2015年と2016年の『R-1ぐらんぷり』で3位にランクインし、今年の『NHK上方漫才コンテスト』で女性ピン芸人として初めて優勝を果たすなど、今勢いに乗っている『吉本興業』所属のピン芸人・ゆりやんレトリィバァさん(本名=吉田有里 26歳)が14日、週刊誌『週刊文春』によって報じられた替え玉受験疑惑を謝罪しました。
9日発売の『週刊文春』によると、OLから芸人に転身しデビューが遅かったという先輩女性芸人・Aは、芸人としてなかなか売れなかったため、話題作りとしてCAを目指すことを思い立ち、日本初の格安航空会社(略称:LCC)『Peach Aviation(ピーチ・アヴィエーション)』のCA採用試験を受けることを決めたそうです。
しかし、筆記試験には自信が無く、ある知人から「賢い人に受けてもらったら」と助言されたことで、「英語はゆりやんがええわ」と即決していたといいます。
ゆりやんレトリィバァさんは、奈良県立高田高校を卒業後に関西大学文学部へ進学し、大学では映画研究会に入り、洋画を観るなどして英語を勉強していたことから英会話が得意で、当時はウガンダ人の留学生と2年間交際しており、2015年にはある番組の企画でアメリカ・ニューヨークに3ヶ月間住み、英語力を披露していました。
<↓の画像は、番組の企画でニューヨークに3ヶ月間滞在していたゆりやんレトリィバァさんの写真>
先輩芸人Aは2016年春と秋にCA採用試験を受け、今年1月には知人に「かしこい芸人かきあつめて試験頑張ってもらいます」とメールを送り、試験終了後には「私が受けたら0点やった」と悪びれる様子も無く自虐的に語り、今年3月に内定を得ていたとのことです。
『週刊文春』の取材に対してAは、「えっ何? 怖い怖い怖い」と言って足早に自宅の中へ入っていき、一方のゆりやんレトリィバァさんは取材に対し、神妙な面持ちで「Aさんから『ピーチに(書類を)提出するから、英語を横で見といてくれへん』と(頼まれて)一緒にやりました。ネットカフェに2人で行って、私が左、Aさんが右に座って、Aさんから『分からんけど、どう思う?』と聞かれたら、『こうですかね』という感じで、アドバイスをした記憶はあります。」と経緯を説明していました。
しかし、「あくまでレポートで、テストとは聞いていなくて、その認識はありませんでした。手伝ったのはその1回だけです。」と、替え玉受験疑惑を否定しています。
そして、この報道を受けてゆりやんレトリィバァさんは14日に報道陣の取材に応じ、「すみません、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と謝罪した上で、『週刊文春』の取材に話したように「一緒にちょっと横で見といて、と言われまして」と状況を説明し、悪意などは無かったと語っています。
また、『吉本興業』はこの件について、「(昨年春の出来事で)試験ではなく、エントリー情報の一環。他人が横にいてはいけないというただし書きもない。本来、なんの問題もない話」だといい、ゆりやんレトリィバァさんについては「本人は詳細を知らずに手伝ったとし、騒動を起こしたことを反省している」ことから、今後処分などは行わない方針と説明しています。
なお、先輩芸人Aは『週刊文春』の直撃取材後に内定を辞退したそうで、「ゆりやんを巻き込んで申し訳なかった」と話しているとのことです。
『吉本興業』は「他人が横にいてはいけないというただし書きもない。本来、なんの問題もない話」と説明しているのですが、『週刊文春』の記事では、ピーチ航空の広報担当が「第三者が試験を受けたり、手伝ったりすることは、選考の主旨から明らかに逸脱するため許可していません。不正行為が確認された場合は厳正に対処します。」と話しています。
<↓の画像は、『Peach Aviation(ピーチ・アヴィエーション)』のCAの写真>
さらに、弁護士はこの行為は刑法に触れる可能性があると語っており、刑法161条の2第1項の「人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」に当たる可能性があるとし、これは合否に関係なく、もし中身を知らずに第3者が試験を受けた場合には、故意ではないため違法性はないものの、依頼した人は間接正犯で抵触する可能性があるとしています。
そして、今回の騒動に対してネット上では、
- 本人以前に採用試験形式に問題あり
- そもそもネットの試験って何?不正やり放題なのでは?
- これ本人に自覚なかったで済ませてるけど、それで済んだら替え玉受験やり放題だと思うんだけど。ばれたら知らなかったで済ませればいいんだし
- この先輩は流行りのインテリ芸人になるべく『CA内定芸人』って肩書きが欲しかったんだろーね。ゆりあんって人は、深夜番組でNYにホームステイする姿を見た限りでは、結構純粋そうだったので上手く先輩に乗せられちゃったのかな。
- その先輩もちゃんと姿をみせて謝罪やね。誰やねん!?、聞いたことない!って言われるくらいの人なんやろうけど・・・
などのコメントが寄せられています。
ネット上で受験できるWEBテストは現在多くの大手企業が導入しており、『Peach Aviation』のCA試験は1次選考でグループ面接、その次にWEBテスト(適性検査、英語)、2次選考で再びグループ面接を行って内定という流れになるそうなので、先輩芸人Aはグループ面接だけ受けて内定をもらったということなのでしょうね。
WEBテストは自宅でも受けられることから、やはり不正を行う人はいるようで、不正を想定した上で導入している企業もあるといいます。
容易に不正が可能なWEBテストについては、ただ単に能力を検査するだけでなく、性格や適正力を見ることを目的に導入している企業も多いそうで、もしかすると『Peach Aviation』についても、WEBテストよりもグループ面接を重視していた可能性がありますね。
ゆりやんレトリィバァさんはテストだとは知らずに協力してしまい、このような大きな騒動に巻き込まれる形となってしまったわけですが、ゆりやんレトリィバァさんの行為に違法性はないようなので、気持ちを切り替えて芸人としてさらに売れるよう頑張っていってほしいと思います。