2016年大晦日に放送された『第67回NHK紅白歌合戦』の視聴率が2日に発表され、前半戦・第1部(19時15分~)の関東地区の平均視聴率が35.1%、後半戦・第2部(21時00分~23時45分)が40.2%だったことが明らかとなりました。
関西地区は第1部が34.0%、第2部が39.5%でした。
2015年に放送された紅白の第2部は、前後半の2部制となった1989年以降、歴代最低となる39.2%となっており、2014年の紅白で記録した42.2%以来、2年ぶりに40%台の数字を記録しました。
しかし、昨年の紅白は終始グダグダな進行、演出などに対して視聴者からは批判が噴出しており、紅組か白組かの勝敗を決める審査結果の内容も物議を醸しています。
昨年の紅白で司会を務めたのは、嵐・相葉雅紀さんと女優・有村架純さんで、相葉さんは嵐のメンバー5人で白組の司会を5年連続で務めた経験があるものの、単独では今回が初となり、一方の有村さんも初めて司会を務めました。
相葉さんは番組終了後に『デイリースポーツ』の取材に対し、自身の司会ぶりについて「ポンコツ司会者でした」と話していたのですが、大きなミスこそ無かったものの細かいミスを連発しており、視聴者を不安にさせるような司会ぶりで、ネット上では「なんか進行がグダグダで見てて疲れる」といった声が多く上がっていました。
紅白の前半戦の最後に、ピコ太郎さんと渡辺直美さんが出演の企画「紅白HALFTIME SHOW」が行われたのですが、渡辺さんのパフォーマンス後にピコ太郎さんは、相葉さんと有村さん、嵐の二宮和也さんと『PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)』を披露。
続いて新曲『ポンポコリンポンペン』を歌い始めたところで時間切れとなり、相葉さんが焦った様子を見せながら「何?何それ? いや、マジで終わりもう終わり!」「ニュース挟んで(後半は)21時からですよ!」と言って、番組はニュースに切り替わってしまいました。
会場ではその後もパフォーマンスを披露し、ピコ太郎さんは「世界に向けて発信できてうれしかった」と笑顔を見せていたとのことなのですが、番組上では中断されて終了という形となっており、21時から後半戦がスタートしたとものの、ピコ太郎さんのパフォーマンスが中断されたことには一切触れること無く、何事も無かったように番組は進行していきました。
また、昨年の紅白にはスペシャルゲストとして、タモリさんとマツコ・デラックスさんも出演したのですが、2人は「ふるさと審査員」として番組の観覧に訪れた一般人という設定となっており、会場入りしようとしたものの入場整理券を忘れ、警備員によって入館を止められたりする寸劇を番組中7回披露。
その後も審査員席にたどり着くことが出来ず、番組は終了するという謎な演出となっており、マツコさんが最後に「家でゆっくり年越ししたかった」とつぶやいて締めくくられ、この演出に対しては「国民的番組の演出としてこれでいいのだろうか?」「タモリとマツコの無駄遣いでは?」という指摘が相次いでいます。
<↓の画像は、寸劇を披露していたタモリさんとマツコさんの写真>
その他にも、昨年大ヒットした映画『シン・ゴジラ』とのコラボ企画も展開されていたのですが、この企画も特に必要性が感じられず、司会の相葉さんも終始戸惑いを見せるなどしており、この企画も視聴者の間では大不評で、劇作家・演出家の鴻上尚史さん(こうかみ・しょうじ 58歳)も自身のツイッターを更新し、「演劇の演出家から見ると、今の紅白の『シン・ゴジラ』や『タモリ・マツコ』の強引な挿入は受け手の人間の生理を完全に無視しているとしか思えない。アイデアがいかに面白くても、それを受けるのは人間であり、人間の感情はアイデアより現実として存在している。それを無視はできない」とツイートしていました。
<↓の画像は、鴻上尚史さんのツイート>
そして、最後に紅組と白組の勝敗を決めるための投票が行われたのですが、視聴者投票で紅組は「252万7,724票」、白組は「420万3,679票」と圧倒的な差を付けており、会場の観覧客による投票についても紅組「870票」、白組「1,274票」だったものの、勝利したのは昨年に引き続き紅組。
投票の内訳は、審査員11票(ゲスト審査員10人で10票、ふるさと審査員は6人で1票)、視聴者投票は2票、会場観覧客は2票の合計15票で決めるもので、結果は審査員9票を獲得した紅組の勝利でした。
<↓の画像は、視聴者・会場審査の投票結果>
この結果に対して司会の有村さんも「えっ!? えっ、どういうこと。え、ありがとうございます。ちょっとびっくりしました。てっきり白が勝つかと思っていたので…。でも、お疲れさまでした」と困惑していたのですが、視聴者も同じように感じており、ネット上では「視聴者投票の意味ないじゃん」「あれだけ視聴者投票で差がついてて、審査員で決定って全く納得いかない」という声が上がっていたのですが、このようなグダグダっぷりからネット上では、
- 史上最悪の紅白といっても過言ではない。
- ほんとにgdgdだった。出演者も多すぎ。もう放送時間を2時間くらいにした方が良いと思う
- 一緒に見ていた祖母がこれが紅白?と言い、見るのをやめてしまった。司会に人気のある人を使うのはいいけど、台本がひどすぎる。NHK、プロデューサーの責任。
- 紅白のプロデューサーは左遷もんでしょ。タモリ、マツコに何をさせたかったの?リハ不足じゃなくて、もともとの演出が悪すぎ。ありえない放送事故レベルだった。
- こんなに酷い紅白は初めて。最初から最後まで演出には意味不明な点があったし、司会のダラダラ感も酷かった。最後の結果にもビックリ。視聴者アンケート意味ないじゃん。
などと、紅白史上最悪の紅白と言っても過言では無い内容に批判が殺到しています。
昨年の紅白で記録的な低視聴率を記録しており、何としてでも視聴率を回復させたいという思いから様々な企画を織り交ぜ、これまでと違った演出などによって盛り上げようとしたというのは感じられるのですが、最後を締めくくる国民的音楽番組の紅白に必要なのかと思う演出があまりにも多く、それに加えて、司会のグダグダっぷりから見ていられなかったという方も多かったと思われます。
幸いにも、昨年の紅白よりは視聴率が高く、2年ぶりに40%台の数字を記録したわけですが、昨年のような演出などが今後も行われるのであれば、視聴者の紅白離れはより加速し、30%台に低下するのは確実でしょうね。