政治家女子48党(旧・NHK党)のガーシー参議院議員(本名=東谷義和 51歳)に対して参議院懲罰委員会が、議員資格を失う「除名」の処分を科す案を全会一致で決定し、15日開催の参議院本会議で処分が正式に決まることになりました。
ガーシー議員は暴露系YouTuberとして注目を集め、NHK党の党首だった立花孝志事務局長からのオファーを受けて昨年7月の参院選に比例代表として出馬、28万7,714票を獲得して初当選を果たしたものの、国会に出席することなく滞在先のUAE・ドバイで配信活動を続けていました。
これによって2月に参院懲罰委員会は、ガーシー議員に対して「議場での陳謝」処分を決定しましたが、ガーシー議員は著名人に対する暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)、名誉毀損、威力業務妨害の容疑で刑事告訴されており、帰国後に逮捕されることなどを懸念して帰国しませんでした。
このように議場での陳謝を拒否したガーシー議員に対して、参院懲罰委員会は処分として最も重い「除名」とする案を決定し、「ガーシー議員の行為はもはや参院議員としての職責を果たす意思がないものと判断せざるを得ない。議論の余地はなく最も重い懲罰は避けられない」「職責を果たそうとしない態度は国民に対する裏切りであり、国会議員の身分を放棄するに等しい」「これ以上配慮する余地がない」
との声が委員から上がっていました。
15日に行われる参院本会議で3分の2の出席議員が賛成すれば除名処分が可決し、議員資格剥奪となり、日本維新の会に所属する参院懲罰委員会の鈴木宗男委員長は記者の取材に対して、「ガーシー議員は、民主主義の何たるかという基本をわきまえていない。」「公約で自分は国会に出ないと言って当選したんだから、出なくていいというのは個人的な見解。国会に出ないで、独りよがりの身勝手な発言をしても、民主主義では通用しない」
などと批判しています。
また、ガーシー議員からリモート対談オファーがあったものの断ったことも明かし、「その手には乗らない」「国会に1回来たらインパクトあったのにね。もう一度選挙に出たとしても、国民が受け付けないでしょう」
などと語っています。
そして、ガーシー議員の除名、議員資格剥奪がほぼ確定となったことに対してネット上では、
- さすがに除名処分はやりすぎやろ
- こんなことが許されるなら、気に入らない議員どんどん除名できるやないか 日本の民主主義はどうなってるんだ
- おめでとう歴史に名を残したね東谷君
- どんな仕事でも無断欠勤続けたら首になる
- カッコ悪い、ダサい としか言いようがない
- 投票したバカと一緒に刑務所へ入れろや
- 国内にいない奴に立候補させないようにしろ
- 比例がある限りこいつは当選し続けて同じことを繰り返す このシステムをなんとかせい
- 議席も剥奪しろよ
- NHK党も除名しろ 税金泥棒を許すな!
- 結局こいつが当選したことで時間と税金を無駄にしただけ
などの声が上がっています。
14日の参院懲罰委員会では、ガーシー議員の弁明文を政治家女子48党の浜田聡参院議員が代読し、「除名は憲法違反で、参院による人権侵害であり、民主主義の破壊だ。除名ではなく国民の選挙権によって罷免(ひめん)されるべき」「除名というペナルティを課せられるのなら、俺が30万人近くに言った公約は、160人ほどの方々の意見によって反故にされる。みちろん、私も票を入れてくれた有権者に謝罪しますが、あなた方も私に票を入れた有権者に謝罪して欲しい。それが筋だと思います。」「何の決まりもなく、当選してからごちゃごちゃ言うのは後出しじゃんけんですよ。名札を上げてすぐ直帰する議員、居眠りしている議員をオレと同じくまったく登院しない議員への懲罰を希望します」
などと主張しています。
最後に、「短い期間でしたが、どのような結果になろうとも従いますが、受け入れることは永遠にないと思っていてください」
としています。
国会議員が除名処分を受けるのは1951年以来72年ぶり、戦後3人目となるのですが、過去に除名処分を受けた議員は発言内容が懲罰対象となったもので、国会を欠席し続けたことで除名となるのは史上初となります。
ガーシー議員は28万人以上の国民から票を集めて国会議員となり、本人曰く、立花孝志元党首からは「帰国せず登院せず議員をやれる」などと言われたことで出馬したとし、立花元党首に対する不満も爆発させています。
他にも色々と言い訳を並べて自身の行動を正当化しようとしていますが、国会議員としての役目を果たしておらず、ガーシー議員の行為が認められれば政治の崩壊等にも繋がるでしょうし、当選から現在までにガーシー議員には合計で約1,800万円の歳費が支給され、これらは税金で賄われていることから早期の除名処分を求める声が多くの国民から上がっており、議員資格の剥奪は妥当です。
そして、立花孝志元党首は「除名になっても2年後(参院選に)立候補してもらう」などとも語っているのですが、今後またガーシー議員のような人物が現れる可能性が高いだけに、問題の根本的な解決のために制度改正なども行ってほしいものですね。