日本テレビ系列の日本海テレビ(鳥取)が28日に、元経営戦略局長で経理等を担当していた元幹部の田村昌宏さん(53)が、局の売上金に加えて『24時間テレビ』の寄付金を10年間にわたり着服していたことを発表し、ネットでは偽善にまみれた詐欺番組として大炎上騒動に発展しており、番組の終了を求める声などが噴出しています。
日本海テレビは28日に元経営戦略局長による着服行為を公式サイトで発表し、2014~2021年にかけて局の売上金など合計853万6,555円、2014年から今年にかけて10年にわたり、24時間テレビで集めた寄付金264万6,020円を着服していたことが発覚したとして、27日付で懲戒解雇として警察に被害届を提出したことを明らかにしました。
また、日本海テレビの田口晃也会長と西嶌一泰社長は謝罪会見を開き、田口会長はこの不祥事について、「公共性の高い会社にもかかわらず、不正を長年見落としてきたトップの責任は極めて重大だ」
として、12月中にも引責辞任する考えを示し、西嶌社長は3ヶ月分の報酬を全額返上するとしています。
日本海テレビの説明によると、経理等を担当していた元経営戦略局長は、本社の金庫で保管していた寄付金の一部を周囲の目を盗んで持ち出す行為を繰り返し、合計金額については口座への入金記録などから特定したといいます。
売上金などの着服は2014年6月~2021年3月にかけて計8回行われ、退職に伴って支払う必要がない役員の保険料を支払ったように装うなどして着服していたそうです。
着服行為が発覚した経緯については、11月に行われた税務調査で問題の発覚を恐れた元経営戦略局長が9日に自ら申告し、社内調査をする過程で寄付金の着服も判明したといい、この問題で懲戒解雇となった田村昌宏さんは、2014年に経理部次長、2017年に経理部長、昨年から総務局長と経営計画部長を兼任し、寄付金を保管している鍵付きの部屋と金庫を開けられる立場にあったといいます。
着服をした理由については「親族のためにお金を用立てる必要があった」と話しているそうですが、日本海テレビ側は後輩社員との飲食や、パチスロ代にも使用していたと見ているとのことです。
現時点では約448万円が返金されていて、残金も弁済する意向を示しているとのことですが、日本海テレビは今後、刑事告発することも検討しているとしています。
そして、番組の根幹を大きく揺るがす局員の不祥事に対してネット上では、
- 人の善意を踏みにじる最悪の裏切り行為
- 超えてはいけない一線を超えた。テレビ局員が寄付金を着服なんてもう番組を信用できない
- 立派な詐欺番組 来年からは中止でいい
- 24時間テレビの存在意義が問われる 正直もう終わりでいい
- チャリティなのにタレントに高額なギャラを支払ったりで問題視されているのに、局員が寄付金を10年感も横領とはあり得ない。もう番組は打ち切るべき
などと、番組の終了を求める声が噴出しています。
ネットで批判の声が上がるだけでなく、日本海テレビの視聴者センターにも視聴者からクレームが相次ぎ、問題を公表してから1日で約250件もの苦情の電話・メールが寄せられているといいます。
ニュースサイト『サイゾーウーマン』によると、24時間テレビの募金を局員が着服しているとの話はかねてから業界内で流れていたそうで、「公にはなっていませんが、数年前に別の地方局でも、同じように募金で集まった現金をフトコロに入れてしまった関係者がいたようだと話題になっていたんです。すぐに不正や犯人は明らかとなり、返金にも応じたため表沙汰にならなかったとのことですが、一部の関係者であれば犯行に及ぶことが可能であると、今回の事件で改めて分かりました」
と地方局関係者が明かしています。
それに続いて日本海テレビ幹部の着服行為が表沙汰となり、世間からは番組の終了を求める声などが噴出しているものの、「一部の系列局員が私欲に走ったという話で、少なくとも来年以降の放送に関して影響が出る可能性は低いとみられています。」
とも同関係者は語っています。
24時間テレビはかねてから、チャリティー番組を謳いながらも各出演者には高額なギャラが支払われていることや、真夏の炎天下に行われるメイン企画のチャリティーマラソンのヤラセ疑惑、また障がいなどを抱えている人らを出演させての感動演出によってお涙頂戴番組などと非難されてきましたが、今回明らかになった不祥事で番組は信用を大きく失っています。
日本テレビ等でも同様の行為があるのではないかと疑いの目を向けられていて、今後は募金額の大幅な減少、さらに視聴率低下といった影響がみられるのではないかと思いますが、果たして本当にこのまま番組継続となるのでしょうかね。