複数のレギュラー番組を持つ人気芸人のチュートリアル・徳井義実さん(とくい・よしみ 44歳)が23日深夜、個人事務所の“脱税”問題に対する謝罪会見を大阪市内の吉本興業本社で行いました。
チュートリアル徳井義実さんは2009年に個人事務所『株式会社チューリップ』(東京都世田谷区)を設立し、吉本興業などからのギャラは個人事務所を通して役員報酬を受け取る形にして節税(個人事業主の場合、所属税の最大は45%。法人税の場合は23.2%)をしていました。
その中で、2012年~2015年の間に個人的な旅行や洋服代などを経費として計上、さらに2016年~2018年3月期までの3年にわたって決算、確定申告を行っておらず、合計約1億2000万円の所得隠し、申告漏れによって、重加算税等を含めた追徴税として約3700万円を昨年末に支払い、修正申告を行ったと会見で説明しました。
<↓の画像が、謝罪会見を行ったチュートリアル徳井義実さんの写真>
チュートリアル徳井義実さんは個人事務所に経理などは置かず、自身で領収書などをまとめて税理士に渡していたほか、税理士からも確定申告の時期には連絡を受けていたそうなのですが、自身のルーズな性格、怠慢によって申告を先延ばしにし、それが3年にわたって続いたと説明しています。
それほど忙しかったのかとの問いに対してチュートリアル徳井義実さんは、「別に寝る暇もない、ご飯たべに行く暇もないというわけではない。納税の作業の時間を作ろうと思えばありましたので、忙しいという理由ではない」
などと語っており、意図的に所得隠しを行っていたのではと疑われていますが、本人は「ごまかそうとする気持ちはなかった。全くなかった。」などと語っています。
納税問題に詳しい高橋創税理士は週刊誌『フライデー』などの取材に対し、チュートリアル徳井義実さんの今回の問題について、「今回の報道では、重加算税を含めて追徴課税されたと報じられているように、国税局としては今回の所得隠しが悪質だと判断として重加算税にしたのでしょう。つまり、徳井さんが意図的に経費でないものを経費に見せかけるよう『仮装』したり、意志を持って売り上げを隠す『隠蔽』を行ったからこそ、重加算税になったのです。」
と指摘しています。
また、「経費として計上した衣装代や交際費などが、国税局から認められない場合であれば、過少申告加算税ということになります。これは申告者と国税局との見解の相違ということで、ままあること。誤って申告したということで、意図して所得隠しを行う重加算税とは全く違いますね」とし、「重加算税は税金で一番重い罰金で、追徴税額の3~4割。悪質でなければ5~10%程度の過少申告加算税などになる」と説明しています。
チュートリアル徳井義実さんが脱税事件として逮捕されなかった理由については追徴税額を挙げ、「1億円を超えたら逮捕という目安がある」とも語っています。
このようにチュートリアル徳井義実さんは、悪質な行為をしていたと東京国税局から判断されたと専門家たちは見ており、今後の芸能活動への影響は避けられないと予想されています。
チュートリアル徳井義実さん自身も会見で、今後の仕事はどうするのかと問われた際に、「僕はこの仕事しかしてませんので、できればお仕事を続けさせてもらえたらいいなあと思いますが、僕の仕事は劇場へ見に来てくれるお客さん、テレビやラジオで見聞きしてくれるお客さんがいないとできない仕事なので、その方々が『徳井が出ていると気分が悪い、お前はもう仕事をしなくていい』という判断をされたなら、仕事ができなくなっても致し方ないと思っています。お客様もそうですし、テレビ局やスポンサーの方とか、その人たちにも必要ないと言われれば致し方ないと思います」
と、番組からの降板や芸能界引退となっても仕方がないことだと語っています。
『フライデー』の記事でも芸能リポーターが、2012年に約7500万円の申告漏れを指摘されたタレント・板東英二さん等を例に挙げ、「ただちに修正申告したものの、『世界・ふしぎ発見!』(TBS系)をはじめとするレギュラー番組から、降板するハメになった。また、税金ではありませんが、‘04年に年金未納問題が発覚した元女優の江角マキコは、CM降板などを余儀なくされた。徳井は重加算税を課されたことからも悪質性が認められており、コンプライアンスが厳しいテレビでは今後、敬遠するところも出てくるでしょうね」
と推測しています。
これらの報道やチュートリアル徳井義実さんの謝罪会見内容に対してネット上では、
- 事の重大さを本人も日テレもわかってない。全番組降板でテレビからも劇場からも消すべき
- 何とも納得できない釈明会見。「バレたら払う」で済む話ではない。自ら潔く活動を自粛するべき。もう笑えない。
- 自分の事をだらしないとかルーズとか言っている割には、個人事務所設立したり、経費にならない領収書集めたり、ちゃっかりしてる。完全に脱税目的の確信犯です
- 税金はまずいでしょ。視聴者も納税者だし、芸能人ほどみんな稼げてないけど、それでも大体の人はしっかり払ってるわけだから。嫌悪感はかなりあると思う。
そんな人の冗談は笑えないよ。払う意思が無かったとは断定できないけど、芸能人としては致命的なのかもしれない。 - 追徴課税が3000万円超えるなんて、ルーズとかそんなレベルの問題ではない。
本当に自分が“ルーズ”だと自覚してたんなら、どうして経理スタッフを雇わなかったの??何年も無申告で今後どうするつもりだったの??
好きな芸人さんの一人だったから、ホンマにがっかりした。もし仕事を失って引退となっても徳井くんの自業自得、でもそうなったら相方の福ちゃんが気の毒でならない。 - 脱税も大変な問題だけど、輪をかけていけないのは、これだけの事なのにだらしないとかルーズとか『意図的ではない』とするトコでしょ。そこが嘘なら即引退です。
- 申告していないのをわかってて放置してたのですから、修正申告したからと言ってこれで済む話ではないです。
会見も何かグダグダで、後で吉本から金額の訂正もあったりして、これじゃダメでしょう。
この状況で出演を認めるなら相当クレームあるでしょうね。特に受信料で運営しているNHKは厳しく対応しないといけないと思います。
などと厳しい声が上がっています。
フジテレビ系の報道メディア『FNN』の独自報道によると、チュートリアル徳井義実さんは2015年までの所得も東京国税局から無申告を指摘されてから納税をしていたといい、無申告は“初犯”ではなかったとのことです。
<↓の画像が、FNN報道の写真>
チュートリアル徳井義実さんは現在、NHKも含めて各テレビ局に複数のレギュラー番組を持っている人気芸人で、全ての番組を降板や出演自粛となった場合には、関係各所に大きな影響を及ぼすのは間違いないため、本人や吉本興業側はどうにか活動を続けていきたいという気持ちが強いかと思います。
しかし、所得隠し、申告漏れとして指摘された合計額が約1億2000万円と非常に大きく、単に性格的な問題だけでなく、意図的に申告をしていなかったことも疑われても仕方がない行為をしていたので、芸能界引退は大げさとは思うものの、ある程度の期間、活動自粛などしないと今後さらに批判の声が大きくなるとみられます。
また、各テレビ局やスポンサーにも直接クレームが殺到する恐れもあるので、一定期間の芸能活動休止が妥当な気がします。
所属先の吉本興業は、一連の闇営業騒動などでも著しくイメージが悪化しているので、世間が少しでも納得するように厳し目の対応を取った方がいいのではないでしょうかね。