お笑いコンビ『スリムクラブ』の2人が闇営業で参加した暴力団幹部の誕生日パーティーで、仲介役を担っていたのが歌手・松山千春さん等のモノマネをしている芸人・バンドー太郎さん(48)だったことが判明し、今回の騒動を受けてスポーツ紙の取材を受けており、その内容がネット上では物議を醸しています。
まず、28日発売の『FRIDAY』にれば、スリムクラブの真栄田賢さんと内間政成さんは2016年8月に、『山口組』『住吉会』に次ぐ勢力を誇る指定暴力団『稲川会』(構成員数:2200、本部:東京・六本木)の大幹部で、稲川会の最有力団体の本部長(ナンバー3)の誕生日パーティーに参加しており、S氏は稲川会の6代目・内堀和也会長の側近中の側近という40代半ばの人物で、10代後半から稲川会に所属するバリバリのヤクザとのことです。
S氏は一番のウリが経済力で、神奈川県川崎市の繁華街を縄張りとしていて、様々なビジネスで儲けているようだと暴力団関係者は証言しています。
<↓の画像は、『フライデー』掲載のS氏の誕生日パーティーで撮影された写真>
(内間政成さんの正面右隣に座るのが稲川会大幹部S氏)
この『フライデー』掲載の写真には写っていませんが、2014年に行われた大規模振り込め詐欺グループの闇営業に参加したとして、すでに謹慎処分が下されている『2700』の2人もこの闇営業に参加しており、無期限謹慎処分が下されています。
そんなS氏の誕生日パーティーになぜ、スリムクラブと2700は闇営業で参加することになったのか、事情をよく知るというS氏の知人女性は、「(フライデーが入手した)この写真が撮られたのは2016年8月ごろです。場所は川崎市内にある韓国クラブ。ここはSさんが身内の女にオーナーをやらせている店です。この店を貸し切りにして、Sさんが可愛がっている地元のキャバクラ社長等が、Sさんの誕生日パーティーを開いたんです。」
と経緯を説明しています。
そして、その誕生日パーティーにはキャバクラの社長、ガールズバーのオーナーなど20人以上が集まり、その中には稲川会の構成員はいなかったと聞いているものの、暴力団のフロント企業の従業員など、グレーな人物は大勢いたとのことです。
<↓の画像は、首に千円札を巻くスリムクラブ内間政成さん、ネタを披露しているスリムクラブの写真>
この誕生日パーティーを盛り上げるためのスペシャルゲストとして、スリムクラブと2700が呼ばれたそうなのですが、この知人女性は誰が2人を呼んだのかについて、「恐らくパーティーを開いたキャバクラ社長が呼んだんだと思います。」といい、スリムクラブはS氏が稲川会の大幹部だと知っていたのかについては、「Sさんは本物の稲川会の幹部ですからね。ヤクザであることを隠していないどころか、ヤクザという肩書で稼いでいる。だから、スリムクラブに声を掛けた人も、ちゃんと事前に伝えていたと思いますよ。そうしないと、もし粗相があったら大変なことになるじゃないですか。まあ少なくとも、当日には稲川会の大幹部であることは間違いなく分かっていたはず。」
と証言しています。
こうした記事をフライデーに報じられることを知った吉本興業は27日にコメントを発表し、約3年前に知人の他事務所の芸人を通じて、「飲食店オーナーの誕生日パーティーへの演芸提供を直接依頼されて参加したところ、その対価として一定の金銭を受領しておりました」
とし、これを受けてスリムクラブと2700に無期限謹慎処分を下したとことを発表。
しかし、事務所の聴取に対してスリムクラブ等は「反社会勢力とは知らなかった」と説明していました。
この報道を受けてスポーツ紙は問題の闇営業を仲介した芸人を特定し、その芸人は和田アキ子さん、美川憲一さん、爆風スランプ・サンプラザ中野くんらのモノマネを持ちネタとし、松山千春さん本人に公認をもらい、鈴木宗男・元衆議院議員の講演会で前座を務めたこともあるバンドー太郎さんであることが明らかにされました。
<↓の画像が、闇営業を仲介した芸人・バンドー太郎さんの写真>
そして、バンドー太郎さんは『スポーツニッポン』と『日刊スポーツ』の取材に応じ、「正直に言いますが、仕事の斡旋(あっせん)をしています。ただ、紹介はしたけれど、パーティーが暴力団関係者とは知らなかった。報道を見て初めて知りました」「分かっていたら、テレビで活躍されている有名な方に声をかけません」
と告白しています。
S氏の誕生日パーティーについては、「過去に2、3回、仕事を世話していただいた建築会社の社長さんからの紹介です。『実の兄貴の誕生会があるので出てほしい。何人か有名な人がいれば、連れてきて欲しい』と頼まれました」
と経緯を説明した上で、今回の騒動は「もらい事故のようなもの」だと自身も被害者であることを強調しています。
バンドー太郎さんはフリーで活動しているため、このように自由な活動が出来ているようで、スリムクラブとは数年前に営業先の京都で顔を合わせ、その際に「仕事が少ないので何かあったら声を掛けてください」と頼まれたといい、「闇(営業)大丈夫なの?」と聞くと、問題は無いという意思表示があったそうです。
2700の「ツネ」こと常道裕史さんとは、スリムクラブより以前から面識があり、食事の席で一緒になった際に「仕事があったらください」と頼まれていたことで声を掛けたといいます。
S氏の誕生日パーティー当日を振り返り、「社長に“兄です。お店を何店舗か持っているオーナーです”と紹介された。そういう風貌でもないし(暴力団幹部とは)知らなかった」
と繰り返し、建築会社の社長とはS氏の誕生日パーティー以前に、一般人のイベントで仕事をした際に知り合ったとのことです。
こうしてバンドー太郎さんは、以前から仕事が欲しいと頼まれていたスリムクラブと2700に声を掛け、問題の闇営業では建設会社社長からギャラとして30万円を受け取り、3組で10万円ずつを分けたといい、それ以外にもチップを受け取っていたそうなのですが、「いわゆる“取っ払い”で、税金などは払っていないと思います。スリムクラブさんたちも、相手が暴力団関係者と気づいていなかったと思う。申し訳ないことをしました。まさか、こんなことになるとは」
と困惑しています。
そして、「僕は反社会的勢力とのつながりはありません。」と改めて強調し、「例えば10回営業があって、お客さん100人のうちに1人でも(反社会的勢力が)いたら、このような問題になってしまうのか。僕だって車で走っていて後ろからぶつけられた感じ。もらい事故のようなものです」「ここまで悪く言われて、家族にも心配されている」
と語っています。
スポニチによれば、S氏の誕生日パーティーではバンドー太郎さんが司会を務め、2部制で行われたそうで、1部の演芸コーナーでスリムクラブと2700はそれぞれ10本程度のネタを披露し、ネタ披露の前後に宴席を共にしたとみられるとのことです。
1部の演芸コーナーは1時間ほどで終了し、3組はギャラを受け取って会場を後にしたとのことですが、バンドー太郎さんはパーティーに参加していた人物について、「ガッチリしたスーツを着ている人や、羽織はかま姿の人がいたわけでもない。皆さん、普通の格好で普通に座っていた」
とも語っています。
このようにバンドー太郎さんは説明しているのですが、暴力団幹部の誕生日パーティーで闇営業していたのは事実です。
また、吉本興業の芸人11人が2014年にも大規模振り込め詐欺グループのパーティーに闇営業で参加、ギャラを受け取っていたことが判明しており、これによって今後テレビ局は、吉本芸人の番組起用を自粛する可能性があると『東京スポーツ』(東スポ)は報じています。
記事ではテレビ局関係者が、「ハッキリ言って、吉本の芸人はもう怖くて使えない。いつ反社との写真が流出するか分からないから。身辺調査をしたとしても、ウソをつかれたら終わりだから。となれば『もう使わない』となる。それはよその局も同じ」
と語っています。
その結果、早くも『アメトーーク!』に打ち切り説が浮上しており、27日放送回ではほぼ全ての企業がCM出稿を停止したため、CM差し替えの時などに流れる『ACジャパン』(旧・公共広告機構)のCMが6本放送されました。
『スポーツ報知』によれば、通常番組スポンサーは4月~、10月~の半年単位でCM枠を購入するそうで、今後スポンサーの判断でCM放送が再開となる可能性はあるものの、10月からのCM枠セールス結果次第では、番組がCM枠の単価が安い深夜枠に移動する可能性や、番組打ち切りとなることも考えられるとのことです。
テレビ朝日関係者は『アメトーーク!』の今後について、「宮迫の謹慎期間が決まっていない以上、結論は簡単にはでない」と語っているのですが、すでに番組の恒例人気企画「高校野球大大大好き芸人」の放送が中止したと東スポは報じています。
<↓の画像は、『アメトーーク! 高校野球大大大好き芸人』回の写真>
その理由についてテレビ局関係者は、「コンプライアンス上、不適切という上層部の判断が下りました。反社会的勢力は振り込め詐欺だけでなく、甲子園の試合を対象にした野球賭博も大きな資金源にしているとも言われている。疑惑が持ち上がった以上、『アメトーーク!』で高校野球関連の企画は今後、絶対にできません。連想させてしまいますから」
と語っています。
この他の報道では、今後番組ではスポーツ関連のネタ全般、さらにアニメや漫画などのネタも番組で扱うことでイメージを悪化させる恐れがあるため、取り扱うのが難しくなるのではないかと推測されています。
現時点では番組継続を望む声が多く上がっていますが、民放局の番組はスポンサーによって成り立っていることから、闇営業問題で謹慎処分を受けた雨上がり決死隊の宮迫博之さんが司会を務め、吉本興業の芸人が出演することが多い『アメトーーク!』などはスポンサーが付きにくくなりそうですね。
こうした事態を受けて吉本興業は、コンプライアンスの再徹底を図っていくと表明しているのですが、所属芸人たちが事務所を通さない直営業、闇営業をする背景には、芸人のギャラ取り分が他事務所と比較して異常に少ないこと、所属芸人約6000人に対してマネージャーが少なく管理できていないことが非常に大きな原因となっており、根本的な部分を改善しない限り、闇営業などで暴力団など反社会的勢力と繋がりを持ってしまう可能性は出てきます。
吉本興業は現在、事務所の根幹を揺るがす大きなピンチを迎えており、今後も吉本芸人たちが芸能界で幅広く活躍を続けるためには、大改革を敢行する必要がありそうですが、相次ぐ闇営業問題を受けて今後具体的にどういった対応をしていくのか、それに対するテレビ局の反応など、引き続き関係各所の動向を見守っていきたいですね。