コカイン使用で逮捕された電気グルーヴ・ピエール瀧被告(本名=瀧正則 52歳)の初公判が5日に行われ、検察側が懲役1年6ヶ月を求刑したことが明らかになりました。
<↓の画像は、ピエール瀧被告の初公判報道の写真>
ピエール瀧被告の初公判は5日午前10時半から東京地方裁判所で開かれたのですが、一般傍聴席21席に対して1266人が傍聴を希望し、倍率は約60倍となっていました。
ちなみに、抽選倍率の過去最高は“のりピー”こと酒井法子さんの裁判で330.75倍(応募人数6615人)で、同じく覚醒剤事件を起こした元プロ野球選手・清原和博さんの裁判は188.45倍(同3769人)、CHAGE and ASKA・ASKAさんの時で約126倍(同2646人)となっていました。
起訴状によると、ピエール瀧被告は3月12日ごろに、東京・世田谷区内にあるマンションでコカインを若干量吸引したとされ、黒のスーツ姿のピエール瀧被告は起訴内容を認めました。
検察官はピエール瀧被告のコカイン使用について、「(瀧被告は)20代ごろからコカインなどの違法薬物を使っていた。ミュージシャンの仕事が多忙で、ストレスを発散したいと考えて摂取していた」と語りました。
一方の弁護人は、ピエール瀧被告の妻が綴った嘆願書を読み上げ、「夫がこのような事件を起こしてご迷惑をおかけしたことを、妻として深くおわび申し上げます。生活の違いから夫が深夜に帰ってきても会話は少なく、(夫が)ストレスや悩みを相談できなかったことに気づきました」「寂しさやストレスから薬物を使ったのだと思います。私なりにできることをし、注意して監督していきます」
とし、弁護側は犯行現場のマンションを解約したことや、薬物治療の通院は8回していることを明かしました。
また、ピエール瀧被告は週1回ペースで薬物依存の治療プログラムに通っていることを明かしたほか、「本当は関係者に謝罪に行かなければいけないところですが、外には出られない状況で、料理や家事を率先してやり、家族のサポートをしています」
と現在の状況を説明しました。
そして、取り調べでコカインの入手ルートなどを明かした理由について、「使っている時から、違法だということは分かっていて、いつかはやめなきゃいけないと思っていた。逮捕をきっかけに、そういう世界から足を洗おう、やめようと思って、そのためには全てを正直に話すことが必須だと思った」
と答えていました。
最終弁論では「2度と薬物に手を出さないと誓います」と述べています。
そんなピエール瀧被告に対して検察側は懲役1年6ヶ月を求刑、即日結審となり、判決公判は18日午前11時から行われます。
初公判後に取材に応じたピエール瀧被告の担当弁護士は、「(求刑は)想定通り。(判決は)執行猶予が付くと思う」と話し、今後については「本人は反省しているし、治療に携わりながら(18日の)判決公判を待つ」としています。
ピエール瀧被告は3月にコカイン使用で逮捕となり、4月2日に起訴されて事務所との契約が解除され、同4日に保釈後は静かな環境の病院へ行き、その後は東京・小平市にある薬物依存治療にも力を注いでいる病院に通院しており、担当の精神科医師は初公判に情状証人として出廷しました。
ピエール瀧被告の薬物依存度については、「軽症と認識しています。精神科医師の中で用いられる米国の基準がありますが、瀧さんが該当したのは11項目中1項目でした。以前に比べて薬物の使用量が増えたという項目です」
と明かしていました。
また、ピエール瀧被告が薬物をやめられる可能性については、「確率論として言えば、やめられる可能性が高いと思います。薬物の重症度は低いです。精神的にも健康な状態であり、友人・知人のサポートも受けています。薬物問題からの回復は担保されています」
としています。
ピエール瀧被告が通院している病院は、薬物依存症治療センターを併設していて、厚生労働省の依存症治療事業の拠点として有名な病院とのことです。
この病院は薬物依存の患者同士で思いを吐き出し、更生していくことを目指すグループ療法による治療を行っているのですが、ピエール瀧被告の場合は個別で担当医師や臨床心理士とディスカッションを行っているといい、刑が確定後も半年弱は同病院に通い、薬物からの脱却を目指す予定といいます。
ちなみに、同級生で親友の電気グルーヴ・石野卓球さんは2日にツイッターを更新し、ピエール瀧被告の情状証人になる可能性について、「ないよ。俺だとおもしろ裁判にしたくなっちゃうし瀧にも迷惑になるから」と否定しており、初公判には出廷しませんでしたが、5~7日に東京・渋谷で開催の音楽イベント『SOMEWHERE,』の5・7日にゲストDJとして出演することが決まっています。
ピエール瀧被告は薬物からの脱却を誓うだけでなく、これからの音楽活動についても語っており、現時点ではまだ石野卓球さんと今後の話はしていないというものの、「音楽を作るという部分は、これからもやっていきたいと思います」と意欲を見せ、卓球さんに対しては、「彼にも迷惑をかけてしまいました。その中で次のことを話し合うより、今、この状況を改善していかないといけないと思いました」と語っていました。
各報道によれば、ピエール瀧被告は奥さんや中学生の長女に支えられながら薬物依存治療を行っており、家族がそばでサポートしていることは裁判官の心証も良いそうです。
ピエール瀧被告は20代から約30年にわたって薬物を使用してきたと証言していますが、家族のサポートを受けて通院で治療を受けていることによって、3年の執行猶予が付く可能性が高いとみられており、早ければ来年にも音楽活動の再開、俳優として映画出演なども可能性なるのではないかとも言われています。
そして、ピエール瀧被告の逮捕による各出演作品への影響についてですが、5月公開の映画『居眠り磐音』は代役を立てての再撮影となったため、それにかかった費用数百万円が請求されるとみられています。
その一方で、4月公開の『麻雀放浪記2020』や今秋公開予定の『宮本から君へ』は追加撮影などせずに公開を決定し、同じく秋公開予定の『ロマンスドール』は現在も協議が続いています。
他にも、ピエール瀧被告の逮捕でNHK大河ドラマ『いだてん』や各CMなど様々な仕事に影響が及んでおり、4月に契約解除した『ソニー・ミュージックアーティスツ』が一部を負担したとしても、ピエール瀧被告に対しては2~3億円程度の損害賠償を請求するのではとも言われています。
ピエール瀧被告には多くのファンがおり、擁護する声が多いものの、薬物事件によるダメージはかなり大きいかと思いますし、再び薬物に手を出してしまう可能性も十分あり、まだまだ今後が不安ではありますが、家族や石野卓球さんら周囲にこれ以上の迷惑を掛けないために、薬物からの完全脱却を目指して治療を頑張ってほしいです。