2017年12月~昨年12月までに公開の作品を対象とした映画賞『第42回日本アカデミー賞』の授賞式が、東京都港区高輪のグランドプリンスホテル新高輪で1日に行われ、最優秀主演男優賞を役所広司さん、最優秀主演女優賞を安藤サクラさんが受賞しました。
また、最優秀助演男優賞は松坂桃李さん、最優秀助演女優賞は昨年9月に亡くなった樹木希林さんが受賞しています。
昨年5月公開の『孤狼の血』で最優秀助演男優賞を受賞した役所広司さんは、今回で3度目の受賞となっており、第20回(1996年度)に『Shall we ダンス?』、第21回(1997年度)に『うなぎ』で受賞しています。
今回の受賞に役所広司さんは、「意外でした。(スピーチを)何も考えてなかったな……」「最優秀主演男優賞は、僕は2年連続で頂いて以来、ずっと頂いていなかった。つくづく難しい賞。素晴らしい賞を頂いてビックリしました」
と驚きを隠せない様子を見せながら、「広島の呉で撮影しましたが、街の人たちが協力してくれた。西日本の水害でまだまだ復興まで時間がかかると思いますが、『孤狼の血』が賞をとったので、呉の人たちも元気になってくれたんじゃないかと思います」
とコメントしました。
<↓の画像は、最優秀主演男優賞を受賞した役所広司さんの写真>
また、昨年公開の大ヒット作『万引き家族』で最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラさんは、第39回(2015年度)に『百円の恋』でも受賞しており、今回で2回目の受賞となります。
そんな安藤サクラさんは今回の受賞スピーチで涙ながらに、『万引き家族』の撮影に入る約半年前に第1子を出産し、赤ちゃんを抱えて映画の現場に来ていることに罪悪感などを抱いた時期があったことを明かし、女優業と子育ての両立にもかなり苦労したといい、「子育ては24時間、映画の現場も24時間。子育ても映画も全力を尽くしていかなければならない。それをどうバランスを取ったらいいのか分からなくて。でも、私の一番の目標は、妻として母として、健やかな日常を送ることです」
と語っています。
<↓の画像が、最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラさんの写真>
また、「自分が幼い頃から映画の現場を見させてもらって、自分にとって新しい活力を与えてくれる場所で、それが無いっていう時間を過ごしていないので、どう両立したらいいか、今まったく分かりません」
と明かしながらも最後には、「こうやってすばらしい賞をいただくことができて、必ず自分の中で決着をつけて、きちんとまた映画の時間に携われるような環境に自分自身を整えて、また映画の世界に戻ってきたいと思いました」
と前向きに語っていました。
なお、昨年5月にフランスで開催の『第71回カンヌ国際映画祭』で最高賞「パルムドール」も受賞した『万引き家族』は、『日本アカデミー賞』でも最優秀作品賞をはじめ、最優秀監督賞、脚本賞、撮影賞、照明賞、音楽賞、美術賞の合計8冠を達成しています。
そして、『第42回日本アカデミー賞』の各賞の発表を受けてネット上では、
- 朝ドラも映画も素晴らしい演技だった。またスクリーンで見たい。
- 朝ドラの『まんぷく』もクランクアップしたことだし、当面は母親としての普通の生活が送れそうですね。
お子さんが成長して安藤サクラさんの仕事を理解し始めた頃に、もう一度映画の世界に戻ってきてくれるとうれしく思います。 - 何というかな、可憐な役も、汚れ役もできるし、図抜けて美人ではないけど、美しさも色気も出せる稀有な存在。
なんだかんだで、お父さんの幅広い演技力を感じる。朝ドラも見事にこなして、映画も大成功。確実に名優の階段を登っていると思います。 - 虎狼の血の役所さんがカッコ良すぎた
- 孤狼の血まじで良かった 万引きより好きやわ
- なんか気が滅入るな なんだ万引き家族が8冠て
- 俺デミー賞はぶっちぎりでカメラを止めるな
- 層薄すぎじゃね 役所広司って何回とってんの
- コードブルーとコナンが興行収入1位2位なのになんで受賞できないんだよ。おかしいだろ
などのコメントが寄せられています。
『第42回日本アカデミー賞』の優秀主演男優賞は役所広司さんのほかに、V6・岡田准一さん(受賞作:『散り椿』)、舘ひろしさん(『終わった人』)、濱津隆之さん(『カメラを止めるな!』)、リリー・フランキーさん(『万引き家族』)が受賞していました。
一方の優秀主演女優賞は安藤サクラさんのほかに、黒木華さん(『日日是好日』)、篠原涼子さん(『人魚の眠る家』)、松岡茉優さん(『勝手にふるえてろ』)、吉永小百合さん(『北の桜守』)が受賞しています。
これらの中から2人が最優秀賞に選ばれ、お2人の演技の評価はもちろんのこと、作品自体の評価もかなり高いことから妥当な結果と言えるかもしれませんね。
また、『万引き家族』に関しては8冠を達成したのですが、前回の『第41回日本アカデミー賞』では、同じく是枝裕和監督がメガホンを取った『三度目の殺人』が6冠を達成していることもあり、ネット上ではまた是枝監督の作品が最優秀賞を総なめかという声も多く見受けられます。
『日本アカデミー賞』は、様々な大人の事情が絡んだ賞であることは有名なので、色々と不満の声が上がるのは仕方がない部分もありますが、『万引き家族』は国内外で高い評価を受けた作品なのでこれも納得の結果だと感じ、果たして来年はどのような結果となるのか注目をしたいですね。