Jリーグ『ガンバ大阪』に所属するブラジル出身のアデミウソン選手(本名=アデミウソン・ブラガ・ビスポ・ジュニオール 26歳)が、道路交通法違反(酒気帯び運転・報告義務違反)の容疑で大阪府警の任意捜査を受けていたことが発表され、ファン等の間で物議を醸しています。
ガンバ大阪は26日に公式サイト上で、アデミウソン選手が道路交通法違反容疑で任意の捜査を受けたことを報告した上で謝罪し、事件の概要を説明しています。
アデミウソン選手は10月25日の午前8時35分ごろに、大阪府茨木市内の近畿自動車道の追い越し車線を走行中、左前側のボディが走行車線にいた車と接触しましたが、接触とは認識せずにクラブハウスへ向かったそうです。
そして、トレーニング終了後の午前11時半ごろに、大阪府警の高速道路交通警察隊から任意同行を求められ、約4時間にわたって事情聴取が行われ、同時にアルコール検査も行った結果、体内から基準値を超えるアルコールが検出されたとのことです。
この事件によってクラブは「謹慎処分(クラブハウスへの立入禁止)」を下し、警察の捜査が終了後に、改めて処分を決定するとしています。
公式サイト上でこのように事件を発表後にガンバ大阪は記者会見を行い、小野忠史社長は謝罪の言葉を述べた上で、事件の詳細を説明しました。
小野忠史社長によると、アデミウソン選手は24日の試合後に知人宅で食事し、自分の車を運転して大阪・ミナミへ行き、駐車場に車を停めて心斎橋付近のバーやクラブで朝まで飲酒、翌日の25日午前8時前に車へと戻り、クラブハウスへ向かったといいます。
その途中に高速道路で接触事故を起こすも対応せず、そのままクラブハウスへ向かい練習に参加したとしています。
クラブ側は、アデミウソン選手が飲酒後に帰宅せずに直接クラブハウスへ向かったのか、どれぐらい酒を飲んでいたのかなど、詳細に関しては「捜査の途中なので回答は差し控えたい」としています。
クラブはアデミウソン選手と話し合いの場を持ち、本人は「当て逃げという意識はなかった」などと話しているとし、小野忠史社長は今回の事件について、「(接触時の)ガツンという衝撃は認識していまして。(事故の)前日のゲームで彼は殊勲者で、想像になるが、ゲームを勝ち取って少しハイになっていたのかもしれません。」
と語っています。
松波正信・強化アカデミー部長によれば、アデミウソン選手はこれまで飲酒によるトラブルなどは起こしたことがなく、25日の練習時も特に変わった様子はなかったといい、クラブ側は選手等に対して、新型コロナウイルスの感染防止のために外食の自粛は求めていたものの、外食禁止とはしていなかったそうです。
この事件に対してJリーグの代表・村井満チェアマンは、「あり得ない、許されない行為。酒気帯びで車を運転し、接触事故を起こした。しかも高速道路という内容を拝見した。高速道路でそんな状態なら、一歩間違えれば大惨事になる可能性もあった。それも練習場に向かう状況。練習を控えるプロアスリートがそんな心構えでそんな行動をとること自体が到底信じられない。本当に残念です」
と、怒りをあらわにしています。
飲酒運転などが発覚したアデミウソン選手は、2011年にU-17ブラジル代表としてU-17ワールドカップに出場、2012年~2016年にかけてブラジルの『サンパウロFC』でプレーし、2015年に『横浜F・マリノス』、2016年にガンバ大阪に期限付き移籍し、2017年にガンバ大阪へ完全移籍しました。
Jリーグでの通算成績は154試合・42得点で、来日6年目となる今シーズンは21試合の出場でクラブトップの6得点をあげており、事件前日の『柏レイソル』戦では試合終了間際に決勝ゴールを決めていました。
そんなアデミウソン選手の飲酒運転事件に対してネット上では、
- 村井チェアマン&Jリーグ自体が甘ちゃんだからなめられてるんだよ。厳しくいくところは厳しくいかないとまだまだ出てくるよ。
- 酒気帯びで練習に向かおうという姿勢自体も問題だよな…。それだけ練習も監督、コーチ陣、他の選手も甘く見ている証拠だもんな…。
- G大阪、上昇気流に乗ってたのに、これは大いに水を差す事態だな。
しかも他クラブとはいえ大問題になって、まだ舌の根も乾かぬうちに、今度は事故まで起こして…重い処分が下されるかもなぁ… - 前例を踏まえれば契約解除かな?残念だけど、昨今の飲酒運転に対する厳罰化の流れを考えれば。
- そりゃ村井チェアマンも激怒するさ。もう公式に飲酒運転したら即解雇のルールも作るべき。そうしなければ同様のケースは増えるだけ
- 練習中明らかに酒臭かったり体のキレがなかったりしたんじゃないんかね。試合翌日なので激しい練習はしてないんだろうけど。
周りもプロなんだから選手のちょっとした異変にも気づかないとおかしい。練習後にアルコールが検知されるということは相当な量飲んでるし、夜遅くまで飲んでいたという事だよね。外国人助っ人とか抜きにしてプロアスリートとして言語道断 - 酒気帯び運転じたいも問題外だけど、酔っぱらって練習にいくってアスリートとしてナメくさってる。
それでも試合に出れると思ってるからそんな行動にでるワケで、間接的に他の選手がなめられてる。
などの声が上がっています。
Jリーグでは9月に、J2『アルビレックス新潟』に所属していたブラジル出身のファビオ選手(23)が、酒気帯び運転で摘発されていたことが発覚、その車に同乗していたスペイン出身のペドロ・マンジー選手も任意捜査の対象となっており、2選手が書類送検されたことを受けて契約解除となりました。
続いて10月20日には、『ベガルタ仙台』に所属していた道渕諒平選手(26)が週刊誌『フラッシュ』によって、交際相手の女性タレントに対するDV問題が報じられ、9月に傷害容疑で逮捕(数時間後に釈放)されていたことが表沙汰となり、この報道を受けて契約解除が発表されました。
このように9月以降、Jリーガーによる事件が頻発しているのですが、アデミウソン選手の飲酒運転事故もかなり悪質で、朝まで飲酒後に車で練習へと向かうというのは驚きですし、これまで周囲が気付いていなかっただけで、同様の行為を何度もしていたのではないかと疑いたくなります。
現時点でクラブは謹慎処分にとどめていますが、アルビレックス新潟の2選手に対する処分と同じく契約解除が妥当かと思いますし、今後また選手等がこうした不祥事を起こさないように様々な対策を講じてほしいものですね。