8月31日にTBS系の月曜ゴールデンで放送された2時間ドラマ『SP 八剱貴志』にて、北朝鮮による拉致被害者救出を祈るシンボル「ブルーリボンバッジ」を、贈収賄の事件で逮捕される政治家役の胸に付けていたことが明らかとなり物議を醸しています。
『SP 八剱貴志』は、俳優の舘ひろしさんが主演の警視庁を舞台にしたドラマで、ブルーリボンバッジを付けていたのは俳優の寺田農さん演じた悪徳政治家であり、この人物はドラマ中、便宜を図る見返りに業者から1億円の賄賂を振り込ませたなどとして最終的に逮捕されました。
(↓の画像は、『SP 八剱貴志』のワンシーンより)
(↓の画像が、ブルーリボンの写真)
このような悪役に、拉致被害者救出を祈るシンボルのブルーリボンバッジを付け、演出に問題があるとして、1日に東京都荒川区の小坂英二区議会議員はTBSに抗議し、事実関係を確認。
(↓の画像が、小坂英二区議の写真)
小坂区議によれば、TBS編成部は「オスカーの美術・小物の担当が衣装合わせの際にブルーリボンバッジをつけることを提案、それがそのまま取り入れられた」と、TBSとは別の制作会社が企画と制作を担当したと説明。
着用理由については、「ニュース報道等で安倍総理を初めとする国会議員が着用しているのを見て、そうした政治家っぽい雰囲気を出すため」と説明し、「それ以上でも以下でもなく、ブルーリボンバッジや関連する運動に悪意など持っていない」と語ったとのことでした。
また、産経新聞の取材に対してTBS広報幹部は「(バッジは)ドラマの小道具として他意なく用いたが、配慮に欠けていた。今後は注意していきたい」とコメントし、バッジ使用の経緯やその理由については「担当者が不在のため、答えられない」とのこと。
1978年8月に拉致された増元るみ子さんの弟・照明さんは、「ブルーリボンは北朝鮮に対する圧力で、多くの人が付けることで『日本人は拉致被害者を忘れていない』という無言の意思表示だと思っている」と説明し、こうしたドラマでの使用によって被害者救出運動やブルーリボンのイメージが悪く恐れがあるとして「イメージダウンにつながるようなことはやめてほしい」とコメント。
また、拉致問題を調べている「特定失踪者問題調査会」の荒木和博代表は、「人の命がかかっている拉致問題をきちんと考えているかどうかがそういうところに出たのではないか。深刻に受け止めてもらいたい」、上智大学の碓井広義教授は「北朝鮮による拉致問題が政治的、外交的に大きな問題として取り上げられる中、単なる小道具としてバッジを扱ったのであれば、あまりに無神経な振る舞い」と指摘し、「仮にバッジを付けることで、いい人を装う悪役との設定であったとしても、実際に必死な思いで活動している人たちがいる中では小道具一つも細心の注意を払って用いるべきだ」と話しています。
これにネット上では、
- この番組は見てないが、最近の毎日系は朝日系より印象操作ひどいと感じる。CSなど有料放送なら問題無いと思うが、一方に思想が偏ってるし地上波のTVとしてふさわしくない無いと感じる。
- TBSはこういうサブリミナルを狙ったことを
- TBSの安定した反日活動。ニュース23や関口宏の発言を聞いているかぎり、悪意があったと言わざるを得ない
- こういうサブリミナル的なやりかた好きだよな。ロクなもんじゃないよね
- 議員バッジだけで充分でしょ・・・意味も分からずにブルーリボンを付けるって、そっちの方が問題だ!
などのコメントがありました。
産経新聞の取材に対してTBS広報部は「ドラマの小道具として他意なく用いた」とコメントしているとのことですが、小坂区議はTBS編成部からの返答を自身のFacebookに綴っており、ブルーリボンバッジの購入方法については、ネットで検索したところ「救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)」のHPで1000円の協力金を支払えば手に入ることを知って購入したとのことです。
そして、小坂区議は「購入の際に『救う会』のHPを見れば、どのような意味のバッジで、どんな切ない想いと怒りと決意が込められたバッジであるのか分る筈だが、それをわかっていて使うとは常軌を逸している!」と怒ったそうなのですが、「オスカー(ドラマを企画・製作したオスカープロモーション)の担当者もそうした観点は抗議を受けるまで全く感じていなかった」と話し、「今となっては申しわけなく思っている」と謝罪したとのこと。
また、1日に行われたTBSの編成部の会議にて、この抗議の顛末と誤りについて議題として取り上げ、「配慮の無さによって多くの抗議が寄せられ、多くの方に不快な思いをさせたため」ということで、TBSは再放送の権利を放棄して今後同ドラマは放送しないことを決定したそうです。
しかし、「今後のTBSの月曜劇場の時間にテレビ画面でブルーリボンの件について陳謝の意を伝えることを求める。」「TBSのホームページにこの件の顛末を記載し、陳謝の旨を明記することを求める。」ことを小坂区議が要請をしていたものの、編成部の会議でいずれも行わないことを決めたとのこと。
これに対して小坂区議は再度猛抗議をした結果、「再度、上司にはその旨をしっかりと伝え、検討の結果を再度連絡をくれる」ことになったそうです。
ブルーリボンバッジは政治家っぽい雰囲気を出すためとのことですが、議員バッジとは違い、全ての国会議員がブルーリボンバッジを付けているわけでもなく、ブルーリボンバッジの存在を知らない方が多くいると思われますので、これは言い訳のように感じられ、どのようなバッジなのか分かった上で悪役の政治家に付けているため悪意が感じられます。
HP上などでの謝罪はこれから再度検討するとのことですが、誠意ある対応を見せてほしいと思います。