4人組ロックバンドの“ラルク”こと『L’Arc~en~Ciel(ラルク・アン・シエル)』が昨年結成30周年を迎え、21・22日に東京ドームでアニバーサリーイヤーを締めくくるライブが開催されたのですが、座席レイアウトの大幅変更を巡って物議を醸し、ライブ終了後もファン等からは批判が殺到し炎上状態が続いています。
ラルクアンシエルの東京ドーム公演の座席は、ファンクラブ会員限定のW会員シート(税込み2万2,000円)、SS席(同)、S席(1万6,500円)、A席(1万1,000円)が設けられており、当初公開された座席レイアウト図では、W会員シートとSS席がアリーナ、S席が1階スタンド、A席がバルコニーと2階スタンドに設定されていました。
<↓の画像が、座席レイアウト変更前の図>
その後、ライブ数日前に座席レイアウトを変更し、W会員シートに変更は無かったものの、SS席が1階スタンドの前方にまで拡大、S席はバルコニーに加えて2階スタンドの前方まで拡大し、A席は全席2階スタンドに変更となりました。
<↓の画像が、座席レイアウト変更後の図>
公式サイトには、「座席図はイメージとなります。ステージや座席レイアウトは予告なく変更になる場合がございますので、あらかじめご了承下さい。」との注意書きがありましたが、あまりにも大幅な座席レイアウト変更にファンから批判の声が噴出していました。
その後サイト上で、「ステージプラン決定にともない座席図イメージが確定したため、先日、皆さまに座席図イメージ(最終)を公開させていただきました。当初公開していた座席図イメージについては『ステージや座席レイアウトは予告なく変更になる場合』があることをあらかじめ告知させていただいておりましたが、当初と異なる座席図イメージ(最終)を事前の説明なく公開したことにより、皆さまにご不安と混乱を招いてしまったことについて心よりお詫び申し上げます。公演間近のご案内となりましたが、何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。」
と謝罪しました。
<↓の画像が、ライブ主催者のお詫びコメント全文の写真>
しかし、ライブ終了後もこの件に対してネット上では、
- ラルクが詐欺バンドに成り下がることになるとはなあ
- 運営側が座席変更になる可能性をわかってて、変更前の座席でチケット買わせたなら普通に詐欺だよ。
- ぶっちゃけ詐欺だよなぁ。最初の図だとアリーナと思い買ったら、後から出た図でスタンド席に回されたらそりゃキレるよ。
- ラルクの件で改めて思ったけど、ヲタクって運営に詐欺まがいの仕打ちにあっても現地良かったらチャラにしちゃうから舐められるんだろうな。
ドエルの人はきちんと「ラルクだから許される販売方法」って明言してほしさはある。
ラルク方式の販売が自分のチケットに移植されないことを祈るのみ - さすがにひどすぎるし、謝罪にもなってない。当日も特に説明もなかった。サブステできてたけどめっちゃ小さくて、アリーナにある機材スペースめっちゃ広かったですね?
あんな場所に2ヶ所もスペース作るなら、そこにお客さんいれたら良かったのでは?
ファンクラブ会員限定だったはずのS席も後から一般で買えたし、そっちの方がシステム手数料安かったらしいし
席も後から買った人の方が1階席多かったようで。全て納得できません。 - 運営には憤りを覚える。謝罪文に納得できず、運営に問い合わせても謝罪文と同じ文章を返信してくるだけで、誠意ある回答が得られなかったから消費者庁に申し出た
- アリーナの予定が1階スタンドになった。席について自分がいるはずだったアリーナ席を眺めて、あそこに行くために出したお金はなんだったんだろうと悲しくなった。
ライブの内容的には大満足だったので席問題さえなければ心から楽しめたのになあ…ととにかく残念
などの批判が殺到しており、炎上状態が続いています。
芸能・エンタメ分野に詳しい河西邦剛弁護士は『弁護士ドットコム』の取材に対して、座席のレイアウトが変更になる場合があるとの注意書きがあったとしても、「法律的な問題が生じうると考えます。」としています。
それは座席ごとに価格を設定していることや、座席レイアウト図の大きさがポイントだとし、購入はレイアウト図を見た上で希望する席のチケットを購入している可能性が高く、もし当初公開されたレイアウトを見た上でアリーナのSS席チケットを購入した場合、「法律的には当選後のチケット代金の支払いにより、SS席ゾーンのチケット購入契約が確定しているといえます。したがって、事前のレイアウト図でSS席と表記のあった範囲外の席を割り当てれば契約違反になる可能性があり、応募者からの契約解除つまり返金請求がなされた場合には応じざるを得なくなる可能性は十分にあります。」「座席の区分によって異なる価格設定がなされている以上、主催者側が無制限に座席変更する選択権が与えられているとは法的には考えにくい」
と指摘しています。
そして、今回の問題でライブ主催者の『SOGO TOKYO』側が行うべきこととして、「返金を求めるファンには返金し、変更に応じるファンには差額を返金するなどの対応をするべきではないでしょうか。」
と語っています。
現時点で主催者側は、座席レイアウト変更によるチケット代の払い戻し、差額分の返金などの対応はしておらず、公式サイト上でお詫びをしたのみとなっています。
座席レイアウトを変更するにあたって事前に理由の説明も特に無く、ここまで大幅な変更をしたら詐欺だと言われても仕方がないですし、SS席とS席チケット購入者のうち、1ランク下と変わらない席になった人に対しては差額分を返金するべきなのではと思います。
今回の騒動では、主催者だけでなくバンドのイメージ悪化にも繋がり、メンバーにも批判の矛先が向かう事態となっているので、主催者サイドがキッチリと対応した方がいいのではと思いますが、注意書きをしていたとしてこれ以上の対応はしないつもりなのでしょうかね…。