人気お笑いコンビ『かまいたち』のボケ担当・山内健司さん(42)が16日に、YouTubeチャンネル『かまいたちチャンネル』(登録者数:196万人)で2型糖尿病の治療薬「GLP-1受容体作動薬」を使ったダイエット方法を紹介したのですが、この動画がネット上で物議を醸し非公開にしました。
かまいたち山内健司さんは『【ダイエット】かまいたち山内がGLP-1ダイエットについて話します』と題した動画で、2型糖尿病の治療薬「GLP-1受容体作動薬」をお腹に注射するダイエット方法を紹介し、これによってわずか3ヶ月で体重が8キロも減ったことを明かしています。
<↓の画像は、かまいたち山内健司さんのツイート写真>
山内健司さんはこのダイエット方法について、「お腹に注射を打つダイエットなんですけど、食欲がまず抑えられる」「摂取した糖質とかが半分くらいは尿とともに排出される」「一番大事な点は、医師の診療が必要」
などと語り、山内さんはコンビで昨年から出演している『クリニックフォア』のオンライン診療を受け、薬を処方してもらったと説明しています。
動画の概要欄では「※あくまで今回の動画は山内個人の体験談・見解になります」などと記していたほか、クリニックのページを掲載するなどしてGLP-1ダイエットの宣伝をしていました。
しかし、このGLP-1ダイエットに関しては『日本医師会』の今村聡副会長が昨年に、このダイエット方法を宣伝したり、自由診療やオンライン診療によって、糖尿病治療以外の目的で処方する医療機関が増加していることを問題視し、「健康な人が医薬品を使用することはリスクがある」「医薬品の適正使用の観点から、このような行為を禁止すべき」として、厚生労働省に対して対応を求めていました。
また、一般社団法人『日本糖尿病学会』も2020年からGLP-1ダイエットについて、「美容・痩身・ダイエットなどを目的とする適応外使用に関して、2型糖尿病を有さない日本人における安全性と有効性は確認されていない」「医師とくに本学会員においては、不適切な薬物療法によって患者の健康を脅かす危険を常に念頭に置き、誤解を招きかねない不適切な広告表示を厳に戒め、国内承認状況を踏まえた薬剤の適正な処方を行っていただきたい」「不適切な薬剤使用の推奨は、糖尿病専門医に対する国民の信頼を毀損するもので、本学会として認められるものではないことを警告します」
との声明を発表しており、糖尿病治療以外の使用を強く非難しています。
そうした背景があるため、山内健司さんがGLP-1ダイエットを紹介したことを巡って物議を醸し、動画のコメント欄や山内さんのツイッターに批判的なコメントも寄せられており、18日に動画が非公開となりました。
そして、この動画を巡る問題に対してネット上では、
- 問題は山内さんみたいな有名人がカジュアルなこととして世間に広めること。担当医はYouTubeで手放しで礼賛することをとめなかったの?
- 知人の看護師もやってた。痩せなかったけど。けど、動画であげたり公共の電波にのせるのはやっちゃいかんと思う。リスクが多過ぎ。
- けっこう前にも山内が短期間に大幅減量した動画あげて、きんに君に「危ないから真似しないほうがいい」みたいな注意喚起の動画上げられてたよね。
それに対してスルーしてた気がするけど。有名人が浅知恵で間違った情報あげると危険だよね - こういう人達のせいで昨年製造元から輸入禁止になり、入手停止になった時には一般調剤薬局には全く入らなくなった
半年くらい手に入らない間代替で過ごしましたが、飲み方が難しすぎて安定した数値が出なくなりました…
医師会でこの間のような事が有る時は優先的に対象患者に回すような対応をして欲しい - 影響力のある人が、安全性を確認されていない情報を発信するのはどうかと思うけど、この動画は山内さんの撮って出しじゃなくていろんな人がチェックしてるし編集してる。山内さんだけじゃなくスタッフも反省した方が良い。
などの声が上がっています。
GLP-1受容体作動薬を巡っては、製造販売元の製薬会社『ノボ ノルディスク ファーマ』『アストラゼネカ』『サノフィ』『日本イーライリリー』の4社も、日本においては2型糖尿病に対する効能・効果が承認され製造販売が認められているもので、2型糖尿病治療以外の使用に対して「安全性・有効性は確認されていません」とし、適応外の使用は思わぬ健康被害が出る恐れがあるとして注意喚起をしています。
それにも関わらず、大きな影響力を持つ山内健司さんがYouTube等でGLP-1ダイエットを紹介し、たった3ヶ月で8キロのダイエットに成功した等と宣伝していたことから、問題視されるのは当然です。
山内健司さんは動画内で、このダイエット方法が問題視されていることには触れておらず、ネット上での指摘を受けて問題を把握して非公開にした可能性もありますが、事情説明もなくヒッソリと動画を非公開にするという対応も物議を醸しており、今後この件についてYouTubeなりツイッターなりでしっかりと説明をしてもらいたいですね。