衛星放送チャンネル『WOWOW』のドラマ『薄桜鬼(仮タイトル)』の撮影で、大規模な山林火災を発生させるトラブルがあり、WOWOWが公式サイト上で火災事件発生の経緯を説明するとともに、山火事トラブルを謝罪しました。
各報道によれば、3月21日13時5分ごろに京都府亀岡市薭田野(ひえだの)町奥条長尾東の山林で火災が発生し、東映京都撮影所(京都市左京区)のスタッフから「ドラマの撮影で、炭の火が山に燃え移った」との119番通報があり、現場に駆け付けた105人の消防署員や消防団員らによる消火活動によって、約5時間後に消し止められたとのことです。
<↓の画像が、山火事が発生した現場の写真>
地元警察によれば、ドラマ『薄桜鬼』の撮影準備で演出用の煙を発生させるために、一斗缶で炭や松の葉を燃やしていたところ、その容器が倒れて近くの雑草に燃え移り、強風に煽られて大規模な山火事に発生したといいます。
この火災で50代のスタッフ男性が消火中に右手をヤケド、さらに30代男性も体調不良を訴えて病院へ救急搬送されたものの、幸いにも軽傷だったといい、当時亀岡市内には乾燥注意報が発令されていたとのことです。
現場責任者の50代男性は『京都新聞』の取材に対して、「注意報が出ていたのに撮影を中止せず、初期消火も徹底できなかった。皆さまに申し訳ない」と謝罪しています。
そして、この火災事件を受けてWOWOWは22日に公式サイト上で謝罪コメントを発表し、「撮影場所の土地の所有者様、近隣の皆様、消火にあたっていただいた消防署、消防団の皆様、警察関係の皆様をはじめ、多くの関係者の方々に多大なるご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。」
とした上で、大規模火災が発生した経緯、原因について説明を行っています。
21日13時ごろに、撮影用の足場「イントレ」を移動したところ、スモークを出すために使用していた炭火ストーブに接触して転倒、炭火ストーブから散乱した炭が近くの枯れすすきに引火、延焼したといい、消防に通報から約15分後に消防隊らが現場に到着し、それから約4時半後の17時50分ごろに鎮火が確認されたとのことです。
この火災事件での被害状況については、「山林火災の範囲は約2.7ヘクタール」(約27000平方メートル)とし、「制作スタッフ2名が軽傷」で、煙を吸い込んで喉に違和感を訴えたスタッフは異常無しと診断されたといいます。
今後の対応については、「WOWOWが製作幹事する作品において、このような事故が生じたことを重く受け止め、体制や準備の不備を徹底的に調査し、行政機関の調査に真摯に取り組むとともに、本作品の制作は一旦中止いたします。今後二度とこのようなことがないよう、再発防止対応をいたします。」
としています。
この火災事件に対してネット上では、
- 風の強い日に火を炊くとか以ての外だね。大体こうなるかもって想像できるだろ
- ボヤ位かとおもったら意外と広範囲。一斗缶倒したスタッフは生きた心地しなかったろう。
- 謝罪、賠償金の支払いの他に被害地が元の状態に戻るまで、何年かかろうとも、植林や環境整備をする責任があるよ。
- 事前対策がお粗末。乾燥し強風の中で火事を起こすかも知れないという想像力が働かないのも残念だが、民家に延焼等、大事に至らなくて良かった。関係者は猛省して頂きたい。
- 冬の乾燥期、強風、火種、というワードが並べば、火災という言葉が頭に浮かぶのが普通だったが、そんなこともできない哀れな大人が増えた証左。
- 撮影スケジュールの関係もあるだろうから、乾燥注意報の中での撮影自体を止めるべきとまでは個人的には思わない
けど、明らかに問題なのは火を使う場合、一般人でも火を使用する規模に応じて最低限消火出来る見込みの物を用意する注意喚起はある中で、今回その危機管理がなされていない事かな。
家庭花火であればバケツに水等だろうけど、撮影であれば必要最低限として消火器は数本あって然るべきな気がするけどね。 - 初期消火である程度何とかならなかったのか?と考えると、対策も不十分だったことが予想される。
空気が乾燥して、風も強くなる冬~春先なんていちばん火災に気をつけたい時期。事故とはいえ、非難はやむを得ないだろう。
消防団に所属する身として、消火にあたった皆様のご苦労をねぎらいたい。
などのコメントが寄せられています。
火災発生時には亀岡市内に「乾燥注意報」が発令されていたとのことですが、これは空気の乾燥で災害が起こる危険性のある時に出るもので、それを把握した上でスタッフは山林で炭火ストーブを使用していたのか、火災発生を想定し消化器などは用意していなかったのかなど、気になる部分はありますね。
かなり大規模な山火事になっていることから、事件発生当時は乾燥に加えて強風など悪条件が重なったと考えられますが、足場の移動時に炭火ストーブを転倒させるといったスタッフの不注意など色々と問題があり、大ケガを負う人が出なかったのが不幸中の幸いで、同様のトラブルを発生させないようにしっかりと対応を協議してもらいたいです。
ちなみに、WOWOWはちょうど3年前の2017年3月に、当時6歳の子役・稲垣来泉ちゃん(くるみ 9歳)をドラマに起用し、深夜労働させていたことを週刊誌『週刊文春』に報じられ大きな騒動に発展しています。
WOWOWのドラマは高い評価を受けているだけに、ドラマ撮影を巡るトラブルが2度も起きてしまったのは非常に残念ですね。