『ナスD大冒険TV』という冠番組を持ち、演者としても活躍していた“ナスD”ことテレビ朝日のエグゼクティブディレクター・友寄隆英（ともより・たかひで 50歳）が19日付で、500万円超えの経費不正受領と複数のスタッフに対するパワハラ問題で「降格」処分を下され、番組も即打ち切り終了となったことで物議を醸しています。
ナスDの問題行為を巡って様々な情報が飛び交う中で、処分が下された経緯、裏側などを『集英社オンライン』が報じています。
テレビ朝日は19日に公式サイトで、ナスDの実名を伏せて社員の懲戒処分を発表し、「コンテンツ編成局第2制作部エグゼクティブディレクター(50才)」が2019年から今年1月にかけて、個人的な会食などを経費として会社に請求し、不正受領していた金額は総額約517万円だったといいます。
経費の使用を調査している過程で、複数のスタッフに対するパワハラも判明したとし、外部の編集室などで人格を否定するような発言を繰り返していたそうで、これらはコンプライアンス違反にあたるとして、19日付で降格処分を下し、『ナスD大冒険TV』も打ち切り終了を決定したとしています。
この発表を受けて集英社オンラインは、テレビ朝日の制作関係者や元関係者に取材を行い、ナスDの問題行為について聞いたところ、「正直『なにをいまさら？』な処分です」と語り、以前から局内ではナスDの言動が問題視されていたそうです。
テレビ朝日の制作関係者はナスDについて、「彼は上下関係なく自分の意にそぐわないことには当たりが強かった」「若い頃から社内で一目は置かれていて番組作りにおいては優秀でしたが、気難しいタイプとみられていました。番組制作へのこだわりから、ぼーっとしてる人には『ふざけるなよ！』と声を荒らげるような場面もあった。外部社員には特にあたりが強く、人格を否定するような発言もあり、今の時代は完全にアウト」
と証言しています。
パワハラ以上に酷いと問題視されていたのが仕事の拘束時間だったといい、「彼が指揮する制作チームはとくに前時代的で、とにかく拘束時間が長くて酷かった。それに音を上げる人は多かった。パワハラも経費も自分のチームのなかから“刺された”（告発された）という噂がある」
と、制作会社のディレクターが明かしています。
また、ナスDの経費不正使用問題が5年以上も発覚しなかった背景として、ナスDの先輩だった元テレビ朝日社員は、ナスDが“テレビ朝日の天皇”の異名を取る早河洋会長のお気に入りだったことを挙げ、「テレ朝は、早河洋代表取締役会長の”独裁”といっていい状態で、会長に気に入られることにより出世コースに乗れるともっぱらでした。会長自身も1985年に『ニュースステーション』を開始させて成功を収め、社長にまでのぼりつめたので敏腕ですが、好き嫌いがはっきりしているんです。社内では友寄君は会長のお気に入りだということは有名で、そのせいで友寄君の上司ですら彼にものを言えない状態だった。だから友寄君も調子にのっていると言われていたし、社内に敵も多かった印象です」
と語っています。
＜↓の画像は、テレビ朝日の早河洋会長の写真＞
ナスDの育ての親的な先輩ディレクターも、周囲から恐れられるほどのパワハラ気質だったといい、自身も厳しい環境で育ったことによって、部下たちに厳しく当たるのは当然と思っていた節があるといいます。
経費の不正使用問題に関しても、先輩社員から受け継いだ悪しき慣習の可能性があるといい、特に海外ロケは領収書の金額を誤魔化しやすく、それを悪用して実際に掛かった費用よりも多くの経費を会社に請求し、不正に受け取る社員もいたようです。
ナスDの場合は、経費の不正受領に加えて複数のスタッフに対するパワハラまで判明し、中居正広さんの女性トラブルへの関与疑惑を巡り、猛バッシングを浴びているフジテレビの元編成幹部・A氏と同様に「人事局付」に異動になったとも報じられているのですが、元テレビ朝日社員は「処分されても、早河会長の判断次第ではしれっと戻ってくるのでは…」と語っています。
その理由については、「女性アナウンサーにセクハラ行為をしたKプロデューサーは謹慎後に懲戒処分となりましたが、最近はしれっと編成室に出入りしていまして、この前もフツーに報道フロアにいたそうです。友寄君がうまく早河会長にすり寄りさえすれば、すぐさま元の立場に戻れると思いますよ。」
と説明しています。
この報道を受けてネット上では、
- 結局ここもフジと一緒。コンプラを理解していない。
- 横領なら普通の会社なら懲戒解雇だが、テレビ局は普通じゃないからな。フジも、朝日も
- 面白ければ何をやってもいい時代はもう終わったんだよ パワハラ当たり前の業界なんて害悪でしかない
- フジテレビの一件以来、各局が自主的に調査をする中で、先日のTBSラジオの生島氏に続き、今度はナスDが矢面に立った。
こういうのは氷山の一角、トカゲの尻尾切りのように終わらせてはいけない。
こういう局関係者と芸能人との交際において、不正な事、不正な金の動きがあったかどうかも調べなければならない。 - テレビ局の会長とか上層部ってどこも腐りきってるな お気に入りだからって、こんな甘い処分なんてあり得ない
普通の企業なら、パワハラだけで降格だよ 500万使い込み？もうクビだよ普通は テレビ局はどこも腐りきってる - 今年の1～2月、フジテレビ問題を各局が取り上げていたけど、その内沈静化というか、殆ど取り上げなくなった。
まぁ各局とも脛に傷を持つ身というか、多かれ少なかれ似た様な事はやっていたんだろう。 - お気に入りでしれっと戻れるなら、その程度の意識レベルなのだろう。現在、フジが叩かれているが、テレ朝も似た者どうし。きっと、ほかの問題が沸き起こるだろうな。ウヤムヤにせず、きちんと対策すべきだろ
などの声が上がっています。
ナスDは仕事への熱量が尋常ではなく、自身が手掛けていた各番組ではタレント以上に体も張っていて、ディレクター・プロデューサーとしては高い評価を受け、そして、現場で一緒になったことがある下っ端のADからは「優しいし、仕事も教えてくれる人」「（見た目と違って）常識人」との声や、面倒見が良かったとの報道もあります。
そのため、部下全員にキツく当たっていたわけではないのだろうと思いますが、いずれにせよ今回の調査で複数のスタッフに対するパワハラ行為が発覚、そして5年の間に500万円以上も不正に得ていたとのことから、このまますんなりと元のポジションに戻った場合、また新たなトラブルが発生することなどが懸念されますし、普通であればありえない話ですね。
ただ、フジテレビと同じくテレビ朝日もトップが絶大な力を持っており、フジテレビもフジサンケイグループの代表である日枝久取・締役相談役が絶大な権力を持ち、自分のお気に入りや都合の良い人物をフジテレビの代表に就かせる形にしていたとも報じられていますが、テレビ朝日も早河洋会長が天皇と呼ばれるほどの力を持っているだけに、ナスDを寵愛していたというのが事実ならば現場復帰は十分考えられます。
しかし、もしそうなれば『週刊文春』などによってテレビ朝日が抱えている他の新たな問題などを報じられ、フジテレビの二の舞いとなることも予想されますが、果たして今後どうなるでしょうかね。