脚本・演出家の三谷幸喜さん(61)が作・演出を手掛ける舞台『ショウ・マスト・ゴー・オン』が7日に開幕したのですが、舞台に出演予定だった俳優・小林隆さん(63)が「左足筋損傷」を理由に、13日まで行われる福岡公演の出演を見合わせ、代役を三谷さんが務めることで話題になっています。
この舞台を手掛ける『シス・カンパニー』は7日に公式サイト等を更新し、「『ショウ・マスト・ゴー・オン』で、万城目充役を演じる小林隆が、左足筋損傷のため、やむなく福岡公演(11/7~13)の出演を見合わせることになりました。つきましては、小林隆に代りまして、本作品の作・演出を務める三谷幸喜が、同役にて、本日より11月13日(日)の福岡公演最終日まで出演の運びとなりました。」
と、小林隆さんに代わって三谷幸喜さんが福岡公演に出演することを発表しました。
<↓の画像が、小林隆さんの写真>
最後に、「福岡公演以降の対応につきましては、小林隆の怪我の回復状況をみて判断し、皆様にお知らせ申し上げる所存です。このたびの出演者変更につきまして、重ねて深くお詫び申し上げます。勝手ながら、本作品に変わらぬ応援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。」
としています。
小林隆さんが所属する芸能事務所『ケイファクトリー』も公式サイト上で、福岡公演の出演見合わせと三谷幸喜さんが代役を務めることを報告し、謝罪しています。
『ショウ・マスト・ゴー・オン』は、三谷幸喜さんが主宰する劇団『東京サンシャインボーイズ』が1991年に初演のコメディ作品で、最後に上演された1994年以来28年ぶりにリニューアルして再演し、11月7日から12月27日にかけて、福岡・京都・東京で上演を予定しています。
出演者は、鈴木京香さん、尾上松也さん、ウエンツ瑛士さん、シルビア・グラブさん、小林隆さん、新納慎也さん、今井朋彦さん、藤本隆宏さん、小澤雄太さん、峯村リエさん、秋元才加さん、井上小百合さん、中島亜梨沙さん、大野泰広さん、荻野清子さん、浅野和之さんの計16人となっています。
小林隆さんは三谷作品の常連俳優の1人で、過去にはドラマ『古畑任三郎』シリーズで警察官役を演じていたほか、『竜馬におまかせ!』『総理と呼ばないで』『新選組!』『ステキな金縛り』『記憶にございません!』『鎌倉殿の13人』など、三谷幸喜さんの作品に度々起用されています。
そんな小林隆さんの負傷を受けて、三谷幸喜さんが急遽代役を務めることになりネット上では、
- まさにショウ・マスト・ゴー・オン
- もともと人前に出るの好きな方ですからね(笑)これはこれでレアな回になる
- そりゃShow must go onなんてタイトルじゃ 休演にはできませんわなw お客さんも三谷さんが代役なら納得するでしょ
- 今回はどうすんじゃい。黒子で行くのか、衣装つけるのか…。正直言って、あんまり同じ手は使わないほうが良いと思うけどね。
- まさにタイトル通りで、脚本家自ら出てでもショウは止めない、ということね
三谷さん役者経験もあるけど、自分が間違えて台無しにする訳にはいかないからプレッシャーだろうなぁ 三善殿はお大事に - 三谷さんの存在感が大きいだけに、ポジティブな方向に行ってるのは良い事だけど、その裏で小林さんは辛い気持ちだよね。
役者として穴を開けるのはちょっと恐怖に近いと思うから。実際怪我も痛いだろうし。早く良くなりますように。
などの声が上がっています。
三谷幸喜さんは2018年3月にも作・演出を手掛けた舞台『江戸は燃えているか』で、同舞台に出演の女優・松岡茉優さんが体調不良で出演を見合わせることになった際、急遽代役を務めていました。
この時の裏話を、先月放送のラジオ番組『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)で語っており、松岡茉優さんが出演できなくなった時点で一度は中止が決まったものの、「劇場ロビーで、夜公演を観劇する地方から来た多くの人が荷物を預けている姿を見て、この人たちが早く来て楽しみに待っているのに、これで夜公演中止になるのは申し訳ない」
と思い、自身が代役を務める形で上演したと語っていました。
舞台には黒子の格好で台本を持って登場したといい、観客に対しては事前に状況を説明し、「今日は私が急きょ、この格好で台本を持ってやらせていただきます。納得のいかない方は帰ってくださっても結構ですし、見終わって、これは許せないと思ったら、チケット代は全額お支払いいたします」
と断った上で、代役を演じたそうです。
当時を振り返り、「すごく緊張しましたけど、2幕目くらいから余裕が出て、楽しくなってきて、台本持ってるんで、誰かのセリフが違ってたら“台本と違うよ”ってアドリブで言ったり、ラブシーンも嬉々としてやってしまった。結果、反省はしましたけど、僕がやりたがっていたのはちょっと違う」
とも語っていました。
そして、再びキャストにトラブルが発生し、三谷幸喜さんが代役を務めることになったというのは驚きですね。
ただ、この舞台のタイトルにもなっている「Show Must Go On」は、「始まったものは最後までやり遂げなければならない」といった意味の慣用句で、三谷幸喜さんが手掛ける『ショウ・マスト・ゴー・オン』も、「一度開いた幕は何があっても途中で降ろしてはいけない」を合言葉に繰り広げられるコメディとのことから、三谷さんが代役で上演することに対して好意的な反応が多くみられます。
三谷幸喜さんはこれまでに様々な映画・ドラマ等に出演し、役者としても活動しているので演技に不安はなく、13日まで小林隆さんの代役を頑張ってほしいですし、小林さんはまだ17日からの京都公演に出演できるかも不明ながら、少しでも早く舞台に復帰できることを祈るばかりですね。