平均視聴率20%超えも珍しくない人気バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系 日曜19時58分)の企画に、ヤラセ疑惑が浮上していることを8日発売の週刊誌『週刊文春』が報じており、記事の一部を7日に先行公開しています。
ヤラセ疑惑が浮上しているのは、番組スタートから間もなくレギュラーに加わったピン芸人・宮川大輔さんをメインとした人気企画「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」で、番組内で“お祭り男”と呼ばれる大輔さんが世界各国の様々な祭りに参加する内容となっています。
宮川大輔さんはこの企画によって2007年3月からレギュラー出演し、「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」はだいたい月1回の頻度で放送される名物企画となっているのですが、今年5月20日にオンエアされた東南アジア・ラオスで開催の「橋祭り」について、ヤラセ疑惑があることを『週刊文春』が報じており、同誌の取材によると、ラオスには番組で紹介したような祭りは存在しないといいます。
5月20日放送の番組で紹介した「橋祭り」というのは、途中に障害物が設置されている25メートルの木の橋を渡り切り、そのタイムで優勝を決めるといったお祭りで、4月8日にラオスの首都・ビエンチャンで収録され、その模様を番組で放送しました。
<↓の画像が、『イッテQ』で紹介したラオス・橋祭りの写真>
しかし、同地に暮らす日本人の駐在員は『週刊文春』の取材に対して、「ラオスで『橋祭り』なんて聞いたことはないし、周囲のラオス人に聞いても誰も知らない。そもそもこの地域で自転車といえば、外国人観光客がレンタサイクルに乗るぐらい。この『橋祭り』は不自然な点が多すぎる」
と、『イッテQ』で放送した「橋祭り」に対して不信感をあらわにしています。
また、ラオス内の観光イベントを管轄している情報文化観光省観光部のブンラップ副部長も取材に対して、「こうした自転車競技はラオスには存在しない。今回(の「橋祭り」)は日本のテレビが自分達で作ったのではないですか」
と、このようなお祭りは地元には存在しないと断言しています。
さらに、『イッテQ』の制作サイドに取材申請を許可した情報文化観光省マスメディア局の担当者は、「日本側の働きかけで実現した」と話しており、「橋祭り」というのは番組サイドが作り上げた架空の祭りという可能性が浮上しています。
こうした証言を受けて『週刊文春』の取材班は日テレに取材を行ない、日テレ広報部は番組のヤラセ疑惑について、「橋祭りはメコン川流域などでかねてから行われている催しで、地元のテレビ局などでも取り上げられております。今回は現地からの提案を受けて参加したもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はありません」
とキッパリ否定しています。
『週刊文春』は真相を探るために、3週間にわたってラオス・ビエンチャン、タイ・バンコクで取材を行ない、橋祭りのセットを設営したタイ人のスタッフ、橋祭りに参加して「協力費」を受け取った少年たちの証言を得たほか、セットの設営を依頼した海外コーディネート会社の社長、加えて宮川大輔さんにも直撃取材を敢行し、ヤラセ疑惑の真相を追ったとしています。
<↓の画像は、企画のヤラセ疑惑で直撃取材を受けた宮川大輔さんの写真>
そして、この報道に対してネット上では、
- 実は下請けの制作会社がやってました、私たちテレビ局には知らされてませんでした。ってことで終わらせそう。
- 出川の英語のやつもひどい。現地の人間が親切に道を教えてるのにわざと面白おかしな回答をする。あれも向こうの国を馬鹿にしてる行為。もし現地の人間もグルならそれこそやらせ。
- 報道とかドキュメンタリー番組でやらせがあったなら問題だと思うけど、バラエティ番組でこれぐらいのことなら別に気にしない。
- 一本橋渡りなんてどこでも遊びでやっている様な事をイベントにしましたって感じで、なんか設営にも違和感あるし現地のイベンターに乗せられたか?
- 世界広しといえども毎回毎回そんな都合の良い祭りがあるわけないことくらいちょっと考えればわかること。
ドキュメンタリーでもないんだからヤラセでもなんでも面白ければ別に良い。 - 正直、お祭り男でやらせがあったなかったとかってあまり大事ではないかな。
バラエティなので。『こんな祭りがあるのか!参加したい!、見に行ってみたい!』なんて感覚では見てなくて、『変な祭りに宮川が一生懸命頑張ってるな。コメントおもろいなー』程度。
ただ、もしやらせをしてるとしたら、世界中に小さい祭りとかめっちゃありそうなのに、わざわざ作らなくてもとは思うが。 - 祭りそのものが無かったとしても別にかまわないというか、期待しているのは『そこ』じゃないからね。
祭りをノンフィクスとして真面目に紹介する教養番組ならダメだけど、この番組はバラエティだから。
結果として『おもしろい』か『おもしろくないか』であって、視聴者も『あの祭りを見に行きたい、参加したい』となってるわけじゃないだろ。
などのコメントが寄せられています。
宮川大輔さんのお祭り企画に関しては、世界にこんなお祭りがあるんだと紹介する部分がある一方で、大輔さんのリアクションや企画に挑戦する姿が最も重要な要素となっていることから、これがもしもヤラセだったとしても問題ないなどと、番組を擁護する声が意外に多く上がっています。
しかし、実際には存在しない祭りを番組で作り上げ、嘘の情報を伝えていたとしたら問題があるとされても仕方がなく、ましてや『イッテQ』は平均視聴率が15%以上が通常で、20%以上の数字を獲得することもある人気番組ということから、もし本当にヤラセで視聴者をだましていたとしたら、大きな問題に発展することになるでしょうね。
『週刊文春』は周辺取材を行ない、証言を得たというものの、日テレ側はヤラセは認めずに、下請けの制作会社などに責任を押し付けてウヤムヤにしそうな気がしますが、果たしてどういった展開を迎えるのか、引き続き見守っていきたいですね。