今年大晦日の『第72回NHK紅白歌合戦』の出場者43組が19日に発表されましたが、週刊誌『女性セブン』は紅白出場を拒否したアーティストもいることを伝えており、紅白を見る側だけでなく、出る側にも大きな変化が見られるとしています。
今年の紅白出場を辞退したとされているのは、2018年にメジャーデビューした4人組バンドの“ヒゲダン”こと『Official髭男dism』で、ヒゲダンの辞退は出場者発表の翌日に『スポーツニッポン』(スポニチ)が伝えました。
また、『フラッシュ』のWeb版『SmartFLASH』は、「出場が噂されていたAdoやウマ娘、優里などは落選、Official髭男dismは辞退したこともあり、例年ほどの盛り上がりは見られない」
と伝えています。
『女性セブン』によれば、今年の紅白出場を拒否したのはヒゲダンだけではないといい、「今年、CMの曲が話題となり連続ドラマの主題歌も歌ったAさんや、子供からお年寄りまで知っているヒット曲を持つBさんも辞退したと噂されています」
と大手レコード会社関係者が語っています。
紅白はかつて歌手にとって勲章のようなもので、紅白に出場すれば知名度が急上昇すると共に格が上がり、CDなどの売上が伸びたり、ギャラが跳ね上がるなど歌手にとっては良いこと尽くめでした。
しかし、時代の変化などによって紅白の権威は徐々に失われていき、それは番組の視聴率に顕著に現れており、1962年に『ビデオリサーチ』による視聴率調査が始まって以降では、1963年に関東地区の世帯平均視聴率が81.4%、関西地区は81.5%を記録し、これが過去最高記録となっています。
その後も1981年までは関東・関西共に世帯平均は70%を超えていましたが、1986年には両地区ともに60%を切り、2部制となった1989年には第1部が30%代後半、第2部が40%台後半まで落ち込み、現在は第1部が35%前後、第2部が40%前後で推移し、昨年の紅白は第1部が34.2%、第2部が40.3%(関東地区)でした。
『女性セブン』によれば、紅白の視聴率が低迷している理由は「視聴者の高齢化」とし、紅白の視聴者は65歳以上の女性が最も多く、次いで50~64歳の女性が多いというデータが出ているのですが、「若者に見てもらおうと、演歌枠を削って若いアーティストの数を増やしていますが、すると今度は高齢者層が『知らない歌手ばかりでついていけない』とそっぽを向く。完全に悪循環に陥ってしまっています」
と芸能関係者は指摘しています。
そうしたテコ入れをしながら若者の視聴も伸び悩み、紅白の人気が下降を続けている要因として、「人気者でも出なくなっている」ことを挙げています。
紅白への出演を拒んでいる歌手は昔からいたとし、「例えば、井上陽水さん(73)は、『恥ずかしいから』といって、オファーを受けたことがありません。また、B’zも『年末は完全オフ』を貫き出ていない。若手ではONE OK ROCKのTakaさん(33)が『紅白は田舎のおばあちゃんを喜ばせるためのもので、東京生まれのぼくにはそういう感覚がない。出る気持ちになれない』と打ち明けていました」
と芸能関係者が語っています。
また、紅白に出場するメリットがここ数年で一気に薄れているとし、「紅白を含めてテレビの影響力が低下したため、アーティストはYouTubeやインスタグラムを通したコアなファンとの交流を重視するようになりました。さらに、コロナ禍でオンライン配信ライブをするアーティストも増加。こちらの方が少ない経費で開催できるわりに、売り上げにも直結するのです。ある歌手は、紅白に対して、『出る意味がないんで出たくない』とまで言っていました」
と明かしています。
『女性セブン』はこのように報じているのですが、これに対してネット上では、
- その年にヒットしたアーティストが出演する称号の様な趣旨は、だいぶ前からなくなったよね
- あと、紅白側が本来は出演をお願いする立場なのに、「出してあげる」「我々のお眼鏡にかなった」みたいに、出場歌手に対して完全に「上から目線」なのを嫌う歌手も少なからずいますね。
- official髭男dismは拒否ではありません。紅白より先に決まっているライブがあり、スケジュール的に難しくライブを優先してのことです。
紅白には2度出場し、決まった時はいずれもとても喜んでいました。拒否という形ではないことをわかって欲しい - まぁ紅白出ない歌手って昔から居たには居たよね。ベストテンとかのランキング番組も、途中から郷ひろみは出演辞退したりとか。
- 「本当に売れた人しか出られない」のなら価値がある気もするが、一般人にも「事務所の力」みたいなものが見え出して、アーティストも衣装だとか、ライブの片手間の中継とか力の入れ具合が視聴者に伝わって来て、面白みがなくなった。
歌う曲も昔のヒット曲とか、メドレーばっかりだし。昔は、紅白のためだけの特別な衣装で出てきたり、出場が嬉しくて涙しながら歌う歌手がいたり、古き良き時代だったね。 - ワンオクtakaの発言は本当なの?この方のご両親のファン層は田舎のおばちゃん、おじちゃんが大部分を占めているよね。そこがなければ成り立たない生活を送って来たはず。
思うのは自由だけど、その発言はこの方にとっては言わなくてもいい事のように感じた - ギャラも安けりゃ、出番に対して拘束も異常に長い。うちの番組に出れば宣伝になるでしょ?ってスタンスじゃ、割りに合わないと感じる人も居るでしょう。
それでも、PCや小型端末で見たい物を見たい分だけ選択出来る現代にて、40%って十分凄い数字だと思いますけどね。
などの声が上がっています。
ニュースサイト『サイゾーウーマン』によれば、今年の紅白を巡っては『うっせぇわ』が大ヒットした歌手・Adoさん、『2021 American Music Awards』で今年のアーティスト賞などを受賞したK-POPグループ『BTS』も、紅白への出場を拒否に近い形で断ったとしています。
その理由は紅白の権威が失われていることに加えて、制約の多さなども要因となっているようです。
そして、『女性セブン』の記事では紅白出場を拒んでいるアーティストとして、“ワンオク”こと『ONE OK ROCK』の名前を挙げていますが、森進一さんと森昌子さんの息子であるボーカル・Takaさんは過去に出演したラジオ番組で、紅白というよりもテレビに出演すること事態に後ろ向きだと語っています。
そのため紅白も現時点では興味がない、出たいと思っていないとした上で、ベースのRyotaさんは紅白に出たいと話していることを明かしていました。
ワンオクのような考えのアーティストは他にも多くいますが、紅白の視聴率が今後も下がり続け、完全に権威を失ってしまった場合には、オファーがあっても出場を辞退する人は増えそうですし、今後さらに一部の大手芸能事務所に偏った人選になっていくかもしれないですね。