NHKの前田晃伸会長が12日に定例会見を行い、月刊誌『文藝春秋』でNHK職員有志が告発した『NHK紅白歌合戦』の打ち切り指示疑惑に対して、「全くの虚偽」だと完全否定しました。
10日発売の『文藝春秋 6月号』には、NHK職員有志による【前田会長よ、NHKを壊すな】と題したレポートが10ページにわたって掲載されており、「スリムで強靭なNHK」をキーワードに前田晃伸会長はNHKの改革を推し進めているものの、その内容は「強権的で杜撰(ずさん)」と批判し、それによる影響が組織や人事だけでなく番組制作にも及んでいると訴えています。
<↓の画像が、NHKの前田晃伸会長の写真>
そのうちの1つが大晦日に放送している紅白とし、「『紅白』も打ち切りになる方向で進められています。すでに前田会長は執行部に『終わらせる』と話しているそうです。昨年も前田会長による激しい介入があり、紅組、白組の対抗形式を廃止するよう指示。抵抗した現場は苦し紛れに『カラフル特別企画』を入れていました」
と内情を明かしています。
しかし、文藝春秋の取材に対して前田晃伸会長は、紅白の打ち切り指示疑惑について「番組全部を見直すだけで、変えるかもしれないが、やめるとまでは言っていない」と否定していました。
そして、前田晃伸会長は12日の定例会見で改めて紅白の今後に言及し、「続くかどうかはこれから先の話。終わらせるか終わらせないかは、これから考えるけれど、『終わらせる』と言ったことはございません。ですから全くの虚偽報道です。私が『紅白をやめる』とか『打ち切る』と言ったことは一度もありませんし、指示したこともございません」
と、事実無根の話だと主張しています。
その上で、紅白を打ち切り可能性はある?との問いに対しては、「番組は常に見直した方が良い。全ての番組についてマンネリはやめた方がいい。」
と語っています。
文藝春秋に掲載されたレポートについては、「有志という名前のない形の匿名記事。真実の調べようがないし、かなりの間違い」「明らかに作った記事」「ほとんど事実無根。それをそのまま記事にしたということで、極めて遺憾」
と語っています。
前田晃伸会長の反論、紅白打ち切り指示否定などを受けてネット上では、
- いや、止めろよ。強制徴収した事実上の税金でバラエティー番組やるなよ
- いや、要らないから。特定大手事務所と癒着したクソ番組じゃん
- とはいえ、昔ほど影響力が落ちたのは事実。打ち切りとは言わないまでも内容を見直してもらいたい。
- 去年みたいなレインボー歌合戦にするくらいならやらなくていいよ
- 受信料の強制徴収の問題を解決できないのであればNHK自体を終わらせるべき
- 「続くかどうかは先の話」だなんて、完全否定しない時点で、打ち切りを検討していると言っているのも同然。
- ストレートに終わらせるとは言ってないかもしれんが、そういう主旨の方針を示したんだろ?
そうでなきゃ「紅白は終わらせません。今後も続いていきます。」と明言するはずだ。
今の紅白なんてどうでもいいと思ってるが、どうもこの会長は好きになれん。 - NHKは、個々の番組を打ち切るとか打ち切らないとかを、会長の一存で決めることができるの?
もしもそれが可能だとしたら、NHKは民主的な報道機関 とは呼べない気がする。受信料の意味にも疑問が生じてくる - どんなクソみたいな内容でも「紅白」っていうだけで30%以上の視聴率取るんだから、やめるわけないだろ
などの声が上がっています。
週刊文春は昨年から、前田晃伸会長が推し進める強引なNHK改革によって、好視聴率を記録していた長寿番組『ガッテン!』も現場の声を聞き入れることなく、今年2月2日の放送をもって打ち切り終了となったと伝えていました。
それに続いて、紅白の打ち切り指示疑惑が浮上し、前田晃伸会長はこれをキッパリと否定しているのですが、ネット上では指示したのか否かに関係なく、紅白終了には賛成との声も多く上がっています。
紅白は近年、演歌歌手の出場数を減らすなどして視聴者層の若返りを図っていますが、昨年の紅白は平均視聴率が前年から大幅にダウンし、第1部(19時30分~20時55分)の世帯視聴率は31.5%(2020年は34.2%)、個人視聴率は23.4%(同25.0%)、第2部(21時~23時45分)は世帯視聴率が34.3%(同40.3%)、個人視聴率は24.8%(同29.6%)となっていました。
第1部の視聴率は、2部制になった1989年以降ではワースト4位、第2部は過去最低の数字となっており、第2部のワースト視聴率は2019年に記録した37.3%だったのですが、それより4%も低い数字でした。
それでも30%以上の視聴率を記録する国民的番組なので、現時点では即打ち切りにはならないと思いますが、様々な演出、選考基準が曖昧で偏りがみられる出場歌手の顔ぶれなど、改善が必要とされる部分は多々あり、このまま番組を続けるせよ、より多くの視聴者が満足する番組作りをしていってほしいですね。