『第66回NHK紅白歌合戦』で2年ぶりに紅組の司会を務める女優の綾瀬はるかさん(30)が、来年1月よりスタートする連続ドラマ『わたしを離さないで』で主演を務める事が先日発表されました。
綾瀬さんがTBSのドラマに出演するのは2011年10月期放送の『南極大陸』以来で、単独で主演を務めるのは今回が初となっています。
『わたしを離さないで』は、日系イギリス人作家のカズオ・イシグロさんによる同名ベストセラー小説を原作としており、ドラマ化されるのは今回が世界初。
世間から隔離された施設・陽光学苑で“良質な”教育を受けて育てられた保科恭子 、土井友彦、酒井美和の物語を描いており、子供らしい生活、子供らしい教育を享受し、“普通の子供”だったはずの3人はある日、生れながらにある使命を与えられた“特別な子供”だと教えられ、自分たちの“本当の運命”を知らされる。
“本当の運命”を知った3人は絆を求め、人を愛することによって生きる希望を得ようとし、成長していく中で“生きる意味”を模索していき…という生と愛が絡みあったヒューマンラブストーリーとなっています。
そして、人望も厚く素直で非常に優しい性格をしている少女だった恭子の大人時代を綾瀬さんが演じ、度々かんしゃくを起こす恭子の同級生・友彦の大人時代を三浦春馬さん、女子のリーダー・美和の大人時代を水川あさみさんが演じ、恭子の少女時代は、綾瀬さんが主演のNHK大河ドラマ『八重の桜』(2013年)でも綾瀬さんの幼少期を演じた子役の鈴木梨央ちゃん。
<↓の画像左から三浦春馬さん、綾瀬はるかさん、水川あさみさん>
また、陽光学苑に新たに赴任してきた教師・堀江龍子役を伊藤歩さん、学苑の校長で子供たちを厳しく管理する校長・神川恵美子役を麻生祐未さん、しばしば学苑を訪問する正体不明の“マダム”役を真飛聖さん、学苑の理念の実現のため熱心に子どもたちを指導する教師・山崎次郎役を甲本雅裕さんが演じます。
同作はイギリスで100万部を超えるベストセラーとなり、2010年にイギリスで映画化され、日本では2006年に単行本化、2008年に文庫本化され、2014年に蜷川幸雄さん演出で舞台化されており、女優の多部未華子さんが主演を務めました。
今回ドラマ化するにあたり、物語の舞台をイギリスから日本に変更しており、脚本を担当するのは、2013年後期放送のNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』、今年4月期放送の『天皇の料理番』(TBS系)、2017年放送のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』など数多くの作品を手掛け、綾瀬さんが出演した『世界の中心で、愛をさけぶ』、『白夜行』、『JIN-仁-』(いずれもTBS系)も担当した脚本家の森下佳子さん。
ベストセラー作品のドラマ化で、綾瀬さんが約4年ぶりにTBSドラマで主演を務めることからも注目を集めているのですが、視聴率を心配する声が上がっており、綾瀬さんが主演の『八重の桜』は全話の平均視聴率が14.6%と微妙な結果に終わりました。
昨年10月期に放送された『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)で主演を務め、全10話の期間平均視聴率は16.0%と好視聴率を記録しましたが、綾瀬さんの相手役を務めた福士蒼汰さんはNHK連続テレビ小説『あまちゃん』でブレークしており、その影響も大きかったのではないかともいわれています。
そして、今回綾瀬さんと初共演する三浦さんは、昨年1月期放送の『僕のいた時間』で主演を務めましたが全11話の平均視聴率は10.1%とギリギリ2ケタ、水川さんは主演を務めた昨年7月期放送の『東京スカーレット〜警視庁NS係』(TBS系)が全9話の平均視聴率が6.5%、2013年1月期放送の『シェアハウスの恋人』(日本テレビ系)は全9話の平均視聴率
9.5%という結果に終わっており、綾瀬さんの潜在視聴率に頼らざるを得ないと言われています。
また、『わたしを離さないで』が放送されるTBS系の金曜ドラマ枠(毎週金曜日22時~)は視聴率の獲得に苦しんでいる枠で、10月よりスタートした綾野剛さん主演の『コウノドリ』は初回12.4%を記録し、その後も約9~12%の数字を獲得しているものの、芳根京子さんが主演で7月期放送の『表参道高校合唱部!』は全10話の平均が5.4%、山下智久さんが主演で4月期放送の『アルジャーノンに花束を』は全10話の平均が8.6%と1ケタ台。
こうしたことから綾瀬さんの真価が問われるドラマになりそうだと言われ、この枠で好視聴率を獲得出来れば綾瀬さんの評価がさらに上がることは間違いないと思われますが、『わたしを離さないで』は原作のあらすじを読む限りではかなり内容が重たく、救いようがない暗い作品となっていることから、高い視聴率を獲得するのは難しいかもしれません。
しかし、高い視聴率は獲得できなかったとしても、同枠で昨年7月期に放送された『家族狩り』などのように作品としては高く評価される可能性もあることから、視聴率だけでなく視聴者の反応にも注目していきたいですね。