クラブホステスに対する性加害が発覚した俳優・香川照之さん(別名=市川中車 56歳)が、金曜司会を務めていた情報番組『THE TIME』(TBS系)を降板し、2日の番組では謝罪VTRが放送されました。
香川照之さんは8月25日発売の週刊誌『週刊新潮』に、2019年7月に東京・銀座の高級クラブでホステスに対して、下着を剥ぎ取って直接胸を触り、キスもしたほか、若手の歌舞伎俳優とビデオ通話しながら、その時の様子を映す行為もしていたことが報じられました。
これらの行為で女性は「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」を発症し、香川照之さんとは和解した一方で、香川さんの暴走を止められなかったとの理由から、クラブのママに損害賠償を求めて裁判を起こしていた(後に訴訟取り下げ)ことも明らかになりました。
週刊新潮はさらに続報で、香川照之さんが性加害をする直前に、クラブのママの髪を掴むなどの暴行をしていたことも報じ、大きな波紋を広げています。
<↓の画像は、クラブママの髪を掴む香川照之さんの写真>
香川照之さんは第一報が出た翌日に、『THE TIME,』の生放送に予定通り出演し、番組冒頭で謝罪した上で、「与えられていただける仕事に対しましては、しっかりと真摯に真面目に一生懸命、全力でこれまで通り挑んでいきたいと思っています。」
などと語っていました。
しかし、1日にTBSが香川照之さんの番組降板を正式発表し、香川さんの所属事務所と協議した上で、判断したとしていました。
そして、2日放送の番組では急遽、月~木曜司会を担当の安住紳一郎アナウンサーが代役を務め、番組冒頭で、「昨日発表した通り、香川照之さん、今日から番組の出演を取りやめます。今日は私が、来週からは江藤、杉山、宇賀神の3人のアナウンサーが担当します。どうぞご了承ください」
と伝えました。
その後、1日昼に収録したという香川照之さんの謝罪VTRを流し、香川さんは謝罪の言葉を述べた上で、『THE TIME』からの降板を決めた理由について、「俳優は自分の言葉ではなく、与えられたセリフ、人の書いた言葉を言う職業です。しかし、情報番組の司会はあくまでも自分の言葉、生の言葉、限りなく生に近い言葉を通して、ニュース、情報を伝えていく仕事でございます。今の私の生の言葉は、そういう意味では説得性がありません。様々な不信感や不快感を視聴者の皆様に与えてしまうと思います。従って、この『THE TIME,』に司会として出演させていただくことは相応しくないと判断いたしました。今後、出演しないという決意をいたしました。」
と説明し、最後に改めて謝罪し頭を下げていました。
この謝罪VTRを流した後に放送のコーナー「きのうバズった!SNSトレンドワード」では、「香川照之」がトレンド1位だったこともキッチリ紹介し、謝罪VTRを再び流していました。
香川照之さんは『THE TIME,』だけでなく、『トヨタ自動車』『東洋水産』『アリナミン製薬』『セゾン自動車火災保険』のCM契約が終了する見込みで、4社はすでに公式サイトなどから香川さんが出演のCM動画、画像などを全て削除しています。
一方で、俳優業には現時点で影響が及んでおらず、出演しているドラマ『六本木クラス』を放送のテレビ朝日は1日に、香川照之さんがした行為はあってはならない事だとした上で、「香川さん本人が深い反省と謝罪の気持ちを表明されており、所属事務所からは、被害者女性からお許しを得たと聞いております。そうした状況を勘案し、総合的に判断して番組の収録・放送を継続することにしています」
と発表しています。
<↓の画像は、9月1日時点での各社の対応一覧>
しかし、今後出演予定とされる作品には影響が及んでいるようで、『東京スポーツ』(東スポ)によれば、10月期放送の山崎賢人さん主演ドラマ『アトムの童(こ)』(TBS系 日曜21時)への出演が内定していたものの、出演発表前に“ステルス降板”がほぼ確定したと伝えています。
<↓の画像は、『アトムの童』メインキャストの岸井ゆきのさん、山崎賢人さん、松下洸平さんの写真>
香川照之さんが『アトムの童』に出演するとの情報は、性加害が明らかになる前に『週刊文春』が報じており、山崎賢人さん演じる主人公に立ちはだかる大企業の幹部役に、香川さんが抜擢されたとしていました。
ただ、現時点では香川照之さんの出演は発表されていませんが、東スポは「すでに香川は収録に参加しており、多くのシーンで撮影を済ませている。」とした上で、状況の変化によって降板が濃厚になったとのことです。
局内関係者は、「『THE TIME,』は外したのに『アトムの童』は出るというのは難しい。降板でほぼ決まり。ただ発表していなかったことは不幸中の幸いで、出演自体がシレっとなかったことになりそう」
と明かしています。
香川照之さんは『アトムの童』で、『半沢直樹』や『六本木クラス』などの作品で演じているような、主人公と対峙する重要人物を演じる予定だったそうですが、降板がほぼ確定したため、急遽代役探しが行われているといいます。
現時点で候補に挙げられている後任は、香川照之さんの従兄弟(いとこ)としても知られる市川猿之助さんのほか、高嶋政宏さん、及川光博さんなどとのことです。
制作会社関係者は、「香川と同じく『半沢直樹』シリーズに出演していた猿之助、及川らが有力候補。でも一部からは『香川と同じ半沢直樹枠で出演はつまらないのでは』『フジテレビのドラマが決定している猿之助さんに頼むのは…』という意見も出ており、決定にはもう少し時間がかかりそう」
と明かしています。
『アトムの童』を放送の日曜劇場枠(日曜21時)は、香川照之さんも常連だったTBSの看板ドラマ枠で視聴者層の幅も広く、民放ドラマの視聴率が今期軒並み低下し1ケタを連発している中で、現在放送中の『オールドルーキー』は第9話までの平均世帯視聴率が10%を超え、今期トップになっています。
『アトムの童』も好視聴率獲得が期待されており、香川照之さんが出演することで作品全体のイメージが悪化し、視聴率にも悪影響を及ぼすことが懸念され、さらにスポンサーにもクレームが入る恐れがあるだけに、降板は妥当だと思います。
もし本当に降板が決定した場合、気になるのは11月18日公開予定の主演映画『宮松と山下』の行方で、この作品もTBSが製作委員会に名を連ねているのですが、今後の状況次第で公開延期等の対応が取られるのか否か気になりますね。