タレント・ヒロミさんを広告に起用していた通販業者『株式会社イッティ』など9社が、「着るだけで筋肉がつく」などと広告で謳(うた)って「加圧シャツ」を販売していたことが消費者庁に問題視され、これらの商品広告は景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、22日に再発防止を求める措置命令が出されました。
この9社の中には、2017年~2018年の2年間で合計20億円超えを売り上げていた会社もあったといいます。
加圧シャツというのは、一般的なシャツよりも締め付けが強く、着用しているだけで加圧によって筋肉増強効果、ダイエット効果が得られるなどと謳っていたのですが、消費者庁がそれらの表示を裏付ける合理的な根拠の説明を各社に求めたものの、広告で謳っているような効果を裏付ける合理的な根拠が認められなかったため、再発防止を求める措置命令が出されました。
中でも、トレーニングジム経営も行っている人気タレント・ヒロミさんを、広告に起用していた『イッティ』の加圧シャツ「パンプマッスルビルダーTシャツ」が注目を集めており、ネット上ではヒロミさんに対して批判の声が噴出する事態となっています。
「パンプマッスルビルダーTシャツ」を紹介している『イッティ』のネットサイト『一番星公式ショップ』では遅くとも昨年5月~8月にかけて、「トレーニングジムオーナーのヒロミが開発!着るだけで劇的変化!!」
などと表示していました。
「ヒロミプロデュース商品の実力はお墨付き!!」
「シリーズ累計75万枚突破!!ヒロミプロデュース!着るだけで魅せるカラダに」
<↓の画像が、昨年まで公式サイトに掲載されていた広告の写真>
そして、この商品の広告に問題があると報じられるとネット上では、商品を開発したヒロミさんにも批判の声が上がる事態になっており、ニュースサイト『ねとらぼ』は、ヒロミさんがどこまで商品に関与していたのかを探るために、ヒロミさんが代表を務める所属事務所『株式会社ビィー・カンパニー』と商品の販売会社『イッティ』に取材を行っています。
『ねとらぼ』編集部は事務所に対して、「ヒロミさんは実際の商品開発にどこまで関わっていましたか」「問題とされている広告の表示内容について、ヒロミさんはどこまで把握していましたか」などの質問を送付したところ、「商品販売元 株式会社イッティより回答をさせていただきます」という返答があり、『イッティ』の方から回答があったとしています。
『イッティ』から送られてきた回答では、「『パンプマッスルビルダーTシャツ』の商品は、弊社(株式会社イッティ)が主導してヒロミさんと商品を開発を行い、販売を行いました。『パンプマッスルビルダーTシャツ』は、着用することで、その加圧効果により、外見上、体が引き締まって見えるようになるとともに、姿勢が改善されるというものです。」
と説明しています。
その上で、昨年5月~8月にかけて『イッティ』の公式サイトでは、「あたかも、当該商品を着用するだけで、容易に著しい痩身効果及び著しい筋肉の増強効果が得られるかのように誤認を与えてしまうものでした。」
と、誇大広告表示をしていたことを認めています。
「結果として、弊社の意図とは異なる表示となってしまい、景品表示法に違反するものでした。」
それらの広告表現については、「全て弊社(株式会社イッティ)の責任で行ったものであり、ヒロミさんは広告表示において無関係になります。」
としています。
また、今回の消費者庁が出した措置命令は、あくまでもサイト上の謳い文句が問題視されただけで、「パンプマッスルビルダーTシャツ」の商品自体には何ら問題は無いと『イッティ』の瀧本洋社長は説明しています。
<↓の画像は、「パンプマッスルビルダーTシャツ」公式サイト掲載の謝罪コメント全文の写真>
これに対してネット上では、
- ジム経営してるんだからズブの素人でしたじゃ通らないぞ
- 広告含めて確認しなかったかのか?これだけ市場に出回ってるのに、知りませんでしたじゃ済まないでしょ。ヒロミに責任ないなんて言えないよ
- 『ヒロミプロデュース』を信用して購入した人もいるはず。(私も購入を検討しました)
きちんと公の場で説明をする責任があると思う。ヒロミにマージンが入っているのなら。 - ヒロミさんが開発に関わり、開発時と趣旨が違うなら事務所から抗議すべきだっただろ。今になってヒロミに責任がないなんて言えるはずがない。一般企業ならまかり通らない。
- 商品名に“ヒロミプロデュース”と冠にしている以上、責任を問われるのは仕方ないと思う。
今後この問題が大きくなったら、ヒロミ本人にマスコミが質問する様になるでしょうが、お茶を濁さずにきちんと説明をしてほしいです。 - これを気に、芸能界引退でもよいと思う。坂上忍もそうだけど、必ずどこかの番組では見かけるが、特に面白いわけもなく、テレビ局はどうして出演オファーしているのかわからないくらいだ。
- ヒロミが会社に対して何も抗議しなかったことは大きな責任だ。TVで知名度のある人間は、当然契約するCM等にも責任を持たなければならない。
ましてや、開発に加わっているのであれば尚更。金になるから…だけじゃ済まされない事を認識しないとダメだ。 - ヒロミが加圧トレーニングを世間に広めたならば、着るだけでは効果が出ない事は理解していたはず。
消費者庁が動く前に、広告費返してSNSで事実を流すとか対策を取らなかったのはヒロミ側の責任。
今の状況では詐欺団の一員と思われても仕方ない
などと現在もヒロミさんに対しては批判の声が寄せられており、消費者に対して謝罪や説明を行う必要があるのではないかという声もあります。
一方で、『イッティ』の説明によれば、広告に書かれていた通りヒロミさんが商品の開発に携わっているものの、消費者庁が指摘した誇大広告に対しては『イッティ』側が勝手に表示したもので、ヒロミさんはノータッチとのことから、トラブルに巻き込まれたヒロミさんも被害者だという見方もあります。
ヒロミさんは一度芸能界を離れた後、加圧トレーニングジムを設立して成功を収め、年収3億円にもなると過去に明かしていたことがあり、現在も加圧トレーニングジム『kaatustudio51,5』などの経営を続けているほか、タレント復帰後も大活躍し、現在約10本のレギュラー番組を持ち、非常に大きな影響力を持っています。
そんなヒロミさんが加圧シャツ「パンプマッスルビルダーTシャツ」の開発を行い、商品のサイト上に記されていた謳い文句を一切チェックしていなかったとは思えないため、誇大広告だと知りながらスルーしていたのではないかと疑われても仕方がないですし、今回の問題には全く関係が無いとは言い切れないのではと思います。
しかし、ヒロミさんの事務所側はこの件に対してコメントを出さず、『イッティ』側の回答に委ねる形を取っているため、ヒロミさんが今後この件について言及する可能性は低そうですが、ヒロミさんの名前があったからこそ購入したという消費者も多くいると予想されるため、謝罪のコメントを出す必要があるのではないでしょうかね。