AKB48の“まゆゆ”こと渡辺麻友さんが主演で、4月から放送される深夜ドラマ『サヨナラ、きりたんぽ』(テレビ朝日系 日曜深夜24時40分)のタイトルに対して、秋田県民から郷土料理「きりたんぽ」のイメージを損なうといった苦情が多く寄せられたことを受けて、タイトルが変更されることが明らかとなりました。
渡辺さんが主演を務めるこのドラマは、1936年に現在の東京都荒川区で起きた猟奇事件「阿部定事件」(料理店の仲居だった阿部定が性的な行為中に愛人を殺害、局部を切断した事件)をモチーフにした作品。
渡辺さんは、理想の結婚相手を探している清楚なOL・桐山さおりを演じ、さおりは理想の相手と信じ込んで男性と交際を始めるものの、既婚者、酒乱、DVなどといった問題を抱えた男ばかりで、純愛を求めるさおりはそうした男たちの本性を知ると急変。
「裏切られた復讐のため」「愛の方向性がずれたため」という理由で、阿部定のように男の局部を切り取り、成敗するというラブコメディドラマとなっており、AKB48グループの総合プロデューサー・秋元康さんが企画・原作、監督は『マジすか学園』シリーズの佐藤太さんら、脚本は映画『桐島、部活やめるってよ』『ディストラクション・ベイビーズ』などで知られる喜安浩平さんらが手掛けています。
主演に抜擢された渡辺さんは、「お話をいただいた時は驚きました。今まで演じた事のない役柄です!私自身も大きな挑戦となります。純愛を求め過ぎたが故に行き着く果て。毎週日曜深夜、皆様に刺激的な夜をお届けしたいと思います!!」とコメント。
テレビ朝日の杉山登プロデューサーは、「理想の純愛を求める彼女と下心を隠した男達との恋の駆け引きは、可笑しくて、可愛くて、そしてすごく…コワいです。喜安浩平が書く刺激的なセリフを渡辺麻友がどう演じるのか、スタッフみんなが今からドキドキしています。究極の愛に生きる“大人のまゆゆ”をどうぞお楽しみに!」とコメントしていました。
このドラマの概要については4日に発表され、タイトルの「きりたんぽ」というのは、男性の局部を切断することを意味しているとみられているのですが、ドラマのタイトルと内容発表後に、秋田県庁のほか、きりたんぽの発祥地である同県鹿角市、本場・大館市や北秋田市の市役所などに、「下品で不快」「秋田県民として許せない」といった批判が多く寄せられたそうです。
これを受けて秋田県の観光戦略課あきたびじょん室は7日、「郷土料理のイメージダウンにつながる」として、テレビ朝日側に口頭で抗議。
テレ朝側からは同日中に「タイトルを変更する」という回答があったといい、その後ドラマの公式ホームページでは『サヨナラ、きりたんぽ』というタイトルが消え、「タイトル未定」と変更されています。
<↓の画像は、公式HPの変更前と変更後のスクリーンショット>
なお、今回の件を受けて観光戦略課あきたびじょん室の成田光明室長は、『産経新聞』の取材に対して「番組でタイトルを使わないとともに、きりたんぽを一切、登場させないよう申し入れた。最終的な内容を確認したい」とコメントしています。
ちなみに、『秋田経済新聞』がアンケート調査を行ったところ、ドラマのタイトルに問題があるという回答は約85%(106人)、問題ないという回答は約15%(19人)だったとのことなのですが、今回の件に対してネット上では、
- 企画会議やらでOK出した上層部もアホだな
- 何を思って、このネタでこんなキャスティングでこんなタイトルにしたんだ。ホント頭おかしい
- 何のことかと思ったらそういうことか。きりたんぽと何の関係もないならそりゃ怒るでしょ。余りにも品がなく浅はか。
- こんな下品なタイトルでは生理的に受け付けない。ドラマの出来が良くても観る気にもならない。
- ただの話題作りだろうね。秋元らしいやり方。
- 阿部定ネタときりたんぽを混ぜちゃうとか、セクシー作品のタイトルレベルの下品さ。
- 東京が舞台の局部切断ドラマできりたんぽとか、そりゃ怒られて当然だろ
などのコメントが寄せられています。
ドラマの内容と「きりたんぽ」が直接関係しているわけではなく、ただ単に局部のことを「きりたんぽ」と表現していたのだとすれば批判が寄せられるのも当然でしょう。
この作品は阿部定事件をモチーフとしているとのことから、ラブコメディではあるものの過激な内容となっており、「きりたんぽ」というワードをタイトルに入れることによって、イメージなどに悪影響を与える可能性があると思わなかったのでしょうかね。
今回の件については、こうしたトラブルを想定しての炎上商法なのではないかという声も上がっており、実際に大きな騒動に発展したことでドラマに注目が集まる形となっています。
秋元さんであればやりかねないのですが、あえてこのようなタイトルを付けたのか、それとも語呂が似ているという安易な考えで付けたのかどうか気になりますね。