14日に熊本県熊本地方で最大震度7を観測する大きな地震が発生して以降、各メディアは地震の被害の大きさを伝え、いかに悲惨な状況にあるかを知ることが出来るのですが、各テレビ局による報道があまりにも過熱している状況にあることから批判的な声も多く上がっています。
そうした状況の中で、21日に放送された報道・情報番組『Nスタ』(TBS系)で、今回の大地震で震度7を2回観測し、全壊した住宅は1000棟以上にもなる甚大な被害を被り、多くの死傷者が出た熊本県益城町の避難所から生中継した場面があったのですが、中継していたリポーターが被災者とみられる男性から「見せ物ではない」「車(中継車)邪魔。どかせよ!」などと大声で怒鳴られてしまい、生中継を急遽打ち切るというトラブルが発生しました。
21日放送の番組では、ボランティアの受け入れが開始された益城町からの生中継を交えながら、「ボランティアに求められているものは?」という特集を組み、現地からの生中継では、新たに9人のボランティアが避難所に来て地元の人と一緒に活動を行っていることを紹介。
そして、避難所を背景にして、これから活動を開始する非政府組織(NGO)『ピースボート』の辛嶋友香里さんが今後の活動についての説明を始めたのですが、その最中に背後から男性が近付いてきて「撮るなと言った」「見せ物ではない」「どっか行け」「車が邪魔、どけろ」などと、大声でまくし立てました。
突然の事態にレポーターは、すかさず小さい声で「スタジオにお返しします」といってスタジオに返し、現場の様子をスタジオで見ていたメインキャスターの堀尾正明さんは慌てた様子で、「中継を引き取ります。ご迷惑になっているようで、すみません」と謝罪し、中継は終了となりました。
<トラブル発生時のキャプチャ>
こうしたテレビ局の過熱報道によるトラブルが発生しネット上では、
- 報道各社は被災地に迷惑かけすぎ。被災者からしたら、報道を建前にしたネタあさりと思われても仕方ない
- 地震が一次災害。土砂崩れが二次災害。マスコミが三次災害。
- 人の不幸をネタに報道。配慮が無いし、怒られても仕方ない。
- 報道各社の傲慢さが如実に表れてる。被災者のことより、ネタ探しなんだろうな。
- 結局マスコミは、心配そうに報道しながら他人事なんだよ
- 家が倒壊した人に『大変な時にすみません』とか前置き言いながらどのような気持ちでしたか?とか聞けるのが変。まだ『いま、どのようなものが足りませんか?』とかだったらまだわかるけど・・。
- 生放送だからちゃんと現地の声が届いた。そうでなかったらカットされて知らん顔で、他の人にインタビューしてたんでしょ
- 報道は必要だと思いますが、配慮にかける行動や言動があるのが問題だと思います。アナウンサーやディレクターは頭悪い人が多いのかな…?
などのコメントが寄せられています。
17日には、地震を取材していたフジテレビ系列の『関西テレビ』(カンテレ)の中継車が、給油待ちしていた車の列を無視して割り込み、給油していたことが大問題となり、更にその後も大阪・毎日放送(MBS)の山中真アナウンサーが、現地で仕入れた弁当の写真を自身のツイッターに投稿して炎上。
さらに、21日に放送された『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)では、避難所となっている益城町保健福祉センターから生中継された場面で、被災者を応援するために支援する企業が出始めている中、個人でも被災地に駆けつけていることを紹介した際に、問題視されるようなシーンがあったことからネット上で批判が殺到しました。
問題となっているのは、鹿児島県種子島でさつまいも農家を営んでいる男性が、焼き芋を提供しているワゴンにリポーターが近付いてインタビューを行おうとしたシーンで、まだ小学生くらいの少女2人がブルーシートで作った屋根の下で雨宿りしながら焼き芋を待っていたのですが、リポーターは男性にインタビューするために少女をどかせてリポートを続け、どかされた少女2人はそれが終了するまで雨に濡れることになっており、これに対してもネット上では批判が殺到しています。
<↓の画像は、問題視されているシーンのキャプチャ>
今後もしばらくテレビ各局による過熱報道が続くことと思われますが、被災地の方々の気持ちを考えず、報道優先の姿勢をどうにか直してほしいものですね。