女優・三田佳子さん(みた・よしこ 82歳)の次男で、2022年10月に覚醒剤事件で4年ぶり5度目の逮捕となった元俳優・高橋祐也被告(44)の控訴審判決が15日に行われ、東京高等裁判所は控訴を棄却しました。
高橋祐也被告は2018年9月に覚醒剤所持で4度目の逮捕となり、同12月に懲役2年6ヶ月・執行猶予5年(保護観察付き)の有罪判決が下されたのですが、執行猶予期間中の2022年9月に再犯で捕まりました。
高橋祐也被告は2022年9月28日に、自宅マンションで覚醒剤約0.1グラムと大麻約2.4グラムを所持し、同月下旬に覚醒剤を使用したとして、検察は懲役2年6ヶ月を求刑し、昨年7月末に東京地方裁判所は懲役2年(うち4ヶ月は保護観察付き執行猶予2年)の実刑判決を下しました。
一部を執行猶予付きとする温情判決だったものの、これを不服とした高橋祐也被告側は同8月に控訴しました。
<↓の画像は、5度目の逮捕後の高橋祐也被告の写真>
『東京スポーツ』(東スポ)によると、弁護側は高裁でも高橋祐也被告の責任能力を争おうとしていたといい、「切り札にしたかったのは、名だたる“薬物有名人”らが頼ってきた、その道では知られる専門医による精神鑑定。その鑑定書では、高橋被告が当時罹患していた精神障害により、覚醒剤の使用との関係において、自身の判断に基づく制御が困難となり得ることがあるなどと指摘していると、この日の判決文で明かされた。だが一審では、この鑑定書が証拠として認められず、同医師の証人尋問も『必要性なし』として却下。今年3月の控訴審初公判でも、弁護側による事実取り調べ請求は却下された。」
としています。
そして、控訴審判決で東京高裁は、「訴訟手続きの法令違反は認められない」「原審(一審)証拠を精査しても、原判決(一審判決)の事実認定に不合理な点は見当たらない」「被告人の前科などを踏まえ、反省の態度などの一般情状をも考慮した原判決の量刑は相当であって、これが重すぎて不当であると言うことはできない」
として控訴を棄却したとのことです。
昨年から東京・小菅の東京拘置所での勾留生活が続く高橋祐也被告は、一審ではボサボサ頭で出廷していたものの、控訴審には坊主頭にスーツ姿で出廷し、頭や体を動かして落ち着かない場面もあったといい、裁判終了後に東スポが高橋被告の弁護士に上告するのか聞くと、「(判断は)これから。いま判決聞いたばかりだから。全然分からない」と答えたとのことです。
上告が認められるのは、判決内容に憲法解釈の誤りや憲法違反があった場合や、最高裁判所の判例と異なる判断がされている場合などに限られ、法律的に問題があるのか否かを判断するものであるため、高橋祐也被告側が今後上告したとしても棄却される可能性が高いとみられます。
一審の判決が確定となれば2度目の収監となり、ちなみに1度目は2007年11月に起こした3度目の事件で、2008年1月に懲役1年6ヶ月の実刑判決が下されています。
高橋祐也被告の弁護側は5度目の事件で、少しでも刑を軽くして薬物依存の治療を行うために責任能力を争い、父親で元NHKプロデューサーの高橋康夫さん(82)を情状証人として出廷させ、父親は「覚醒剤による精神障害があるということでそれが時々出てくる」などと語り、本人も精神鑑定を受けた際に「神様の声が聞こえる」などと、20歳ぐらいから幻聴が聞こえるとも訴えていましたが、東京地裁は高橋被告の言動から「何らかの精神障害は認められない」として主張を退け、責任能力はあるとの判断をしていました。
<↓の画像は、高橋祐也被告の家族写真>
(左から)父親・高橋康夫さん、母親・三田佳子さん、兄で俳優・声優の森宮隆さん(本名=高橋洋介 49歳)
高橋祐也被告は覚醒剤を使用後に、保護観察所への出頭や簡易薬物検出検査をせず、さらに警察の捜索差し押さえにも立ち会わずにホテルに逃亡していたといい、これらが責任能力があるという判断に繋がったとのことでした。
昨年に、ニュースサイト『集英社オンライン』の取材に応じた高橋祐也被告の長年の友人によれば、高橋被告はこれまでに起こした事件を一切反省せず、「海外の役者は薬物で捕まってもすぐに復活できたりするのに、なんで日本はこんなにうるさいんだ」と逆ギレしていたといい、4度目の事件後も生活は変わらなかったとしています。
さらに、薬物を使用後に某クリニックで点滴を受けると、尿検査で薬物反応が出なくなるとも話していたことや、事件前にも月に100万円単位の小遣いを親から貰い、それで薬物を購入したり、飲酒や女遊びをしていたそうです。
<↓の画像は、キャバクラに通っていた高橋祐也被告の写真>
こうした証言が事実であれば、高橋祐也被告が違法薬物をやめられないのは本人だけでなく、親にも原因があるとみられますが、今回の事件で実刑判決が下されるのは濃厚となり、再び刑務所に入ってからは薬物離脱のプログラムなどもしっかりと受けて、今度こそ薬物を使用しない努力をしてほしいものです。