25日開催の格闘技イベント『超RIZIN』のメインカードだった、“路上の伝説”の異名を持つ総合格闘家・朝倉未来選手(30)対ボクシング元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー選手(45)の試合で、参院選にも出馬した『ごぼうの党(護防の党)』の代表で実業家・奥野卓志さん(おくの・たかし 48歳)が、試合前にメイウェザー選手に渡す花束を投げ捨てる場面があり、これに批判が殺到し炎上しています。
奥野卓志さんは、このイベントの最前列(VVIP 1列席)で観戦できるチケットを最高額の420万円で落札し、その特典で試合前にメイウェザー選手に花束を贈呈する権利を得て、リングに登場しました。
しかし、奥野卓志さんはメイウェザー選手に花束を直接手渡すことなく、目の前でリングに投げ捨てるという“暴挙”に及び、会場は一時騒然となったものの、この行為にメイウェザー選手は感情をあらわにすることなく、両手で花束を拾い上げて試合の準備に入りました。
<↓の画像が、リング上で奥野卓志さんが花束を捨て、メイウェザー選手が両手で拾い上げたシーンの写真>
そして、奥野卓志さんの行為に対してネット上では、
- 失礼過ぎる 日本の恥さらし
- プロレス的な演出としても下手で不快なだけ
- メイウェザーに花束渡さずにわざと落とした人間を心底軽蔑する
- 花束贈呈ほんまに不愉快やったわ キレずに黙って拾ったメイウェザーが紳士過ぎる
- 日本の恥もあるけど格闘技さえ侮辱してる。当事者のパフォーマンスやなく第三者が試合前にやるのは最悪な行為
などの批判が殺到し、炎上状態になっています。
奥野卓志さんの暴挙には芸能界からも非難の声が上がっており、歌手・きゃりーぱみゅぱみゅさんはツイッターを更新し、「メイウェザーVS朝倉未来、素晴らしい試合だっただけに花束落とすくだり胸糞悪かったですね。心臓がきゅーってなった最悪」
とツイートしています。
<↓の画像は、きゃりーぱみゅぱみゅさんのツイート写真>
ロックバンド『氣志團』のボーカル・綾小路翔さんもツイッター上で、「超RIZIN、全試合素晴らしかった。(ただ、花束贈呈のシーンだけは辛かったし悲しかったし怒りで震えた。あれは一体どういうキャスティングだったんだろう?メイウェザー選手、折角日本に来てくれたのにごめんなさい。)」
と綴っています。
<↓の画像が、氣志團・綾小路翔さんのツイート写真>
また、朝倉未来選手に花束を贈呈したラッパー・Zeebraさんは、「自分は未来くんに渡しました。あの方は存じ上げませんが、目を疑いました。日本人として本当に恥ずかしいです。」「あの時咄嗟に拾ってメイウェザーに渡す事の出来なかった自分が情けなくてしょうがない。もしかして?と夢を見せてくれた素晴らしい試合だったし、あの後に東京に戻りとても大切な仕事もしたけど、あの愚行が頭から離れない。最悪だよ。」
などとツイートしています。
<↓の画像が、Zeebraさんのツイート写真>
ボクシング世界3階級制覇王者の井上尚弥選手は、「エキシどうこうではなく 捨てられた花束を拾ったメイウェザーがカッコよ過ぎた…。俺なら確実に拾わん。。メイウェザーに謝罪したい気持ちになったのは俺だけじゃないはず、、」
とツイートしています。
<↓の画像は、井上尚弥選手のツイート写真>
この他にも数多くの著名人が奥野卓志さんの行動を批判しているほか、この問題を海外メディアも批判的な論調で伝えており、騒動が世界に飛び火する事態となっています。
そして、奥野卓志さんの行為に対して『RIZIN』の代表・榊原信行CEOはイベントの途中に、「本当に情けない、恥ずかしい行為を働いた人間がいます。リングの中は本当に神聖な場所だし、命を懸けて闘う選手たちに、どちらを応援する、どちらのファンだとか関係なく、礼節を持って対応するべきだとそう思っています。本当に“品性下劣な男”をこのリングに上げたことを、この場を借りてお詫びしたいと思います。すみませんでした。本当に悔しいです。残念なことに世界中の人が見ている中で日本の恥を晒すことになりました。今後こういうことがないようにします。許してください。本当にすみません」
と謝罪しました。
イベント終了後にも謝罪し、「主催者として本当に予期せぬこと」「何が目的かはわからない」「細かなところまで我々の配慮が足らず。世界へ向けた大会だったので、こういう形で表現してしまったのは日本中に謝罪しなければならない」
などと語っています。
奥野卓志さんはなぜこのような失礼極まりない行為に及んだのか、その真相を巡って様々な憶測も飛び交っていますが、奥野さんと朝倉未来選手は密接な関係にあり、朝倉選手は『ごぼうの党』の「スポーツアドバイザー」という肩書きで顧問を務め、党のPR動画にも登場するなどしています。
ちなみに、奥野卓志さんが今年6月に立ち上げた政治団体『ごぼうの党』は、「ただシンプルに笑顔と喜びを守る。文化、エンターテイメント、アスリート、食の安全を守る」との理念を掲げており、俳優の山田孝之さん、三浦翔平さん、山下智久さん、『ONE OK ROCK』のボーカル・Takaさん、GACKTさん、『雨上がり決死隊』の宮迫博之さん、『ロンドンブーツ1号2号』の田村淳さんなど、複数の著名人が支持を表明しています。
<↓の画像は、朝倉未来選手と奥野卓志さんの写真>
こうした関係が背景にあり、対戦相手のメイウェザー選手に無礼な行動を取ったのか、朝倉未来選手にも事前にこうした行為をすると伝えていたのか気になるところですが、『東京スポーツ』(東スポ)は真相を確かめるため、奥野卓志さんに取材を行ったとしています。
まず花束を投げ捨てた理由について、この行為は当日に思いついたものではなく、以前から個人的にメイウェザー選手等の言動に不満を感じていたことを明かしており、「話は2018年の大晦日にあった那須川天心とメイウェザーの試合にさかのぼる。メイウェザーは試合1時間前にバンテージを巻き直せとか銀座で買い物したり、体重計に乗らなかったり、すごいナメたことした。5キロ以上も体重差があっての試合は危険を伴う。ルールは譲歩してはいけないのに、主催者は『メイウェザー様、様』で何も言えない。試合後もプライベートジェットで朝5時に帰る前に僕の店の『一徳』(会員制サロン)に来たいと言ってきたが、断った。」
と語っています。
続けて、メイウェザー選手とは2013年に関係者を通じて知り合ったとし、「今回も何度も『一徳』に行きたいと連絡があって、『メイウェザーと写真を撮れば1枚100万円でもうかる』というが断った。花束贈呈を僕がやると分かったら、『記者会見を開いて、ごぼうの党の宣伝をしてやるから1,000万円払え』とか金の話ばかり。そんなのがスポーツ選手とかアスリートと言える?そういう売り方をしているかもしれないが、対戦相手へのリスペクトがない。ずっとメイウェザーには良い印象がなく、5億とか10億払って、将来ある日本の選手がダシに使われているような気がしていて疑問を感じていた。」「メイウェザーに対し、誰も文句を言えない以上、やり返すじゃないが、非礼には非礼、無礼には無礼でやっただけ。」
と説明しています。
また、自身の行為に批判が殺到し、大炎上状態になっていることについても予想の範疇とし、「炎上するとかしないとか人の意見は関係ない。誰にどう思われようとも自分は自分だから。」「それでもごぼうの党を知ってくれたらいいなという気持ち」「僕はこの国をなんとか守りたい気持ちでやっているだけ」
などと語っています。
東スポの取材に奥野卓志さんはこのように語り、自身の行動を正当化しようとしていますが、大きな注目を集めていたこのビッグイベントに水を差すあり得ない行動で、“日本の恥晒し”との声が上がるのも当然の愚行です。
奥野卓志さんがもしメイウェザー選手の対戦相手で、試合前の挑発的な演出でしたのであれば100歩譲って理解できなくもないですが、試合に直接関係がないにも関わらず、個人的な恨みがあったとしてリング上でこうした行為をするのは理解し難いものがありますね。