7月末に新型コロナウイルスへの感染が判明し、重度の肺炎によって現在も入院中のタレント・野々村真さん(ののむら・まこと 57歳)が、クラスター(感染者集団)が発生したドラマの撮影に参加していたことが週刊誌『女性自身』の報道で判明しました。
野々村真さんの新型コロナウイルスへの感染は7月31日に発表され、所属事務所『スターダストプロモーション』は感染が判明した経緯について、「仕事関係者から新型コロナウイルスの陽性反応が確認された報告を受け、野々村が濃厚接触者となる可能性があった為、念の為早々に検査をしたいと本人の希望もあり、昨日7月30日(金)にPCR検査を実施したところ同日夜に新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。」
と説明していました。
なお、野々村真さんは新型コロナワクチン接種の予約をしていたものの、その直前に感染したことで1度も接種をしていなかったそうです。
野々村真さんは7月30日の深夜から発熱や倦怠感、せきなどの症状があらわれ、31日には血中酸素飽和度(正常値は96~99%ほど)が90近くまで下がり、息苦しさを感じたことで救急搬送を頼んだそうですが、搬送を断られて自宅療養となったといいます。
また、8月4日に再び血中酸素飽和度が下がったことで2度目の救急搬送を依頼しましたが、救急車が到着時には数値が96まで回復していたため、搬送は見送られたそうです。
そして、5日に再び数値が下がったことで保健所の指示によって緊急入院が決まり、検査を受けたところ重度の肺炎を発症していることや、肺の背中側が硬化していることも明らかになったそうで、その後はしばらく酸素吸入器を装着し寝たきり状態が続いていましたが、17日までに自分で呼吸が出来るようになったとのことです。
ただ、肺炎の状態は良くなっていないといい、愛知医科大学病院感染症科の三鴨廣繁医師は、「かなり心配な状態ですよね。だいぶ軽快しつつあるということでいいかと思うんですけど、その後に後遺症みたいなことで悩むことにならないかなと、ちょっと心配します。背中側で肺が硬くなりますと、ずっと呼吸が苦しい症状が続くので、そうならないかなと心配しています」
と、後遺症への懸念を語っています。
こうした深刻な状態で多くの心配の声が上がる中で、24日発売の『女性自身』は野々村真さんの新型コロナ感染源について伝え、テレビ朝日系のABC朝日放送テレビが制作中のドラマが感染源だったとしています。
このドラマは放送時期が未定で、タイトルや出演者などの詳細も発表されていないのですが、ABC朝日放送テレビは8月2日に、ドラマ出演者の中から6人の新型コロナ感染者が確認されたことを発表しました。
1人目の感染者は7月29日夜に体調不良を訴え、PCR検査を受けて陽性が判明し、30日には出演者3人が陽性、8月1日に2人の陽性が判明したとしていました。
保健所からは、出演者4人とスタッフ3人が濃厚接触者に認定されたとし、現在は自宅待機中としていたのですが、その後も感染者は増え、18日時点で感染者・濃厚接触者共にそれぞれ13人まで増加しており、感染者のうち12人が出演者となっています。
その中の1人が野々村真さんだったそうで、『女性自身』の記事では大阪のテレビ局関係者が、「野々村さんは7月に上演されたミュージカル『オープニングナイト 桜咲高校ミュージカル部』のドラマ化作品の撮影に参加していました。エリート進学校のミュージカル部を描いた学園もので、7月の舞台には野々村さんをはじめ、『私立恵比寿中学』の星名美怜さん(23)など同じ事務所の後輩アイドルグループの面々も出演。ドラマにも同じキャストが出演する予定だといいます。しかし7月下旬の撮影開始後から、星名さんら出演するアイドルたちが次々と新型コロナに感染。ドラマ撮影現場でこの規模のクラスターは業界初と言われています。ABCとしては、ドラマの制作発表前にクラスターが起こってしまったので、感染した出演者の詳細は一切明かしていません」
と明かしています。
なお、ミュージカル『オープニングナイト 桜咲高校ミュージカル部』には野々村真さん、星名美怜さんの他に、横山だいすけさん、三倉佳奈さん、福井貴一さん、中谷優心さん、瑛さん、ボーカル&ダンスグループ『原因は自分にある。』の武藤潤さん、杢代和人さん、大倉空人さん、アイドルグループ『超ときめき宣伝部』の小泉遥香さん、杏ジュリアさん、『劇団4ドル50セント』の前田悠雅さん、『宝塚歌劇団』の元星組トップスター・湖月わたるさん等が出演していました。
<↓の画像は、ミュージカル『オープニングナイト 桜咲高校ミュージカル部 』出演者の写真>
このミュージカルのドラマ版でクラスターが発生したといい、『女性自身』の取材に対して『のぞみクリニック』の筋野恵介院長は、「テレビ局もやれることをやっているとは思いますが、どうしても人と人が近くなりますし、現実的に感染を完全に防ぐのは厳しいと思います。また、現在の対策はコロナ初期に言われていた飛沫対策に重点が置かれている気がします。デルタ株は感染力が強いので、空気感染対策へのアップデートをしなければ再びクラスターが発生するような事態になりかねません」
と語っています。
前出の在阪テレビ局関係者によれば、感染力が強いデルタ株への対策が制作現場で出来ていないといい、いまだに1年前のマニュアルに沿って撮影を行っているところがほとんどだそうです。
そして、『女性自身』は制作中のドラマでクラスターを発生させたABC朝日放送テレビに対して、ドラマ制作中止の可能性について確認したところ、「この度は、心配とご迷惑をお掛けし、心よりお詫び申し上げます。弊社としてはこのドラマについては出演者、タイトルともに発表していませんので、未発表ドラマについての回答になります。今後の制作予定については中止になるかも含めて未定です」
との回答だったとしています。
この報道を受けてネット上では、
- TV局の感染対策は、あってないようなもの。演者同士やスタッフはどうやっても距離も近くなる。今こそドラマ再放送が良いんじゃないかな。
- バラエティ番組なんてアクリル板置いときゃ、近くにいようが、騒いでもOK。食べる時は離れていても、大きな声を出したり、絡んだり。
あれでOKなんだと視聴者が感じるから、感染者もそりゃ増えるでしょ。 - ドラマとかバラエティーは落ち着くまでロケは止めて再放送を行えば良い。制作費押さえられるし一石二鳥。
ニュースを読むアナウンサーは飛沫減らすためのマスク着用で画面には字幕。多少聞き取りずらくても感染拡大するよりマシ。 - メディアは自分たちのこととなると対策も報道も適当。会食はする、PCR検査は結果が出る前に移動や撮影をし途中で陽性発覚、
対面に人がいる構図でも何故か真横だけにアクリル板設置、不要不急の外ロケなどなど - どのテレビ局もコロナ感染を隠蔽してる可能性はあると思うし、感染経路不明で誤魔化してるパターンもあるんじゃない?
テレビなんかも「コロナ大変だー」と毎日騒いでるけど、一般人より意識の低いテレビ局や芸能人にそんな事言われてもね、としか思えないよ - 去年はどの番組も収録せず、過去の番組流すくらいの対策をしていた。今はもうそんなことないじゃん。
出演者も増えてマスクはフェイスシールドに、そしてなくなっている。「ソーシャル!」とか「立たないで」と言った注意もなくなった。
どんどん緩くなっているのは明らか。気の緩みを生んでる原因の一つになってることに気づいてるはずなのに、政府のことしか悪く言わない。 - 芸能人がコロナに感染して大変だったとYouTubeやインスタSNSで発信しまくってるけど、テレビや動画見るとマスクはしてないし、感染して当然だと思うんだよね。
その程度の対策しかしてないのに、「大変でした」「気をつけて」なんて良く恥ずかしげもやく発信できるなと感じる。発信することはいいことだけど、なんか違和感
などの声が上がっています。
23日には、新型コロナ感染者が確認されたブロードウェイ・ミュージカル『エニシング・ゴーズ』で、出演者やスタッフ全員がPCR検査を受けた結果、23人の陽性が判明したと発表されており、これによって29日までの公演全てを中止することが決定しました。
舞台と同様にドラマなども濃厚接触が避けられないことから、クラスター発生のリスクが非常に高く、その対策として定期的にPCR検査や抗原検査なども行われているそうですが、現在蔓延しているデルタ株は感染力が強く、従来の濃厚接触者の定義には当てはまらなくても感染したという事例が多発しているため、感染拡大防止対策を一層強化する必要があります。
それにも関わらず、テレビ局などは未だに昨年のマニュアルで番組制作をしているとのことですが、『現代ビジネス』が先日配信した記事によれば、制作現場の危機意識は以前に比べて薄れ始め、テレワークなども減っているといいます。
ドラマの制作現場については、エキストラや下っ端のスタッフまで全員がPCR検査、抗原検査を受けているわけではなく、メインキャストや主要スタッフから感染者が出なければ問題なしとの考えのようです。
そうした事もあり、ABC朝日放送テレビのドラマ制作現場でクラスターが発生したのかはどうかは不明ながら、現在の状況から今後もドラマ制作中に複数の感染者が出る可能性は高いため、感染防止対策の見直しだけでなく、ドラマ撮影を一旦中止することも含めて、様々な対応を検討してほしいですね。