タレント・料理研究家のグッチ裕三さん(本名=高田裕三 65歳)が24日、東京都内で行われた出演番組の取材会に出席し、6月末に週刊誌『週刊新潮』によって報じられたステマ行為について、「基本的に名前を出さずに勝負したかった。そうしたら思いの外うまくいって。私の認識不足でした」と謝罪しました。
6月29日発売の『週刊新潮』が報じた記事によると、グッチ裕三さんは様々な番組で東京・浅草にあるメンチカツ店「浅草メンチ」(東京都台東区浅草2-3-3)を紹介し、1個200円のメンチカツを絶賛していたものの、この店が自分も関わっている店だと明かしていなかったといいます。
<↓の画像が、「浅草メンチ」のメンチカツの写真>
2016年2月放送の『はやドキ!』(TBS系)に出演した際には、浅草の新名物として「浅草メンチ」を紹介した上で、「子どものころ、肉屋さんでメンチを売っていたからよく食べたけれど、レベルが違うな」と絶賛し、2014年5月放送の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)でも他の出演者の同店のメンチカツを勧め、開運コーナーということから「運が向いてきそうでしょ?」「勝負に勝つ! メンチカツ!」などと話していたとのことです。
<↓の画像は、『はやドキ!』でグッチ裕三さんと共演した双子芸人の★まかりな★さんのツイート>
「浅草メンチ」は7年前にオープンし、グッチ裕三さんの宣伝もあってか行列のできる人気店になったそうなのですが、『週刊新潮』が店を経営している会社『旨いぞお』について調べると、代表者はグッチ裕三さんの妻、さらにグッチ裕三さん自身も役員に名を連ねていました。
それにも関わらず、グッチ裕三さんは自分が関わっている店だとテレビで一切明かさず、メンチカツを絶賛して宣伝するという行為を行っており、これは「ステマ」(ステルスマーケティングの略)に該当します。
ステマとは、消費者に宣伝だと気づかれないように、第三者の振りをして宣伝行為することを指し、芸能人ら影響力のある方が企業側から裏で報酬をもらい、ブログやSNSなどで商品を紹介し高評価するなどの行為が有名です。
こうした行為は犯罪ではないものの、こうしたモラルに欠けた行為は以前より問題視されており、『週刊新潮』がグッチ裕三さんに取材を申込んだところ、「浅草メンチ」の販売会社の役員が代わって書面で回答を寄せたといい、「テレビ局の取材が多いのは、グッチ裕三がやらせで取材をさせているかに中傷する方がいるとのことですが、そのような事実はもちろんございません。もともと、グッチ裕三の名前を一切出さないで、店舗経営に当たってきたものであり、お店にもグッチ裕三と関わりをうかがわせるようなポスターなども一切貼付等しておりません」という内容だったと伝えていました。
そして、この報道を受けてネット上では批判の声が殺到しており、炎上状態になっていたのですが、報道後初めて取材に応じたグッチ裕三さんは、報道陣からステマ騒動について切り出されると、「やっぱりきましたね」と苦笑いし、「他にもお店をやっているけど名前を出していない。それがフェアだと思ってた」「思いのほかうまくいって…。私の認識不足です」と釈明した上で頭を下げていたのですが、これに対してネット上の反応を見てみると、
- 認識不足って何の認識不足なの?意味がわからない。確信犯でしょ?
- 『すいません、セコいことやっちゃいました』ならわかるけど、なんだ認識不足って
- 正々堂々と私のお店です!って言った方がずっとフェアでしょ。名前を出さないのが『フェアだと思って』?!どの口が言うかね(笑) 無関係を装ってステマすることの、どこがフェアなの?!
- 本当に勝負したかったらテレビで取り上げて貰わないことだよ。
- 自分の店を紹介した時点でアウト、自分の店と黙ってた事でもアウト。別の番組でグッチ裕三さんの店ですと紹介したらセーフかな。
- おまえの店をおまえの店という事を隠して、テレビで過剰に誉めたたえることが問題でしょ。ただでTVCMしてもらって、過大評価してることがおかしいと思うで
- 確信犯が言うに事欠いて『認識不足』とは笑える。政治家の『誤解を招くような発言』級の浅はかな言い訳
など、現在も多くの批判コメントが寄せられており、炎上状態が続いているのですが、『週刊新潮』の記事では悪質なステマ行為の他に、「浅草メンチ」が周辺の店に悪影響を与えていることも伝えています。
『週刊新潮』の取材を受けた伝法院通り商店街振興組合の会長によると、「浅草メンチ」は以前、閑古鳥が鳴いている状態だったものの、グッチ裕三さんのステマ行為によって行列の出来る店になり、その行列によって他の店の出入り口が塞がれたり、メンチを揚げる油の臭いによって客が減り、売り上げが激減してしまった服飾店もあるといいます。
また、メンチの食べ歩きを許していることで周囲には肉汁がこぼれ、オレンジ色だった道が黒く汚れたりしているそうで、改善を求めてこれまでに100回近く抗議に出向いたものの、全く聞く耳を持ってくれないと訴え、「商店街が2割程度負担するから行列整理の警備員を雇うようお願いするつもりです。ただ、いくら店長に伝えてみたところでオーナーは姿を現さず、未だに誰なのか分かっていないのです」と話していたとしていました。
<↓の画像は、「浅草メンチ」の外観写真>
こうした『週刊新潮』の報道を受けて、様々なメディアが「浅草メンチ」を訪れて現場の状況をレポートしているのですが、ニュースサイト『しらべぇ』によると、近隣の店舗には「この場所で食べない事 特にメンチ」という張り紙が貼られていたほか、「浅草メンチ」などが軒を連ねる伝法院通には、「路上飲食禁止」というのぼり旗も立てられていたことを伝えています。
さらに、食べ歩きを禁止している理由について、ある店の方に話を聞いたところ、「観光客が食べ歩きで汚れた手で商品をさわるので、売り物がダメになってしまうことがたびたび起きていたんです。とくにメンチカツは油で汚れるから、少し触れただけで商品にならなくなってしまいます。困ったものですよ…」と話していたとしています。
グッチ裕三さんがしていたステマ行為もかなり問題があるのですが、近隣の店舗などにも悪影響を与えているというのも重大な問題であるため、ステマ行為を謝罪するだけで終わらすのではなく、問題視されている店の前の行列や臭いなども改善していってほしいものですね。