俳優・田村正和さん(享年77)が4月3日に「心不全」で亡くなり、代表作『古畑任三郎』シリーズ(フジテレビ系)の5作品が3日~9日にかけて、関東ローカル枠「メディアミックスα」(平日14時45分)で再放送されることが1日に発表され、ドラマファンからは歓喜の声が上がっています。
そうした中で週刊誌『女性自身』は、フジテレビ上層部が『2代目古畑任三郎』の制作を本格的に検討し始め、主演候補として阿部寛さんの名前が挙げられているとの情報を伝えています。
『古畑任三郎』シリーズの新作情報は、昨年6月に『東京スポーツ』(東スポ)が報じており、『古畑任三郎』の復活プロジェクトが水面下で進行していて、脚本を手掛ける三谷幸喜さんも復活オファーを了承済みとしていました。
また、三谷幸喜さんは制作サイドに「古畑役には田村正和さんと遜色ない配役をキャスティングする」との条件を出し、昨年6月時点では、阿部寛さんとオダギリジョーさんが最終候補に残り、古畑任三郎の部下・今泉慎太郎役は大泉洋さんに絞られたとし、あとは大泉さん側がオファーを受けるかどうかとのことでした。
この報道から1年が経ち、『女性自身』が改めてフジテレビに『2代目古畑任三郎』計画について聞いたところ、「そのような事実はございません」とキッパリ否定されたといいます。
しかし、フジテレビ関係者は取材に対して、「田村さんの訃報から3日後に追悼番組として『古畑任三郎』が放送され、13%超えの高視聴率を記録。再放送としては異例の数字です。この結果を受けて、上層部でも『2代目古畑任三郎』の制作が水面下で本格的に検討され始めた」
と明かしています。
田村正和さんが生前、三谷幸喜さんも『古畑任三郎』の続編を熱望しており、昨年5月に『朝日新聞』の連載の中では、「条件が揃えば、僕はいつでも映像版『古畑』の新作を書く準備は出来ていますよ、田村さん」と綴っていました。
ですが、田村正和さんが4月に亡くなり、同じキャストで制作することは不可能となったものの、新たに阿部寛さんを主演に起用し、『2代目古畑任三郎』が制作される可能性があるとのことです。
前出のフジテレビ関係者は、「阿部さんは2011年の映画『ステキな金縛り』で三谷作品に初参加し、三谷さんならではの脚本・演出に惚れ込み、『またいつか参加したい』と考えていたそうです。三谷さんも法廷でタップダンスを踊る型破りな弁護士を完璧に演じきった阿部さんを『日本を代表するコメディアン』と絶賛。アドリブ力にも長けた阿部さん主演の作品を描きたいとずっと考えていたといいます。そんな関係性からフジテレビ内でも、“もし『2代目古畑任三郎』が実現するとしたら阿部さんを”と推す声が強い」
と語っています。
『女性自身』はこのように報じているのですが、三谷幸喜さんは田村正和さん以外に『古畑任三郎』を演じる役者はいないと考えている様子です。
田村正和さんの訃報が伝えられてから『朝日新聞』に掲載された連載「三谷幸喜のありふれた生活」の中で、「古畑を僕に書かせてくれたのは、紛れもなく田村さんです。田村さんがいなくなってしまった今、古畑任三郎が事件現場に戻ってくることはもうありません。」「古畑の新作はもう作られることはない。」
と断言しています。
その上で、古畑任三郎が登場する小説版の執筆には意欲を見せ、「田村さんの演技を想像して読むことで、俳優田村正和と古畑任三郎は、生き続ける。そういうわけで、昨年ご好評を頂いた『新聞連載小説版古畑任三郎』、今年もやろうと思っています。」と綴っています。
『古畑任三郎』シリーズは三谷幸喜さんにとっても大事な代表作の1つで、その分思い入れが強く、2013年にSMAPの特番内で生放送されたミニドラマ『古畑任三郎 VS SMAP その後』について、「『古畑任三郎 VS SMAP』の続編であっても、古畑任三郎が出ない以上、シリーズの新作とするのは妙である」「古畑の生みの親として、それはやめて欲しいとプロデューサーにお願いしたが、結局、押し切られた」
と、不満を抱いていたことを後に明かしています。
三谷幸喜さんがすでに「古畑の新作はもう作られることはない」と断言していることから、いくら演技を絶賛している阿部寛さんをキャスティングしようが、『2代目古畑任三郎』という形で新たなドラマを制作する可能性は無いのではないでしょうかね。
古畑任三郎=田村正和さんというイメージがあまりにも強く、どれほど演技が上手い役者が後任を務めても違和感があり、別作品に感じてしまうと思うので、それならば最初から『古畑任三郎』ではなく、阿部寛さん主演、三谷幸喜さん脚本の新たなドラマを見たいものです。