漫画家・魔夜峰央さん(まや・みねお 本名=山田峰央 68歳)の同名漫画を実写化した映画『翔んで埼玉』の続編が制作され、前作に引き続き二階堂ふみさん、GACKTさんのW主演で来年公開予定であることが発表されました。
原作の漫画『翔んで埼玉』は、1982年から1983年にかけて少女漫画雑誌『花とゆめ』の別冊で3回に分けて連載された作品で、当時埼玉県所沢市に住んでいた魔夜峰央さんが、都会から離れた埼玉県や茨城県などをユーモアたっぷりにディスる内容となっていました。
<↓の画像は、『翔んで埼玉』作者・魔夜峰央さんの写真>
連載後しばらく話題になることは無かったものの、2015年にネット上で作品の一部が拡散され、その衝撃的な内容が大きな反響を呼び、人気深夜番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)でも取り上げられたことでさらに大きな注目を集め、同年に発行元の『宝島社』がコミックスを復刊、2016年2月までに発行部数が50万部を突破しました。
こうした反響を受けて、2019年2月には二階堂ふみさん&GACKTさんW主演で実写映画化され、主題歌は埼玉県生まれで千葉・佐賀県育ちのピン芸人・はなわさんが担当し、映画の最終興行収入は37.6億円の大ヒットを記録、『日本アカデミー賞』では複数の賞を受賞しました。
昨年2月にはフジテレビ系で地上波初放送され、平均世帯視聴率が16.7%と高視聴率を記録しました。
前作から3年が経ち、新たに制作される続編『翔んで埼玉II(仮題)』は、引き続き武内英樹監督がメガホンを取り、脚本も徳永友一さんが手掛けるなど、スタッフ陣にも変更は無いようです。
フジテレビの若松央樹プロデューサーは、『翔んで埼玉』の続編制作が決定した理由について、「前作の公開中、埼玉の皆様から『もっとディスっても大丈夫!』、他県の皆様には『埼玉がうらやまし』『自分たちの地元もイジって欲しい!』『翔んで〇〇もやってほしい!』などの反響をたくさんいただきました。(映画版の)『翔んで埼玉』は原作に無いストーリーを多分に描いておりましたし、作品としては、前作で既に出し尽くした気持ちも強かったのですが、皆様の温かい声をいただき、武内監督や脚本の徳永氏の間で『続きを作ってみてはどうか』という話が自然と出るようになりました。その内容が思いの外盛り上がり、続編を制作することになりました。」
と説明しています。
主演を務めるGACKTさんは、「再びこの、いい意味でくだらない最高のエンターテインメントに関われると思うと、今から、、、、不安しかありません。前作であれだけ埼玉をディスったにもかかわらず、監督はまたしても続編をやる気です。監督、バカなの? 完全に壊れてます。。。そしてGACKTがまた高校生を演じるのか…、ダメでしょ? 疑問は多く残りますが、前作でもご一緒した武内監督やふみちゃんがいれば、良い作品が作れると信じて、、、いや、むしろ、すべてお任せするしか、ありません。壮大な茶番の更なるパワーアップ、ぜひ楽しみにしていてください。不安です。。。」
とのコメントを寄せています。
二階堂ふみさんは、「真面目に不真面目な大人達が集まる現場にまた呼んでいただけて、とても光栄です。パート1(まさかこの呼び方をする日が来るとは思わなかった)を遥かに超える大作を、最前線で感じられたらと思います。よろしくお願い致します。」
とコメントしています。
また、作者の魔夜峰央さんは「改めて言うが、正気かおまえら」とコメントしているのですが、『翔んで埼玉』の続編制作発表を受けてネット上では、
- 伊勢谷友介がパクられたのにやれるんか
- 原作消化しきった後の蛇足感がひどかったのにこれ以上なにやんだよ
- コケたらコケたでそれもまたネタになるからええよ
- フジってドラマも映画もそこそこヒットしたら続編作りたがるよな
- まぁあれだけ売れればな。そりゃ続編も作るわ。
- こういうのって単発だからいいのに。まあ、見せてもらおうか。
- 埼玉県民が東京へ通行手形無しに行けるようになって、ライバルだった千葉県民とも和解して、埼玉が極秘裏に日本を支配しつつあるって感じの終わりだから、これ以上やる事あったっけ
- 埼玉県民としては、前作で埼玉県民しか分からんネタがちりばめられてて、めっちゃうれしかったなぁー今度の埼玉県の敵は何県なんかな??
- 「そこらへんの草」ならぬ、「そこら辺にあっちゃいけない葉っぱ」をたしなんだ、あの千葉あたりのリーダーは一言も触れてない。
ここで伊勢谷友介復帰となればもっと騒がれる。 - 県内の内紛をもっといじっても面白い。富士見市とふじみ野市の軋轢。与野、大宮、浦和、岩槻の平成の大合併。などなど…
- 次作は埼玉県民さえも「それ映画に出すか!」とツッコミたくなるディープなネタもどんどんおり混ぜてもらいたいね
- 劇場でも地上波でも見ました。「なぜか埼玉」の歌にもハマりました。市原悦子さん、ゆうこりんをカードに出して対抗していた千葉県。今度はどんな展開になるかな。楽しみ。
などの声が上がっています。
『翔んで埼玉』は埼玉県などを痛烈にディスる内容ながら、埼玉県民からも共感を呼び高く評価され、当時の埼玉県知事・上田清司さんも「悪名は無名に勝る」などとコメント、映画にも好意的な反応を示して公認し、映画公開前には『埼玉新聞』が特別号を映画館で配布するなど、埼玉県も映画のPRに大きく貢献していました。
前作の『翔んで埼玉』ではオリジナルストーリーを交えながら、「埼玉解放戦線」と「千葉解放戦線」の全面戦争などを描き、最終的に両者は和解し、主人公らが特色のない埼玉の文化を日本全国に広める「日本埼玉化計画」を開始するという展開になっていました。
パート1で物語は終了していることもあって、続編制作に対しては心配や否定的な声も少なくありませんが、続編では埼玉県に関するさらにディープなネタや、隣接する栃木県、茨城県などもネタにした内容に期待する声も多く上がっています。
また、パート1で「千葉解放戦線」を率いるオリジナルキャラクターを演じた伊勢谷友介さんが大麻事件で逮捕され、昨年末に懲役1年・執行猶予3年の有罪判決を下されて現在も芸能活動を休止状態にあるものの、続編にも出演するのかどうかにも注目が集まっており、本人が登場する可能性はかなり低いものの、どういった扱いになるのかに注目したいですね。