脳の障害「失語症」により、昨年3月に現役引退が発表されたハリウッド俳優ブルース・ウィリスさん(67)が、「前頭側頭型認知症」と診断されたことが明らかになりました。
ブルース・ウィリスさんの家族が連名で、アメリカの『前頭側頭型認知症協会(AFTD)』を通じて声明文を発表し、「昨年春に失語症の診断を発表して以来、ブルースの症状は進行しており、より具体的な症名として『前頭側頭型認知症(FTD)』と診断されました。」「残念ながら、意思疎通の難しさはブルースが直面する一つの症状に過ぎません。辛いですが、ようやく明確な病名が分かり安堵しています。」「現在この疾患に有効な治療法は無く、その現実がいつか変わればと望んでいます。ブルースの状態が進行する中で、さらなる啓発と研究を必要とするこの疾患にメディアの注目が集まり、光が当たることを願っています」
などと綴っています。
<↓の画像は、家族が公開したブルース・ウィリスさんの近影>
この発表を受けてネット上では、
- そうかぁ…大スターのこういうのを聞くとなんだか悲しい気持ちになる
- 認知症とかアルツハイマー症とかどうにかならんのかね…
- 何だか悲しいというか寂しいというか…世界中の人が彼の事を知ってるのに、ブルース自身は忘れていっちゃうんだね
- こういうことって発表しなくちゃいけないのかな そっとしておいてあげて欲しい気もする
- ハリウッドセレブは華々しいキャリアの裏で、家族に見放されたりドラッグに溺れたりする人もいるなか、支えてくれる家族がいるっていうだけでも幸せなのかな
- ブルースは今の奥さん、前妻のデミ、そしてお子さんだに囲まれて幸せそう。ゆっくり穏やかに過ごして欲しいな。
などの声が上がっています。
ブルース・ウィリスさんの家族は昨年春に、「ブルースは、以前からいくつかの健康上の問題を抱えており、最近、認知能力に影響する失語症と診断されました」
として、本人に代わって俳優業からの引退を発表しました。
昨年診断された失語症は、頭部外傷や脳腫瘍、脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)などが原因で脳が損傷し、「聞く」「話す」「読む」が困難になり、人と上手く会話ができなくなるなどの症状がみられる障害です。
昨年12月には、ある近親者が現地メディアの取材に対して、「ブルースはもうほとんど喋れないし、他の人の言葉もあまり理解できないようだ」
と症状が悪化していることを明かしていました。
そうした中でも家族はSNSで、家族に囲まれて楽しそうにしているブルース・ウィリスさんの近影を公開していました。
<↓の画像は、家族が公開したブルース・ウィリスさんの写真>
ブルース・ウィリスさんが発症した「前頭側頭型認知症」は、「人格・社会性・言語」を主に司る「前頭葉」や、「記憶・聴覚・言語」を司る側頭葉の前方部分に萎縮がみられる神経変性による認知症で、これは神経細胞の減少や、本来は見られない細胞ができることで脳が萎縮し発症するとのことです。
認知症は一般的に、65歳以降の高齢者が発症しやすい病気ですが、前頭側頭型認知症に関しては65歳未満での発症率が高く、75歳以上の高齢者が発症することはほとんどないといいます。
前頭側頭型認知症を発症した場合には、感情の抑制が効かなくなったり、同じ行動を繰り返したり、感情が鈍くなったり、自発的に言葉が出にくくなります。
これらの症状が徐々に進行していくため、発症から平均で6~8年後には寝たきりの状態になってしまうといいます。
アメリカのクリニックによると、前頭側頭型認知症は認知症全体の1~2割程度で、この病気の発症原因はまだ分かっておらず、有効的な治療方法も開発されていないため、「発症後の余命は7~13年」としています。
ブルース・ウィリスさんは引退が発表される前まで精力的に活動し、2021年には8本の映画に出演、引退が発表された時点で公開を控えている作品は10本以上あり、今年1月には、主演作『ザ・ローブ THE HEROES HIGHT VOLTAGE』が日本でも劇場公開されるなど、現在も次々に新作が公開されています。
それだけに、引退発表から1年近く経った現在も実感がわかないですし、引退が発表された後もSNSで元気そうな姿が公開されていたため、認知症を発症したというのもまだ信じきれない部分もあります。
今回の発表を受けてさらにショックを受けましたが、ブルース・ウィリスさんは多くの家族に囲まれて幸せな生活を送っている様子で、もう間もなく初孫が誕生予定となっており、引き続き家族に支えられながら、穏やかな余生を過ごしてもらいたいですね。