モデル・タレントのローラさん(本名=佐藤えり 28歳)が18日に自身のインスタグラム上で、米軍基地の移設による沖縄・辺野古沖の埋め立て工事に反対する署名参加を呼び掛け、この行動が波紋を呼んでおり、政治的な発言をしたことによって今後CM降板する可能性も出てきたと言われています。
そうした中でニュースサイト『日刊ゲンダイ』は、ローラさんをCMイメージキャラクターに起用している複数の企業に取材し、今後の対応について聞いています。
ローラさんは昨年、所属事務所『LIBERA』との契約をめぐってトラブルになり、仕事を干されるのではないかとも囁かれていましたが、テレビ番組への出演こそ減少したものの、複数の大手企業のCMに出演しており、昨年発表の『2017タレントCM起用社数ランキング』では、2014年以来3年ぶりに1位(15社)を獲得しました。
その後、今年3月ごろには事務所と和解して再スタートを切り、今年12月発表の同ランキングでは連覇こそ逃したものの、有村架純さん、渡辺直美さんと並んで3位(12社)にランクインしています。
そんなローラさんが18日に、インスタグラム・ストーリーズ(24時間以内に投稿が消える機能)を更新し、「We the people Okinawaで検索してみて。美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの。名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう」
と、辺野古沖の埋め立て工事中止を求める署名活動への参加を呼び掛けました。
この投稿は様々なメディアにも取り上げられたことで大きな注目を集め、ローラさんの行動を評価する声がある一方で、否定的な声も多く上がる事態となり、特にローラさんは多くのCMに出演していることから、政治的発言をしたことによってCM降板となるのではないかとも囁かれ、美容整形外科『高須クリニック』の高須克弥院長はツイッター上で、「僕なら降ろします」と発言したことで話題になりました。
こうした発言を受けて、『日刊ゲンダイ』はローラさんの所属事務所に取材を行い、CM降板や政治的発言について話を聞くと、「降板の話はありません。発言した理由などについてはお答えしかねます」と回答したとしています。
現在ローラさんをCMに起用している各企業にも問い合わせており、「センターイン」や「ソフィ」のCMに起用している『ユニ・チャーム』は、「CMのタレント契約後のローラさんの独自の発言、発信なので、当社が回答する立場ではありません。現時点ではCMは継続予定で、降板などは考えていません。今後の対応については、世間やローラさんの動向を見て社内で協議する予定です」
と回答しています。
「NONIO」のCMに起用している『ライオン』は、「契約後のローラさんの発言なのでコメントする立場にありません。現時点では、契約を見直す予定はなく、継続予定です。降板の話などは聞いていません」
としています。
「DMMFX」などのCMに起用している『DMM.com』は、「弊社としては(ローラさんの政治的発言は)問題ないと思っています。現状の契約を今後も履行します」
と回答し、「ジムビーム」のCMに起用の『サントリー』は、「CM起用変更の予定はありません」
としており、現時点ではローラさんのCM降板を決定したという回答はなかったとしています。
これらの回答を受けて『日刊ゲンダイ』は、当然といえば当然の判断で、極端に政治的発言を控える傾向にある日本の芸能界の風潮がおかしいとしています。
国際ジャーナリストの堀田佳男さんは、「ローラさんの意見は貴重だと思います。しかし、日本は保守的な社会。アメリカのように潮流が急には変わらないでしょう。ローラさんが政治的な発言をして受け入れられたとしても、リベラル(自由主義)な発言をする芸能人は急には増えないと思います。ただし、悪い流れではないので、少しずつ芸能人も自由にモノが言える環境になるのではないでしょうか」
と推測しています。
『日刊ゲンダイ』はこのように報じているのですが、これに対してネット上では、
- 別に政治的な発言もスポンサーと同じベクトルの方向に向いてればスポンサーは怒らないさ。
- 政治的な発言をするなら、上っ面のことだけを言うのではなく、その発言については、よく調べてよく考えて行う必要があると思います。
ただ政治的な発言をすればよいというものでは、ないと思います。あとは、自分の発言に対しては、最後まで責任を持って欲しいですね。 - 政治的発言がタブーとは思わないが、好き嫌いはありますよね。CMはイメージでタレントを起用しているのだから、発言があればイメージが良くなったり悪くなったりして、その結果、CMを下りたり、逆に増えたりするのは当たり前では?
- 契約中の企業広報に尋ねれば間違いなく、記事のようなコメントになるでしょう。政治活動は犯罪ではないので降板されると企業イメージがダウンするからです。
ただ今後新たに契約しようと考える企業は少なくなるでしょう。 - しっかり考えての発言なら、問題ない。しかし、今回の発言は基地ではなく、沖縄のきれいな海を土砂で汚したことに対しての発言。基地問題の背景、経緯はまったく考えてない。ここが問題。
彼女自身は政治発言の意図がない。そこまで考えてない。単に海を汚した原因は米軍基地を作る為、だからアメリカ大統領に文句を言おう。これだけのこと。左翼の言う、普天間、辺野古問題は何も考えてないでしょう。
などのコメントが寄せられています。
そして、現時点ではローラさんをCMから降板させる動きはみられないようですが、『ユニ・チャーム』は「今後の対応については、世間やローラさんの動向を見て社内で協議する予定です」と回答しており、恐らくその他の企業も、ローラさんだけでなく企業側にも悪影響が及ぶようであれば、様子を見た上でCM契約終了となるのではないでしょうかね。
ローラさんの発言を問題視するしないは企業側の自由で、ローラさんもそれを分かった上で発言したのだろうと思いますし、ローラさんのような大きな影響力を持つ人が政治的な発言をすることによって、より多くの人たちが米軍基地移設に関わる様々な問題を知るきっかけになるなど、意味のある行動だと思います。
その一方で、ローラさんは辺野古沖の埋め立て工事による自然破壊を問題視し、インスタグラムであのような発言をした様子なのですが、沖縄は自ら自然破壊を行っていることでも知られており、2014年から那覇空港の滑走路増設を行い、これによって約160ヘクタールにも及ぶ面積の海を埋め立てる工事もしています。
この他にも沖縄北部の森林伐採を行っており、すでに沖縄には38ヶ所もの人工ビーチが作られるなどし、観光産業が成長を続ける大きな要因になっているのですが、環境保全などを訴えるのであれば、こうした部分にも目を向ける必要があるのではないかと感じます。
ローラさんは自然環境の破壊だけでなく、動物保護活動などにも参加している様子で、インスタグラムではそれに関連したメッセージ投稿を今年に入ってから頻繁に行っており、こうした行動は評価されている一方で、野生動物にエサを与える写真などを投稿したことによって、「自然の生態系を壊す可能性がある。無責任すぎ」などの批判が寄せられ、投稿を削除するなどしており、勉強不足と感じられる部分が多々あります。
それも原因でローラさんには批判的な声が多く寄せられており、イメージも徐々に悪化していると感じられるのですが、果たしてそんなローラさんのことを企業側はどう評価していくのか、来年以降の出演CM数がどうなっていくのか注目したいですね。