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木下雄介投手の死因と中日ドラゴンズと遺族トラブルを週刊文春報道。劇症型心筋炎発症で倒れ、低酸素脳症で脳死状態となり…

中日ドラゴンズ木下雄介投手が急死の真相…妻が球団の問題言動を告発。新型コロナワクチン接種、搬送遅れで…

プロ野球『中日ドラゴンズ』の投手だった木下雄介さん(きのした・ゆうすけ 享年27)が急死してから1年が経ち、遺族が週刊誌『週刊文春』の取材に応じ、球団サイドの初期対応に問題があったことなどを訴えています。

木下雄介投手は昨年6月28日に新型コロナウイルスのワクチンを接種し、7月6日にナゴヤ球場で練習中に息苦しさを訴えて倒れ、名古屋市内の病院に救急搬送され、それから約1ヶ月後の昨年8月3日に亡くなりました。

それから早1年が経ち、木下雄介投手の妻・茜さん(31)が、木下投手の母親・暢子さん(60)、兄・貴介さん(31)が同席のもとで、自宅にて週刊文春の取材に応じ、「もし、倒れたときに球団が適切に対応してくれていれば、雄介は助かっていた。後遺症はあっても、今頃はこの家で、娘や息子と一緒に過ごしていた……。そう考えると、いまでも悔しくて仕方ないんです」と語っています。

<↓の画像は、木下雄介投手と妻・茜さん、子供の写真>

茜さんによると、「倒れた原因の一つは、新型コロナのワクチン接種。だけど、亡くなった原因は別にある」と主治医から説明されたとし、病理解剖をしたところ「劇症型心筋炎」を発症していたことが判明したといいます。

劇症型心筋炎を発症した原因は、新型コロナのワクチン接種にあると主治医は語り、劇症型心筋炎を起こしている状態で激しいトレーニングをしたことで心室細動を発症、心肺停止状態になったとみられるとのことです。

ただ、茜さんは木下雄介投手が死に至った直接的な原因は「搬送の遅れです」と語り、「実は、雄介が倒れてから周囲が救急車を要請するまでに、6分もかかっていたことが分かったのです。それを主治医の先生に伝えると『搬送が早ければ助かった』と言われました」と告白しています。

茜さんによれば、球団側は当初渋っていたものの、亡くなってから2ヶ月後の昨年10月に、木下雄介投手が倒れるまでの時系列が記された資料を受け取ったといいます。

そこには、午前11時7分ごろにトレーニングルームで『プロ野球ストレングス&コンディショニング研究会』のスタッフが木下雄介投手の異変に気づき、同13分にトレーナーが119番通報、救急搬送の要請をしたと記されていました。

<↓の画像は、倒れる約2ヶ月前の木下雄介投手の写真>

救急隊が現場に到着したのは、スタッフが異変に気づいてから10分後の同17分で、「救命の現場では、心拍再開が1分遅れるごとに、救命率が10%下がると言われている。だがスタッフがAEDを探しに行ったのは、搬送要請の後だった。」としています。

茜さんはさらに、木下雄介投手の異変に気づいたスタッフにも話を聞いたとし、「最初は、いびきをかいているのかと思うくらい大きな呼吸が聞こえたそうです。雄介は仰向けに倒れていて、近付いたら身体も硬直していた、と。でも『呼吸もあって、心臓も動いていたから、その時点では救急車を呼ぶ必要がなかった』と説明されました」と明かしています。

こうした説明に納得できなかった茜さんは、球団サイドにこの対応について聞いたところ、昨年12月に書面で「担当スタッフ一同、最善の努力を尽くし救急対応に努めてくれました」との回答があったそうです。

しかし、週刊文春の取材に『日本救急救命士協会』の鈴木哲司会長は、「日本の救急蘇生法では、呼吸はしているが“普段通りの呼吸”ではない、もしくは判断に迷う場合には心停止として考えて対応するという指針が示されています。勿論、医療従事者ではない人に判断は難しい。だからこそ、異変があった11時7分の時点で救急車を呼ぶべきでした」と語っています。

週刊文春はこの件について加藤宏幸・球団代表に取材を行い、木下雄介投手が倒れた直後の対応に問題は無かったのか問うと、「はっきり申し上げますけど、問題があったというふうには捉えていません」と断言したとしています。

茜さんは、「私は、ただ中日に、雄介に対する救命の遅れがあったことを認めて、救命講習を開くなどの改善策を講じてほしい。雄介の死を無駄にしてほしくはないんです。雄介もきっと、『俺の名前を利用していいから、二度とこういうことがないようにしていこう』と言っていると思います」と訴えています。

4日発売の週刊文春ではさらに、球団サイドが遺族に隠していたという「補償金5,000万円」(遺族に提示したのは補償額の1割)のほか、メニューから消した倒れる直前のトレーニング内容、さらに加藤宏幸代表が茜さんに言った失言など、遺族への取材などで明らかになった様々な問題を詳報するとしています。

木下雄介投手の急死を巡る遺族と球団サイドのトラブルに関しては、7月にも『週刊新潮』が報じていました。

週刊新潮によると、昨年7月に同誌が木下雄介投手が練習中に倒れ、重篤状態にあることをいち早く報じてトラブルが表沙汰になり、それからわずか1ヶ月後に亡くなってしまったものの、球団サイドは遺族に倒れた際の状況などを一切説明しなかったそうです。

これに対して遺族が球団部長等に詰め寄り、ようやく詳しい事情が明らかにされ、球団サイドの初期対応に問題があったことが判明したとし、木下雄介投手が練習中に突然大きく呼吸し始め、その時点で目は開いているものの意識はなく、体も硬直しているような状態だったものの、すぐに救急措置を講じなかったといいます。

AEDを使用した心臓マッサージを開始したのは異変から8分後で、それから2分後に救急隊が現場に到着、搬送先の病院ですぐに緊急手術を受け、心臓に機械を入れて約1週間後に心臓は蘇生したものの、その時点で低酸素脳症による脳死状態で、最終的な死因は「低酸素脳症による臓器不全」だったとのことです。

木下雄介投手が亡くなった後、球団サイドは遺族に弔慰金として「500万円」を提示し、それで全てを片付けようとしたそうですが、球団と選手が結ぶ統一契約書では、試合や練習中にもし死亡した場合には、「球団は補償金5,000万円を法の定める選手の相続人に支払う」と規定しています。

しかし、球団サイドは当初こうした規定があることを遺族に伝えなかったほか、木下雄介投手が死亡したのは練習が直接の原因ではないと主張し、5,000万円の支払いに応じていないとしています。

こうした様々な問題があって、木下雄介投手の遺族は球団サイドに強い不信感を抱き、週刊文春にも一連の問題を告発しようと思ったのかもしれません。

木下雄介投手が倒れた直後の初期対応に関しては何とも言えず、多少判断の遅れなどはあったのかもしれませんが、出来る限りの対応をしたのではないかとも思う一方、遺族に倒れた時の詳しい状況をすぐに説明しなかったり、トレーニング中に倒れて亡くなったにも関わらず、統一契約書に沿った支払いに応じないというのは不誠実だと感じ、誠意ある対応をしてほしいと思いますね。

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