教育・バラエティ番組『天才てれびくん』シリーズ(NHK Eテレ)の『天才てれびくんMAX』(放送期間:2003年4月~2011年4月)に、2008~2010年まで「てれび戦士」としてレギュラー出演していた伊藤元太さんが2016年8月31日、不慮の水難事故により亡くなっていた事が明らかとなりました。18歳でした。
『天てれ』内の企画としてスタートし、番組出演終了後も活動していたこともある『天てれサーカス部』の公式サイトが、伊藤さんの誕生日である5日に発表し明らかとなったもので、事故の経緯については「青梅市内の多摩川に友達3人と遊びに行き、水の流れが怖くてしばらくの間、中洲に一人でいた元太君を友達がもう帰ろうと迎えに行き、岸に戻る途中で元太君と友達一人が溺れかけ、一人は助かったのですが、残念ながら元太君は流され、帰らぬ人となってしまいました。」と説明。
また、同サイトで発表に至った経緯については、「ご両親の心の整理がつかず、これまで事故の経緯の一切を公にしておりませんでしたが、ご両親から相談があり、元太君の19歳の誕生日となる1月5日を期して、元太君とご縁のあった私達サーカス部のホームページ上でお知らせすることにしました。」としています。
18歳の若さで亡くなってしまった伊藤さんは、昨年春に早稲田大学へ入学し、芸能事務所にもスカウトされてデビュー直前だったそうです。
同サイトでは、伊藤さんの両親による手紙の内容も公開されており、「我が家は元太が亡くなった8月31日以来、時が止まってしまいました。」「元太の子ども、孫を抱きたかった。親である私達の命と元太のまだ70年以上あったはずのその命をできることなら代わってあげたかった。」「よく時が解決すると言いますが、子どもを喪った親には解決するような時は流れません。今もカレンダーは8月のままです。テレビも見なくなりました。元太が元気でいた時と同じように元太のお骨に話しかけ、食事を作っております。それでも元太は食べてはくれません。返事もありません。元太の生の声が聞きたい。明るい元気な声をもう一度聞きたい。」などと、最愛の息子を亡くしたことに対する悲痛の思いが綴られています。
伊藤さんが更新していたツイッターアカウントを見てみると、亡くなる前日の8月30日で更新がストップしており、「大学の入学式でした 春から頑張ります」というツイートと入学式で撮影した写真をトップに掲載し、最後のツイートは「車の免許取りましたー これで一歩大人になった」というものでした。
また、3月1日には「事務所はまだ未定ですが、これから芸能界に復帰したいと思うんで、応援宜しくお願いしますm(__)m」と報告していたほか、天てれ共演者達と現在でも交流を続け、一緒に遊びに出かけたことなどを度々報告していました。
そんな伊藤さんの突然の訃報に対して、共演者たちからは多くのメッセージが寄せられており、元タレントの木村遼さんはツイッター上で、「俺が初めて天てれ入って初めてできた友達が元太だったよ でもどうして、初めて失う友人がおまえじゃなきゃいけないの 大学入ったらまたお泊りしようって、また遊ぼうって、言ったのに、なんでもう会えないの お前なら泣くんじゃねーよって言うかもしれないけどそれは無理だよ」「悲しい顔するなよって言うかもしれないけど、やっぱそれは無理なことで、お前だって逆の立場だったら無理だろ?もうたぶん何十年かは会えないから、いままで言えなかったことを最後に伝えておきます。おれは元太が大好きだった。誕生日おめでとう。またね。」
元女優の松尾瑠璃さんは、「驚きすぎて言葉がでません。 代は違うけれど仲良かったのは、きっと元太くんの社交的な性格のおかげですね。お誕生日おめでとう。ご冥福をお祈りします」
伊藤さんと同じくサーカス部に所属していたタレントの鍋本帆乃香さんは、「私も最近知ったばかりなので、本当にまだ信じられないのですが…。私にとって元太は友達というより、弟みたいな存在でした。またみんなで集まれるって当たり前のように思っていたので、正直まだ混乱しています」とツイートし、ブログでも伊藤さんについて綴っています。
俳優の長江崚行さんもブログを更新し、「今までありがとう。生まれてきてくれてありがとう。出会ってくれてありがとう。仲間になってくれてありがとう。色々と言いたいことがまだ残ってるんだけど、それは会えた時に言うよ。じゃあな。またな、元太」と綴っています。
昨年末に活動終了となった『Dream5』の元メンバー・重本ことりさんもツイッターを更新し、「些細な事で泣いたり笑ったりした なんでもない日々が今では、大切な宝物 もしもひとつ願いが叶うなら、君にもう一度会いたい お誕生日おめでとう」とツイートしています。
伊藤さんは昨年8月31日に水難事故に遭い、帰らぬ人になったとのことなのですが、東京都青梅市千ケ瀬町の多摩川で発生した事故については当時TBSなどが報道していました。
当時の報道によると、友人3人と川で遊んでいた都内の男子大学生(18歳)が流され、17時半ごろに「男性が1人流されている」と110番通報があったといい、当時の現場は台風の影響で増水しており、濁流になっていたそうです。
<↓の画像は、当時の報道>
そして、事故発生から6日後の9月6日午前6時25分頃に、現場から約6キロ下流の東京都羽村市羽西の多摩川で遺体が浮いた状態で発見され、水死とみられると報道されていました。
この報道では男性の名前などは発表されていないのですが、事故の発生日時と現場が一致することから、恐らく伊藤さんのことだとみられます。
伊藤さんは昨年春から早稲田大学に入学し、芸能事務所入りもしてデビュー直前だったといい、さらには事故の前日には自動車免許も取得したことを報告しており、これから色々なことにチャレンジしていくことに胸を躍らせていたと思います。
しかし、このような不慮の事故により、18歳の若さで帰らぬ人となってしまったというのは非常に気の毒なことで、最愛の息子を亡くしたご両親の悲しみは察するに余りあります。
残されたご家族は今後も深い悲しみが続くと思いますが、少しずつ乗り越えていってほしいと思います。
伊藤元太さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。