトレーニングマネージャーに就任し美容部員の指導などを行い、2003年に定年退職しました。
その後は、エステサロンの開業や総合美容施設「ビューティータワー」のプロデュース、「美肌塾チャモロジースクール」の設立など精力的に活動し、カリスマ美容家として支持され活躍を続けており、テレビ番組やCMなど様々なメディアへの露出もしています。
佐伯チズさんが発症した「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」は、世界中の著名人も参加したチャリティー運動「アイス・バケツ・チャレンジ」で大きな注目を集めた難病で、手足や喉、舌といった呼吸に必要な筋肉が徐々に痩せ、力が無くなっていく病気です。
国内での年間発症数は10万人あたり約1~2.5人程度で、2013年のデータによれば国内の患者数は約9200人となっています。
男性の方がわずかに発症数が多く、好発年齢は60~70歳代とされ、現在も発症原因は不明ではあるのですが、神経の老化と関係しているとの説もあるそうです。
ALSを発症すると、手足だけでなく呼吸に必要な喉や舌の筋力も低下し、これによって言葉を話すことや食事をすることも難しくなる一方で、病気が進行しても通常は視力や聴力、その他の体の感覚などに異常が出ることは無いといいます。
現状では病気を治すための特効薬はなく、発症後は症状がどんどん進行していくことから、症状を遅らせたり、緩和させるための投薬治療やリハビリなどが行われます。
そして、この病気は最終的に呼吸筋すら動かなくなって呼吸不全で亡くなるケースが多く、発症から亡くなるまでの期間は約2~5年とされ、一方で発症から10年以上、人工呼吸器無しでも生活を続けている方もおり、2017年10月に亡くなったフランス文学研究者・学習院大名誉教授の篠沢秀夫さんは、2009年に発症後に人工呼吸器を装着、約8年にわたって闘病を続けていました。
動画を見る限り、佐伯チズさんはすでに手足だけでなく、喉や舌の筋力なども低下している様子で、かなり厳しい状態にあるとみられますが、佐伯さんは難病の発症にショックを受けながらも前を向き、「夢は薬。諦めは毒。」として今後も諦めずに頑張っていくと語っています。
闘病生活は非常に辛いものがあると思いますが、引き続き周囲のサポートを受けながら諦めずに、美容家としても可能な限り様々な活動を行っていってほしいです。