“ドリカム”こと『DREAMS COME TRUE』のベース・中村正人さん(なかむら・まさと 63歳)が自身のブログで、2004年発売の代表曲『やさしいキスをして』に関する誤った報道に苦言を呈し、ネット上では様々な声が上がっています。
中村正人さんは自身のブログで【最近のネット記事に誤りがあるから。】と題して、『やさしいキスをして』が一部報道で「不倫系の大ヒット曲」として紹介されていることに言及しました。
『やさしいキスをして』は、2002年9月リリースの30枚目シングル『IT’S ALL ABOUT LOVE』から約1年ぶりにリリースされた楽曲で、吉田美和さん(57)が作詞、中村正人さんが作曲・編曲を手掛け、中居正広さん(49)と松雪泰子さん(49)が共演のドラマ『砂の器』(TBS系)の主題歌として書き下ろされたタイアップ曲でした。
ドラマのヒットもあって売り上げも伸び、ドリカムが2000年代にリリースした楽曲の中では最大の売り上げを記録し、同年の『NHK紅白歌合戦』にも出場しました。
そうした楽曲が一部メディアに、不倫系のヒット曲として紹介されたことに中村正人さんは憤りを隠せず、「運命に翻弄されながらも主人公 和賀英良を必死で支える この作品のオリジナルキャラクター 成瀬あさみの目線で描かれたもので不倫の歌じゃないんだなぁ。こういうのはドラマ自体も傷付けるよね。自由に詩を楽しんでもらえるのは我々の本望だけど、誤った情報が記事になって多くの人がそう思ってしまうのはほんと残念だよね。この誤り、訂正の上情報の上書き頼みます。この記事のために取材を受けた“ある音楽系ライター”さんはちゃんと調べてからの発言のほうがいいと思うんだけど。」
と訴えています。
ちなみに、中村正人さんが問題視している記事というのは恐らく、週刊誌『週刊女性』のWeb版『週刊女性PRIME』が配信の【尾崎豊は盗み、チェッカーズは傷つけ、ドリカムはキス「暴力・不倫ソング」共感から炎上の変遷】と題した記事とみられます。
記事では「不倫系の大ヒットで思い出されるのが」として、小林明子さんの『恋に落ちて-Fall in Love-』、テレサ・テンさんの『愛人』、サザン・オールスターズの『LOVE AFFAIR~秘密のデート~』、宇多田ヒカルさんと椎名林檎さんの『二時間だけのバカンス』などを挙げた上で、ドリカムの『やさしいキスをして』も不倫ソングとして紹介し、「時代が変わっても普遍のテーマではあります」と、“ある音楽系ライター”が語っています。
そして、中村正人さんがブログで不倫ソングでは無いとキッパリ否定したことを、『女性セブン』や『フライデー』などのメディアが取り上げ、さらに『やさしいキスをして』が“不倫ソング”と言われる理由についても伝えています。
吉田美和さんは、『やさしいキスをして』が発売される1年前の2003年1月にフライデーによって、9歳年下の映像ディレクター・末田健さん(すえだ・たけし)との半同棲愛がスクープされ、末田さんには妻子がおり、不倫交際として物議を醸しました。
<↓の画像は、末田健さんの写真>
なお、報道時点で末田健さんは妻と離婚協議をしていたそうで、2003年3月に離婚が成立しました。
吉田美和さんと末田健さんはその後も交際を続け、2004年5月に入籍はせずに「事実婚」を選択したことを発表しました。
吉田美和さんは当時ファンクラブサイト上で、「2週間くらい前に突然決めた」「結婚という形自体にはあんまり興味もない」と説明し、「籍を入れるわけでもないし、でも心意気は『共に白髪が生えるまで』だからさっ!」「いつかやってくる生涯最後のキスをする日まで、愛する人をもうめっちゃしあわせにしますっ!!!」
などと綴っていました。
しかし、事実婚生活は長く続かず、末田健さんは2007年9月26日に胚細胞腫瘍によって、33歳の若さで亡くなりました。
<↓の画像は、末田健さんの急死報道写真>
女性セブンやフライデーによると、吉田美和さんからのアプローチで2人は交際に発展したそうですが、吉田さんは末田さんが妻子持ちであることを知らず、報道で既婚者だと知ったといい、これに大きなショックを受け、当時メディアには“不倫略奪愛”などと報じられ、生活の拠点を一時的にアメリカ・ニューヨークやロサンゼルスに移したといいます。
そして、2003年は楽曲をリリースすることなく、事実婚を発表する約3ヶ月前に『やさしいキスをして』をリリースし大ヒットしましたが、週刊誌の不倫報道や、「報われなくても 結ばれなくても あなたは ただ一人の 運命の人」などといった歌詞から、不倫について歌ったものなのではとの憶測が広がってしまったようです。
ただ、これは誤った見解として中村正人さんはブログで不倫ソングではないと完全否定し、これに対してネット上では、
- 聞き手が好きに解釈して想像するのも自由だが、同時に作り手の思いや曲ができた背景もきちんと尊重されるべきなのも事実
- 解釈は個人の自由だけど、作者がそういうつもりで作ってないと反論する気持ちも分かる。
特に聞く人の想像にお任せの曖昧な歌ではなく、はっきりドラマの世界観に沿って作った歌だから - 皮肉にも、中村さんが反論した事で、こんな余計な事まで掘り返されるなんてね。
作った側としては、不倫ソングだなんて「わかったように」広められるのも腑に落ちなかったのかな。 - 別にそう思う人がいてもええやん。ドリカムに限らず、こんな世界観なんやろうなと聞いていた曲が、後から全然違ったと知るなんてある。曲の捉え方は人それぞれ。
- 歌とか詩の解釈って受け手次第で変わっていいのでは?一青窈さんの『ハナミズキ』もラブソングの定番になってたけど、実際は9.11を受けてニューヨーク在住の友人の無事を願って作った曲だそうです
楽しみ方は人それぞれで、作り手がそれにいちいち反論する方が冷めちゃうかも - 曲の解釈は聴く側に委ねられるし、そんなに勘違いされたくないのならブックレットで毎回解説したらいいと思う。
別に不倫を歌った曲なんて他にもあるし、それが悪いと言っている訳ではない。
中村さんは少し前のCD買ってください発言もそうだけど、なんだか最近ズレているというか、発言の仕方が上手くないと思う - この曲を不倫ソングと決めつけて記事を書いたライターが悪いんじゃないの?
取材もしてないのに、自分がそう捉えたからって「不倫ソング」とハッキリ定義して公に広めたんだから。
ドラマの主題歌でもあったんだから、そこへの影響も考えたんでしょ。 - 解釈は自由って免罪符で、作品に対して好き勝手言いっていいなんて、そんなのは受け取りてのエゴだわ。
作者が違うって言ってるものは違うし、違う解釈をメディアで報じる事の方が問題がある。
などの声が上がっており、賛否両論となっています。
中村正人さんは問題の記事を目にし、誤った解釈があたかも事実のように広まってしまうことがどうにも許せなかったようで、ブログで反論したことによって、過去の不倫略奪愛報道が蒸し返される事態になっています。
そのため、余計なことを言わずにスルーしておけば良かったのにという声のほか、楽曲をどう解釈しようが聴く側の自由との声も多く上がっています。
ただ、中村正人さんはブログで「自由に詩を楽しんでもらえるのは我々の本望」だとした上で、「誤った情報が記事になって多くの人がそう思ってしまうのはほんと残念」と綴っており、ドラマの主題歌でもある『やさしいキスをして』が不倫ソングだと、断定して報道されたことが許せなかった様子です。
ドリカムのファンによると、吉田美和さんは楽曲の解釈に関して、聴く人に任せるというスタンスだそうで、一部メディアに『やさしいキスをして』が“不倫ソング”だと報じられたものの、もしかすと吉田さん自身はあまり気にしていないのかもしれないですね。